離婚を決意する前に

更新日:2002年09月30日

夫婦が離婚を考えるとき 不倫の恋の甘い罠−【1】

今が良ければいい、では済まないのが不倫。先のことを冷静によく考えて、どうなるか?それぞれの立場で覚悟して行動すべき。

癒したいと思うかも知れませんが、早急に協議離婚をしてしまうことだけはお勧めできません。離婚以外に道はないと気持ちが固まったら、1つ1つ手続きを踏んでいくことが大事です。しかし、その煩雑な作業(財産分与・慰謝料・養育費・親権・新しい住まい探し・子どもの転校の取り決め等々)の中でもう一度相手を許せるのか許せないのか、本当に離婚以外の方法はあり得ないのか、自問自答し相手にも気持ちを確かめてみることをお勧めします。
 何故、私がここまで念には念を入れて、と言うのか? それは、私が担当したカウンセリング事例で、大変な思いをして離婚しお互いに何もかも失った後、僅か半年で復縁というケースがあったからです。

 Hさん夫婦は夫の度重なる不倫が原因で不仲でした。しかし、子ども3人を抱えて一人で生活をしていくのは困難ということもあり、妻は夫の不誠実に我慢を重ねて何とかやってきました。けれども、夫の愛人から夫の子どもを妊娠したから別れて欲しいと言われ、とうとう夫にも愛想が尽き果て離婚調停を申し立てたのでした。離婚調停は2、3ヶ月に一回ですから、お互いの譲歩がなければ離婚条件はなかなか決定せず、長い期間かかることになります。結局全ての条件において双方納得し離婚成立となったのは申し立てから1年が経過してのことでした。この夫婦の場合は、ローン支払い中のマンションの清算が難題でした。結局現在ではマンションは買ったときの半値以下でしか売れませんから、売ってもローンはかなり残ってしまうのです。そんな争いの最中、愛人は痺れを切らしこの夫には見切りをつけて子どもも中絶しました。夫は離婚調停で「金、金、金」と目くじらを立てている妻と今更復縁する気にもなれず、愛人と別れたことはあえて言わなかったのです。

 こうしてやっとの思いで離婚を成立させた二人でしたが、夫は不倫相手が会社の部下だったことから左遷されやむなく転職し年収は以前の三分の一に。妻は3人の子どもを抱えて生活が成り立たず、福祉施設に入居せざるを得なくなりました。元夫は二ヶ月に一回の子どもとの面接で、元妻子の窮乏ぶりを知り、復縁を考えました。元夫がこれまでの自分を反省し今の素直な気持ちを伝えると、元妻も裏切られた憎しみから気持ちを胸の奥へと押し込めていた自分に気づいたようです。こうして二人は全てを失った後で、お互いの大切さに気づいたのです。
 たぶん、二人はこの様にしか歩めなかったのでしょう。これでよかったとも言えるかも知れません。でも、エリートサラリーマンで素敵なマンションに住み何不自由なく暮らしていたあの頃の生活はもう戻ってきません。
 全てを失った後でしか見えてこないものもあります。彼らの離婚~復縁について、不倫をする人、された人、または愛人の立場にある人、いかが思われたでしょうか? 今が良ければいい、では済まないのが不倫。先のことを冷静によく考えて、それぞれの立場で覚悟して行動すべきです。
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岡野 あつこ

夫婦問題を解決に導くライフアップカウンセラーのパイオニア。特に離婚問題においては20年間に2万件以上…

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