爬虫類・両生類/ヤモリ・イモリの飼い方

アカハライモリの飼い方

赤いお腹が美しく人気のあるアカハライモリ(ニホンイモリ)の魅力と飼育方法を解説。生態、飼育準備、エサなどの情報を詳しく写真豊富でお伝えします!

執筆者:星野 一三雄

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全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!

どうやら、毎年この時期の恒例となってきたような感のある「身近な両爬の飼育入門」シリーズの第...何弾だろう????
何弾だろうが、この際置いておいて、今回もまた比較的、飼育に関する質問が多い、そして実は世界の両爬ホビーの中の隠れた人気種・アカハライモリ(ニホンイモリ)の飼い方をご紹介しましょう!

もちろん今回も、その道の達人から、その方法を伝授していただき(というかほとんどパクリ)ましたので、安心して参考にして下さい!

アカハライモリの生態

アカハライモリは日本を代表する両生類の有尾類と考えて差し支えないでしょう。飼育方法を考える前に、まずはアカハライモリのことを勉強しましょう。
採れたてを屋外で撮影してみました
アカハライモリ(ニホンイモリ) 上:オス 下:メス


アカハライモリの属する有尾類(有尾目Caudata)の仲間は世界中に350種ほど知られていて、日本にはイモリCynops属の2種とイボイモリEchinotriton属の1種が分布しています。
アカハライモリCynops pyrrhogaster(ニホンイモリ)は南西諸島のシリケンイモリCynops ensicaudaとともにイモリ属に属する種類です。世界中に日本にしか分布しない固有種で本州・四国・九州とそのまわりの島々に広く分布しています。

平地から山地の水のきれいな水田や小川、池など流れが緩やかな水中で生活しています。基本的に水中生活者で、ほとんど自ら好んで陸上に上陸することはないようです。
本来は日本中のいたる場所で見ることができたらしいのですが、平野部の都市化が進んだせいか、少なくとも私が住んでいた神奈川県の平野部では自然下で見たことはありませんでした。宮崎県に来て、はじめて野生のイモリを見た感動は今でも忘れられません。

食性は肉食性でオタマジャクシやミミズ、昆虫などを貪欲に食べています。
行動の時間帯は決まっていませんが、どちらかというと夜行性で、繁殖期には夜になるとおびただしい数のイモリを水田や周辺の側溝で見かけることがあります。

アカハライモリは有尾類としては、やや小型の部類に属し、尾まで入れると全長はオスが80から100mm、メスはオスよりもやや大きくなり最大で130mm程度です。
外見の特徴は、何といってもその腹部の鮮やかな赤色でしょう。一般的な個体は背面が黒色で地味ですが、腹面はオレンジ色から鮮やかな赤色です。
これらの体色や斑紋は個体差が大きく、背面に赤色が入る個体や、逆に腹面が黒っぽい個体などバラエティに富みます。
この鮮やかな腹面の色と、飼育のしやすさのため海外の有尾類マニアの間では高い人気があります。

「惚れ薬」と「ソデフリン」

アカハライモリといえば、有名なのが繁殖行動です。
繁殖期になると、オスは青紫色の美しい婚姻色を発色し、情熱的にメスを誘って想いをとげようと努力をします。その繁殖行動は尾をくねらせたりと見ていて飽きない(というか同性として応援したくなる)のですが、詳しくは本などを読んでいただくか、実際に飼育して観察してみて下さい。

さて、このオスの情熱的な求愛行動の様子から、イモリは異性をひきつけるための「惚れ薬」として昔からよく知られています。黒焼きにして食べるとか、煎じて飲むとか。
もちろん一笑に付されるようなお話なのですが、実は最近になってから、このイモリの「媚薬」効果は、ある意味真実であったとも言えることが明らかになりました。

イモリのオスはメスをその気にさせるために「フェロモン」を分泌していることがわかりました(普通、どんな動物でも繁殖の時は分泌しているんですけどね...)。で、有名なのがこのフェロモンの名前です。両爬ファンならおなじみの「ソデフリン」です。実はこの名前、万葉集にある額田王の有名な和歌「茜さす紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」にちなんで名付けられました。どうちなんでいるのかを知りたい、よい子のみなさんは自分で調べてみましょう! 何にしてもなかなか粋な名前であり、イモリがいかに日本人にとって親しみのある生き物かをうかがうことができます。

念のためお断りしておきますが、このソデフリン、イモリのメスにしか惚れ薬としての効果はありませんので私たち人間の男は意中の女性を振り向かせたいと思ったら、イモリなんかに頼らず男を磨いて努力をしなさい、ってことです。

更新日:2005年04月21日

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