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「本家本元」の中華料理店、発見!(4ページ目)

中国・成都にある麻婆豆腐の本家、陳麻婆豆腐。南翔発祥の小籠包本家、古猗園。いまや町の中華料理店でも見られるあの料理の源泉を探してみました。なんと回転テーブルは、日本のあの有名ホテル発祥なんですよ。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

中華料理に欠かせない回転テーブルは目黒発祥!

現在の正面玄関(C)目黒雅叙園
最後に、中華料理に欠かせない回転テーブル。本場中国でもグルグルまわして料理を取り合う光景はよく見かけますが、実はこの回転テーブル、日本生まれって知っていましたか?

発祥は東京にある目黒雅叙園。昭和3年に北京料理・日本料理の料理店として開業し、現在は結婚式や宴会も行える総合施設になっています。 映画『千と千尋の神隠し』のモデルにもなったともいわれています。

美しい回廊(C)目黒雅叙園
回転テーブルが考案されたのは、昭和7年頃のこと。目黒雅叙園の創業者である細川力蔵氏が、宴会や披露宴での食事の際、お客様がお互いに気を使いながら料理を取りわける姿を見て、「座ったままで、各自が好きな量だけ取り、次の人に料理を回せることはできないものか」と考えたことから生まれたそう。

現在も使われている第一号の回転テーブル

玉城の間で現在も使われている第一号の回転テーブル(C)目黒雅叙園

実際に回転テーブルの製作にあたったのは、目黒雅叙園全体の建築も手がけた大工棟梁の酒井久五郎氏。回転する軸の部分は、金物商の原安太郎氏が担当しました。いずれも考案者、細川氏に依頼されてのことです。中国への伝来はそれからしばらく経ってから。戦後の混乱のなかで、華僑の人たちが、中国やそのほかの国に伝えたのだろうといわれています。

当時を偲ばせる旧目黒雅叙園宴会場(C)目黒雅叙園
目黒雅叙園では昭和63年に改築にともなう解体工事が行われ、その際に回転テーブルも修復されました。修復された第一号の回転テーブルは、現在も目黒雅叙園内のレストラン「東京チャイニーズ 旬遊紀」で使われています。玉城の間という個室にあるので、別途室料はかかりますが、一般の人でも使うことができるんですよ。

何千年もの歴史を誇る中華料理。そんな中華料理の定番である回転テーブルが日本発祥というのはなんとなく誇らしい気がしますね。

【DATA】
  • 所在地:東京都目黒区下目黒1-8-1
  • 交通・アクセス:JR山手線、東京目黒線、地下鉄南北線・三田線「目黒駅」から徒歩3分
  • 地図:目黒雅叙園
  • TEL:03-3491-4111
  • 時間:「東京チャイニーズ 旬遊紀」の営業は、平日11:30~16:00、17:30~21:30(L.O.)、土日祝11:30~21:30(L.O.)
  • ウェブサイト:目黒雅叙園
いまでは日本をはじめ、世界中で本格的な中華料理を気軽に楽しめるようになりました。その歴史に思いを馳せつつ、逸品を生んだ土地の雰囲気も一緒に味わう本家本元の味、きっと忘れられない味になるはずですよ。

【関連リンク】


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