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更新日:2003年01月05日

不妊手術はアメリカの常識?

ロスの獣医師で『小さな命を救いたい』(エフエー出版)などの著者、西山ゆう子先生の講演を聞いてきました。その中でもっとも印象的だったのは不妊手術に関するアメリカの常識でした。

不妊手術をしてないと裁判でも不利に?
そうでなくても大きい不妊手術のメリット



ロサンゼルスの獣医師で『小さな命を救いたい』(エフエー出版)などの著者、西山ゆう子先生の講演を聞きにいってきました。「ペットとの幸せな共生を考える」と題されたその講演会を企画されたのは『Wan's?Tail』藤田みゆきさんです。

当日は全国から多くの飼い主さんたちが集まり、熱気にあふれていました。
示唆に富んだ素晴らしいお話ばかりでとても勉強になったのですが、なかでもあらためて驚いたのは、アメリカの不妊(避妊・去勢)手術に対する普及度の高さでした。思い起こせば、わたしがまだ中学生だった頃に封切られた『ジェレミー』という映画の中で、主人公である高校生のジェレミーがアルバイトで複数の犬を同時に散歩させるシーンがありましたが、これなど不妊手術を施された犬たちだからこそ可能だったんでしょうね。
また、以前アメリカで犬の保育園につとめた経験のある古銭正彦さんというトレーナーさんにその内容をお聞きしたときも、保育園があずかるのは「不妊手術を受けている犬」のみということでした。

西山先生はみずからも獣医師として、飼い主たちに不妊手術をすすめていますが、その理由を4つに分けて説明されました。それは「医学的な理由」「行動学的な理由」「社会的な理由」「遺伝学的な理由」の4つです。

まず医学的ネ根拠としては、以下のことがいえるそうです。

メスの場合 ※一部抜粋
子宮蓄膿症、子宮内膜炎の予防
子宮ガン、卵巣ガンの予防
乳腺腫瘍、乳ガンの発生率の低下
アトピー性アレルギー疾患の緩和
糖尿病の緩和
クッシング(副腎皮質機能亢進症)の緩和など

オスの場合 ※一部抜粋
睾丸腫瘍の予防
肛門周囲腺腫の予防
前立腺肥大の予防など

乳腺腫瘍の発生率を見てみますと
初回の発情の前に手術を施した場合の発生率は  0.5%
一回目の発情後に手術を施した場合の発生率は   8%
二回目以降の発情後に手術を施した場合の発生率は 26%


ということは、二回目以降の発情後に手術を施した子でも4頭に1頭は、乳腺腫瘍に冒されるという確率だということになります。この数字の高さにはかなりショックを受けました。

続いて行動学的な理由は以下のとおりです。

性格が穏やかになる、吠えなくなる、遠吠えしなくなる
テリトリー意識が減少する、マーキングの予防
犬どうしのケンカが減る、外傷が減る
咬みつかなくなる、イライラしなくなる ※一部抜粋

これは密集した都会での犬の飼育が楽になり、トラブルも減るということにつながります。つまり社会的な理由としてもメリットがあるということ。攻撃的な面が抑えられ温和になれば、ドッグパークに行って放されてもほかの犬とケンカをすることもないですし、ケージレスのホテルにも預けやすくなります。
ただし、もちろんいつ不妊手術をしても同じというわけではありません。上のような不妊手術のメリットを最大限に発揮させるには、生後4週齢から16週齢の間に施すことが必要なのですね。

成犬になってしまってから不妊手術をするのは悪いことではありませんが、やはり物心がついてからだと「いったい、わたしの身体に何をしたの?」「ぼくの身体はどうなっちゃったの?」というトラウマが生まれることがあるとか。それにこれは体験的に感じたことですが、オスの場合は成犬になってからですと、ほとんど性格的な変化はないようです(マーキングもします)。

(執筆者:坂本 光里)

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