元祖は昭和38年創業のヨコイ
市内には専門店や採用店も多数あり
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| ヨコイのあんかけスパ。写真は定番のミラカン900円。その他、あんかけスパ各種600円~ |
きしめん、味噌煮込みうどん、台湾ラーメンなど、名古屋名物の麺類はいろいろありますが、中でもとりわけローカルかつオリジナルな存在が
あんかけスパゲティです。
あんかけスパとは、名前の通りとろみのあるソースがかかったスパゲティ。なぜか必ず極太麺を使うのも特徴です。昭和38年創業の
「スパゲティハウス ヨコイ」(以下ヨコイ)が元祖と言われ、名古屋市内には他にも、これをメインに据える専門店、サイドメニューに採用しているイタリアンレストランや喫茶店が数多く存在します。ただし、他エリアではほとんど見られず、お客さんも大半が地元っ子。味噌カツやひつまぶしなど全国区になった「名古屋めし」はたくさんありますが、あんかけスパはいまだ地域限定なんです。
実は「あんかけ」じゃなかった?オリジナルソースの秘密
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| あんかけスパの元祖「スパゲティハウス ヨコイ住吉店」。場所は繁華街・栄のド真ん中だが、ビルの2階で初めてだと意外と見つけにくい |
さて、的を得ている反面、「中華丼みたいなもの?」なんて勘違いも生みがちな「あんかけ」なるネーミング。実はそもそもお店がつけたのではないのだとか。
「あんかけソースという呼び方が一般化してますが、実はオリジナルのミートソースなんです」とおっしゃるのはヨコイの2代目・横井信夫さん。昔、ある記事で、この料理の特徴を表現するために「あんかけ」という言葉が使われ、その後それが一般に定着したんだそうです。
「イタリアの家庭料理にはイモのでんぷんでとろみをつけるソースが多く、これを応用したんです」と横井さん。とろみをつけることで麺とソースがよくからみ合い、なおかつ冷めにくくなるという利点もあると言います。
ソースの仕込みは1週間がかり。十分に裏ごしすることで肉や野菜が一体化し、じっくり煮込んで寝かすことでトマトの酸味が抜け、まろやかなコクが生まれます。
麺は直径2・2mmの極太麺。一般的なスパゲティは1・6~1・8mmですから、実にどっしり。濃い目のソースには太い麺を使うというセオリーにもかなっています。そして、この麺を固ゆでし、いったん冷水にさらしてグッと締め、最後に油で炒めるというのもヨコイ流です。
店内の8割がサラリーマン。
オジさんの心をつかんで離さない魅力とは?
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| ヨコイのランチタイム。見事にネクタイをしめたビジネスマンばかり |
オジさんファンが多い。これもあんかけスパの大きな特徴です。ヨコイのランチタイムはお客のほとんどがスーツ姿のサラリーマン。週何日も通う常連も少なくないそうで、まるで近所のうどん屋さん状態。スパゲティ屋さんと言うと普通は女性客が中心ですが、ここではランチタイムでは8割、平均でも7割を男性が占めるそうです。
「時間をかけるからこそ出るコク。これが40代~50才の男性にもウケる理由では」と横井さん。コクのある味はコクのある男にこそ分かる、ってところでしょうか。
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| 筆者も実食。こってりしたコクの中のピリッとした辛さがヨコイのソースの魅力 |
一番人気は何と言っても「ミラカン」。ハム、ベーコン、ウインナ—の乗ったミラネーズ+野菜たっぷりのカントリーをミックスした、あんかけスパの代名詞的メニューです。
ヨコイでは、他に目玉焼きや魚フライが乗ったバイキング、エビや各種野菜をとじた卵焼きが乗ったサンジェルマンなど、20種以上のバリエーションがあり、さらにトッピングメニューも豊富。好みやその日の気分に合わせて多彩な組み合わせを楽しめるのも、常連を飽きさせない人気の秘密です。
実際に食べてみると、あんかけソースはこってりしつつも、しつこくはなく、太麺にからんで気持ちよくすいすい入っていきます。ピリッとした辛みも特徴的。聞けばタバスコなどの唐辛子系は使っておらず、コショウで辛みを加えているそうです。濃厚なコクも、いかにも濃い目の味付けが好きな名古屋人好み。ボリュームも十分で、レギュラーサイズでも麺は270g分もあるとのこと。このたっぷり加減も、男性客に喜ばれているゆえんでしょう。
次のページではレトルトソースの活用法やあんかけ全国制覇の可能性に迫る!