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犬のストレスをチェックできる測定器が登場(3ページ目)

ストレス…人間も動物もこれから逃れることはできません。犬においても、彼らにかかるストレスが近年注目されるようになっています。そんな中で、犬のストレス度をチェックできる測定器を開発した会社があります。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

長期・過度のストレスは病気につながることも

楽しそうに他の犬と遊ぶ様子
何がストレッサーになるかは個体によって差があり。ストレスサインをうまくとらえて、少しでもストレスの少ない生活を。
ストレスに大きく関係するのが、自律神経(自分の意志とは関係なく、心臓や血管、内分泌腺、内臓などの機能を調整する働きをもつ神経)の働きです。これには、交感神経と副交感神経とがあり、ストレス時に優位に働くのが前者、リラックス時には後者が優位に立ちます。

なんらかのストレスを受けると、心臓の拍動が増加することで脳や筋肉により多くの酸素や糖を送り出したり、肝臓ではグリコーゲンを分解して血糖値を上げることで脳や筋肉へより多くのエネルギーを供給しようとしたりしますが、言ってみればこれらは心身の平和を乱すものに対する緊急用対策。よって、本来は長期にわたってその態勢を維持できるものではないので、キャパ以上の過度または長期のストレスを受けると、ホメオスタシスのバランスにも乱れが生じ、やがて様々な影響が出てくることになってしまいます。

免疫系に異常をきたせば感染症に罹りやすくなったりしますし、動脈硬化などの心臓疾患、癌、性ホルモンの分泌低下……など、種々の病気に影響を与える他、もちろん内面的なものに影響を及ぼすことも。

ストレスサインを見逃すな!

できれば、愛犬をストレスから病気になんてさせたくないですよね。そこに至るまでの間、つまり何らかのストレスを受けている時には、それなりのサインというものが見られることが多いはずです。以下に、その代表的なものを書いておきましょう。

■舌なめずりをする・あくびをする・床や地面の匂いを嗅ぐ・顔をそむける……などの、いわゆるカーミングシグナルが見られる。
■落ち着きがなくなる。集中力が低下する。
■物事に過剰反応する。
■攻撃的になる。
■震える。
■息づかいが荒くなる。
■クルクル同じ場所を走り回るなど、同じ行動を何回も繰り返す行動が見られるようになる(=強迫・常同行動)。
■自分の体を何度も舐める・掻く・噛むなどの行動が見られるようになる(=転位行動)。
■吠える。
■食欲の低下。
■排泄の回数が増える。トイレの粗相。下痢。便秘。
■アレルギー症状が出る。
■脱毛、フケ、乾燥肌など、被毛や皮膚に変化が表れる。
■目の充血。
■口臭や体臭が強まる。           etc.
    

ストレスが感じられたら、少しでもその改善策を

気をつけなければならないのは、上記のようなサインが見られたとしても、それが必ずしもストレスと直結しているとは限らないということです。病気からきている可能性もありますし、特にカーミングシグナルについては犬の普段の行動と際立った違いが認められないことから、そのサイン(行動)のみに集中してしまうのではなく、犬の性格や、犬がその時どういった状況にあったのか、飼い主との関係など様々な要素から判断する必要があります。それには、多少の観察眼と慣れも必要かもしれません。

トレーニングにおいて、ご褒美というものが多用されますが、何か新しいものを覚えるにあたって、犬がそれなりのストレスを感じているケースもありますから、トレーニングの仕方によっては、ご褒美(=犬にとっていいこと)でストレスを差し引くと考えると、理に適った部分もあるのでしょう。

近年では、“飼い主としての義務・責任”といった言葉が氾濫していました。犬と暮らす以上は飼い主としてそれなりの意識を持って生活する、それは当然のことでしょう。が、その一方で、益々犬を“管理する”といった傾向が強まったように思え、人間の生活に組み込まれれば組み込まれるほどに、いいにつけ悪いにつけ、犬達にはストレスが増えているように感じるガイドです。

犬のストレスを軽減できるのが人間であれば、作ってしまうのも人間。共に暮らす中で、肩を張り過ぎず、考え過ぎず、なるべく自然体で犬と過ごしたいものです。そうすればストレスも少しは少なくなるはずですから。


【関連サイト】
有限会社ライブエイド(ストレスレベルの測定器など、健康機器の研究開発・販売を行っている)
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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