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愛護センターの「殺処分」方法を再考!

現在約9割以上の自治体で行われている殺処分方法は炭酸ガスによるものです。安楽死という名の下に行われる殺処分は、果たしてすべての動物が「安楽」に逝けるのでしょうか?!

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

譲渡対象猫です
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■安楽死とは?

『広辞苑』(第五版)
助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛のない方法で人為的に死なせること。


動物(犬や猫)が自らの意志(希望)で、「死にたい」と願うことはまずないだろうし、愛護センターに持ち込まれた動物に「助かる見込みがない病人」は少ないだろうから、私は愛護センターで殺処分される動物に対して「安楽死」という言葉を用いることは適していないと思います。
唯一、「苦痛のない方法で人道的に」という部分のみが、ここで安楽死という言葉を使うに値するでしょう。

動物に対しての安楽死は、やむを得ない事情や回復の見込みのない状態の動物を、飼い主自らの腕の中で見送ってあげられる状況で行って欲しいです。

「苦痛のない方法で人道的」に行われる殺処分とは?

では、実際に現在日本のほとんどの愛護センターで行われている殺処分が、この「苦痛のない方法で人道的」に行われているか?を調べてみると?

国の法律でも、下記のように『できる限りその動物に苦痛を与えない方法によって』行わなければならない、と定められていますからね。

動物の殺処分方法に関する指針
(一部抜粋)
平成7年7月4日総理府告示 第 40 号
改正 平成 12 年 12 月 1日環境省告示第 59 号
同 19 年 11 月 12 日環境省告示第 105 号

第1 一般原則管理者及び殺処分実施者は、動物を殺処分しなければならない場合にあっては、殺処分動物の生理、生態、習性等を理解し、生命の尊厳性を尊重することを理念として、その動物に苦痛を与えない方法によるよう努めるとともに、殺処分動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害及び人の生活環境の汚損を防止するよう努めること。

第3 殺処分動物の殺処分方法殺処分動物の殺処分方法は、化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、社会的に容認されている通常の方法によること。

動物の愛護及び管理に関する法律(一部抜粋)
(昭和48年法律第105号)(現行法抄)
(動物を殺す場合の方法)
第40条 
動物を殺さなければならない場合には,できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない.
環境大臣は,関係行政機関の長と協議して,前項の方法に関し必要な事項を定めることができる.

実際の殺処分方法は?

ブログ『ジュルのしっぽ-猫日記-』の管理人さんが、克明に調査されたレポートを、今回ご厚意により転載させて頂きました。
以下『ジュルのしっぽ-猫日記-』さんより転載
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a.二酸化炭素のみ・・・40自治体
   うち、「負傷動物には麻酔薬を投与」・・・8自治体(東京都など)
      「子猫専用小型BOXを採用」 ・・・1自治体(長野県)

b.一部麻酔薬採用・・・4自治体
   茨城県・・・二酸化炭素による処分前の子猫子犬に麻酔薬の経口投与を実施
   埼玉県・・・生後数週間の子猫子犬、負傷個体には麻酔薬を使用
   神奈川県・・・[病気・ケガ・老齢・小型犬]食事による麻酔薬の服用後に筋弛緩剤
     [自力で食事できない動物]麻酔薬注射の後に筋弛緩剤
     [子猫]…麻酔薬注射の後に二酸化炭素を併用
   鳥取県・・・幼少の犬猫には麻酔薬を使用

c.すべてに麻酔薬を採用・・・3自治体
   北海道・・・獣医師による麻酔薬等の投薬
   新潟県・・・麻酔薬2種投与の後に筋弛緩剤を投与
   福井県・・・麻酔薬投与の後に筋弛緩剤を投与

5つの自治体(b.の4自治体とa.の「子猫用に小型BOXを採用」している自治体)で、子ネコや子イヌを別としている理由は概ね、「子ネコは肺機能の発達が悪いため、安楽死に充分な量の二酸化炭素を吸うことが困難と考えられ、通常の処置方法で安楽死させてあげることはできないから」ということだった。
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現在ほとんどの地域で実施されているこの「炭酸ガス(二酸化炭素CO2)のみ」による殺処分の死因は酸素欠乏状態による窒息死です。
窒息死と聞くと、どうも首を絞められて苦しむイメージが浮かんでくるので、かなり苦痛を伴うのではないか?と想像しますが、二酸化炭素には麻酔作用および鎮痛作用があるとされており、獣医学的には特定の動物種について安楽死薬として容認されています。
※諸外国によっては、現在炭酸ガスの使用を安楽死と認めていないところがあります。

1950年代に、炭酸ガスによる麻酔法は、人間の無痛分娩に用いられ、その効果が実証されてきました。70~80%の高濃度のガスを吸入すると約4~50秒で完全麻酔状態に至り、意識が消失して無痛覚状態になる、とのこと。
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