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猫ウィルス性鼻気管炎

猫のインフルエンザと言われている「猫ウィルス性鼻気管炎」の原因、症状、治療法、予防などについて

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

記事:前ガイド戸松 佐恵美


捨て猫や野良猫で、目は目やにだらけで鼻は鼻水まみれ、くしゃみを連発している子を見かけた事がありませんか?
猫のインフルエンザ、と言われている「猫ウィルス性鼻気管炎」について一緒にお勉強しましょう。
■原因
この病気は「ヘルペスウィルス」に感染すると発症します。
■感染方法
感染した猫と接触する事により、鼻水やよだれから感染します。
グルーミングはもちろん、同じ器で餌を食べたり水を飲んだりする事でも感染しますし、飼い主さんが野良の子を触った手でお家の子を触っても感染する場合があります。
自分が媒介してしまわないように、外猫さんを触ったら必ず手を洗う習慣をつけましょう。
万一、この病気に感染させてしまった場合には、発症した子を他の子から隔離する事で二次感染は防げます。(ただし、潜伏期があるので、その間に感染していたら手遅れですが。)
■症状
人間の風邪と極似しています。感染後、1~3日くらい潜伏期があり、食欲が落ち元気がなくなり、くしゃみをしたりするようになって目からは涙が出るようになります。
ガイド宅でもこの病気が一巡してしまった事がありますが、桃太郎などは声枯れもしてしまい、鼻水垂らしながら「べーーーー」と鳴いていて可哀想でした。
病気が進行すると発熱、 くしゃみもひどくなってもするようになります。
個体によっては口内炎が出来る事もあります。
ガイド宅では栗之助が口内炎になってしまいましたが、ご飯を食べる都度痛がり、非常に可哀想ですし、早く治してやらないと体力がなくって衰弱する危険性があります。
また、結膜炎を併発する場合も多く、これが進行すると上下のまぶたがくっついたままになって失明する可能性もあります。
死亡率は低い病気ですが「ただの風邪だから栄養つけて寝てれば治る」などと悠長な事を言ってるうちに下痢がひきおこす脱水症状で、子猫やシニア猫などの体力のない猫は命取りになる事もあります。
※脱水症状をおこしていないかは、猫の背中の皮をひっぱって、すぐに戻るかを確認してください。(すぐに戻れば大丈夫です。)
■治療方法

治療の為の特効薬はありません。
二次感染を防ぎ、かかってしまった子には、自力でがんばってもらうべく栄養があって消化のいいものを与え、口内炎や結膜炎は対処療法で治します。
これまた人間の風邪と似ているのですが「もうそろそろ大丈夫かな」と気を抜くといきなりぶり返しますので、注意が必要です。
※ガイド宅では、あやうく二巡してしまう所でした・・・・
また、長く鼻炎を患わせたままにしておくと慢性化してしまう個体もいるようです。早期発見、早期治療。これをきちんと守れば、さほど怖い病気ではありません。

■予防
この病気は「三種混合ワクチン」(「猫パルボウィルス感染症」、「猫カリシウィルス感染症」、「猫ウィルス性鼻気管炎」)を打っていれば、かなりの確率で予防できますが、ヘルペスはインフルエンザのようにいくつか型がある為、ワクチンを打っていても稀に感染する事があります。しかしながら、ワクチンを打ってさえいれば、比較的軽い症状でおさまるそうです。 また、この病気を患った子は治った後も「キャリア」になってしまいますので、他の子に感染させないよう、室内で飼うようにしましょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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