名古屋で本屋めぐり「Bookmark　Nagoya」(3ページ目)

チェコの絵本を中心に揃えた古本カフェ
～　ｃｅｓｔａ（ツェスタ）　【千種区・覚王山】

「ｃｅｓｔａ」とはチェコ語で“旅”の意。チェコをはじめとする海外のヴィンテージ絵本や、旅を感じられる本を集めた古本カフェです。

奥にはカフェもあり、コーヒーの他、チェコビールも飲める

「チェコは古くから人形劇が発達していて、その流れからアニメーション、絵本もクオリティの高いものが生まれてきました。ロシア・アヴァンギャルドの影響を受けたデザインや色彩は自由で斬新。特に古い絵本は、紙の質や印刷技術が高く、現在のものより風合いがあるんです」と店主の山守弘城さん。半年に一度のペースで現地へ赴き、本だけでなく雑貨なども買い付けています。

期間中は60～80年代のチェコのヴィンテージ映画ポスターが店内を飾る。購入も可

「Bookmark　Nagoya」ではチェコのヴィンテージ映画ポスターを店内にて展示販売。チェコでは、アメリカや日本の映画を公開する時に、本国のオリジナルとはまったく違ったデザインのポスターを独自に作っちゃうのだとか。筆者もいくつか見せてもらいましたが、「えっ、これがあの映画の‥‥？」とびっくりするやら笑えるやら。アートとしてのクオリティそのものが高いので、映画ファンならずとも１枚購入したくなります。

ｃｅｓｔａのこの１冊は日本でも人気が高いチェコの絵本作家、ヨゼフ・パレチェクの「KLIC　OD　kralovstvi」

名古屋で唯一のカフェ併設の古本屋であることも魅力。テーブル２卓だけの小さなスペースですが、古い喫茶店から引き取ったというベロア地のソファがまたいい味を出していて、お気に入りの１冊を見つけたらそのままここで読みふけるのもいいんじゃないでしょうか。

■　ｃｅｓｔａ
・所在地：名古屋市千種区末盛１-17
・アクセス：地下鉄覚王山駅より徒歩１分
・TEL：052・752・1109
・営業：12時～20時
・定休日：火曜
・駐車場なし
・Yahoo地図情報

テーブルを囲んで新しい出会いが生まれる古本屋さん
～　シマウマ書房　【千種区・本山】

地下鉄本山駅で降り、四谷通りの坂道を少し登ったビルの半地下にある

シマウマのかわいいロゴマークが目印。30代の若いオーナーによるオープンして２年の古本屋さんです。

店内は中央に大きなテーブルが置かれ、思いのほかゆったりした雰囲気。文学、人文、音楽、映画、演劇、写真などオーソドックスなラインナップの中に、個性的なフリーペーパーの数々も。洗練された新しい感覚と、昔ながらの古本屋のムードをあわせ持っています。

書斎のような落ち着きと清潔感のある店内

本来なら本棚を置くべきスペースをテーブルが占めているのには理由があります。「古本屋に足を運ぶお客さんは、多方面にアンテナを張っている面白い人が多い。大学の研究者、音楽や映画をやる人‥‥。そういう人たちを結びつける場にしたいと、ゆっくりくつろげるテーブルを置いたんです」と店主の鈴木創さん。ここでの人の出会いをきっかけとした上映会や講演会、ライブなどを、月に２回ほどのペースで行っているそうです。

店主鈴木さんセレクトの１冊は三島由紀夫・川端康成が監修した昭和30年代発行の「世界名作全集」から横光利一の「旅愁」

「Bookmark　Nagoya」では、クライマー・今井考氏のスライドショー、『江戸川乱歩と名古屋』の著者・小松史生子氏のトークショー、期間中を通しての「大正～昭和初期の暮らしの本」展を開催します。

日ごろ古本屋を利用したことがないという人も、ここなら敷居の高さを感じることなく足を踏み入れられそう。棚を眺めているうちに掘り出し物の１冊と出会えそうです。


■シマウマ書房
・所在地：名古屋市千種区四谷通１-22ディオネ四谷Ｂ１
・アクセス：地下鉄本山駅より徒歩１分
・TEL：052・783・8150
・営業：11時～19時
・定休日：木曜
・駐車場：１台
・Yahoo地図情報


今回紹介した４件は、いずれもここ２～３年のうちにオープンした新しい店ばかり。「名古屋にこんなに面白い本屋があるんだ」と筆者も驚かされました。どの店も、周辺にも新しいショップや気になるスポットが見つかるエリアにあるので、街の散策と合わせて本屋めぐりを楽しめます。

この他にも魅力ある本屋はたくさんあるハズ。イベントの参加ショップの中から、皆さんのお好みの１件を探し当ててみてはいかがでしょう。本と名古屋を愛する人たちの思いが詰まったイベント、「Bookmark　Nagoya」をきっかけにして、新しい名古屋の歩き方を見つけてみてください。

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