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大学全入時代に突入!大学はどうなる?

大学の存亡を危うくするとんでもない時代がやってきた。18歳人口の減少により今後は大学戦国時代がやってくる。それによって予想される状況はどのようなものだろうか?

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

大学戦国時代がやってきた!

この数年大学の統合のニュースが増えたことにも少子化の影響が影を落としている大学「全入」時代とは、大学の収容能力(入学者数/全志願者数)が100%になり、入る大学や学部を選ばなければ全員が(計算上では)大学に入れるようになるということ。大学全入は2007年問題とも言われ、2007年を中心に教育、受験界で大きな問題となってきた。

実際には2007年は景気の好転によって大学志願者が増えたため、大学全入時代は先送りとなったが、文部科学省の18歳人口の推移に関する報告によれば、あと数年以内に、つまり現在の小学生が大学進学を迎えるころには世の中は確実に大学全入の時代になっている。2007年で18歳の人口はピーク時の1991年から比較すると4割も減少している。景気の好転を受け大学進学率自体は徐々に上がっているが、今後大幅には増えそうもない。大学にとって激動の時代が始まる。では具体的にどんな状況になるだろうか。

予想される事態は3点ある。
■経営不振の大学が立て続けに潰れる
■大学の再編成、統合が起こる
■下位大学が専門学校化する

現在でも「07年度私立大学短期大学等入学志願動向」によると、私立大学の約40%、短期大学の約50%で定員割れを起こしている。2004年に東北文化学園大が、2005年には山口県の萩国際大学が民事再生法を申請したように、定員割れを起こしている大学は淘汰されていくだろう。わが子の時代には自分が卒業した母校が消えてなくなることも充分にありうる。

大学関係者からの話では大学ランキングのトップクラスの大学には、次々と統合の話が舞い込んでいるそうだ。東京水産大学と東京商船大学が2003年に、2007年の慶応大学と共立薬科の統合認可、2004年の大学法人化を受けて大阪外国語大学と大阪大学が2007年10月に統合など事例は数多い。

今後とも東大、京大などの旧帝大系の国立大学や、早稲田大学や慶応大学などの私立上位校の優位は動きそうにもない。少子化に対して早い時期から対策をとってきたからだ。このような大学は、以前の学部学科を改組し、魅力的な新学科新学部を開設している。

このような時代では大学教員も安閑としていられない。軽く年収一千万はくだらない給与が大学の運営を圧迫しているからだ。そのため成果主義を取り入れざるを得ず、一年中同じ授業をしているような教員に明日はないだろう。高知工科大学のように授業アンケートを行ったり業績の悪い教員の契約更新(任期5年)はしないというところまでもすでにあるのだ。大学教授にさえ受難の時代がやってくる。


>>大学は専門学校化している>>
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