名所・旧跡/東北の名所・旧跡

春の遅い角館で桜並木を楽しもう/秋田

春の訪れが遅い東北。みちのく三大桜の名所として知られる「みちのくの小京都」角館(かくのだて)で、江戸時代から残る武家屋敷通りのしだれ桜と檜木内川の桜並木を楽しみましょう。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

春が遅い角館で少し遅めのお花見を楽しんでみませんか?

角館・檜木内川沿いの桜並木(1)

春遅い角館を彩る美しい檜木内川沿いの桜並木(2004年4月24日撮影)

関東や関西で桜のお花見が楽しめるのは、場所やその年の気候にもよっても変わりますがだいたい3月下旬から4月上旬がピーク。桜が咲きだすと街の中が一斉に明るくなって、気分も心なしか晴れやかになりますね。

ところがこの時期はちょうど年度末から年度初め。忙しくてゆっくりと花見ができないかも知れない…という方もいらっしゃるかも知れません。

そんな方にお薦めしたいのは4月中旬から下旬頃のお花見。春の遅い東北では4月中旬から下旬にかけて見頃を迎える桜の名所がたくさんあります。

今回はそんな桜の名所の中から、みちのく三大桜の一つに数えられる、角館(かくのだて)の桜をご紹介します。

<目次>
 

みちのくの小京都、角館を彩る武家屋敷通りのしだれ桜

角館・武家屋敷通りの桜並木(1)

京の都を思わせる町並みが残る角館の武家屋敷通り。
春を迎えるとしだれ桜が武家屋敷通り桜色に染め上げます(2004年4月24日撮影)

秋田県の中部に位置する角館Googleマップ)は、古くから城下町として賑わった街です。

1620年に芦名義勝により武家居住区と町人居住区を分ける形で街が作られ、その後角館を治めた佐竹北家の佐竹義隣が芦名氏の街作りを継承。佐竹義隣の子・義明が京都の公家から正室を迎えたことがきっかけとなり、角館と遠く離れた京の都との間で文化交流が強まり、街作りにも都の香りが漂うようになりました。

この時の町並みが現代に至るまで残っていることが「みちのくの小京都」とも呼ばれている所以です。
角館・武家屋敷通りの桜並木(2)

天然記念物に指定されたしだれ桜が彩る角館の武家屋敷通り(2004年4月24日撮影)

武家居住区だった部分には、現在でも当時の武家屋敷が残ります。
映画のロケにも使われた武家屋敷もあり、一部の武家屋敷は中を見学することも可能です。
角館・武家屋敷通りの桜並木(3)

武家屋敷の敷地内にあるしだれ桜。
背の高さと花の美しさに驚きます(2004年4月24日撮影)

そして、この武家屋敷通りの通り沿いには、大きなしだれ桜が並んでいて、春になると通りを歩く人たちの目を引きます。
角館・武家屋敷通りの桜並木(4)

雨が降る中でも観光客が絶えない春の武家屋敷通り。
しだれ桜もしっとりとした雰囲気です(2009年4月26日撮影)

樹齢200年を越えるものから若い木まで様々あり、このうち162本は天然記念物に指定されています。散策するのも良し、じっと足を止めて眺めるのも良し、時が過ぎるのをつい忘れてしまいそうですね。
 

全長2kmにも及ぶ檜木内川の美しい桜並木

角館・檜木内川沿いの桜並木(2)

檜木内川の川岸に2kmも続く素晴らしい桜並木(2004年4月24日撮影)

武家屋敷通りを後にして、少し歩くと角館の町の中を流れる檜木内川(ひのきないがわ)の川岸に出ます。
角館・檜木内川沿いの桜並木(3)

檜木内川の川岸の桜並木は遊歩道として散策することができます(2004年4月24日撮影)

この川岸にある全長2kmにも渡る桜並木は、天皇陛下御誕生記念として1934年(昭和9年)に植えられたのが始まり。今では国の名勝に指定されています。
角館・檜木内川沿いの桜並木(4)

どこまでも続く…と思えてしまう檜木内川の桜並木(2004年4月24日撮影)

桜並木の下は遊歩道となっているので、空に向かって咲き誇る花々を愛でながら、木の下をゆっくりと歩くこともできます。
角館・檜木内川沿いの桜並木(5)

土手を下りた所から檜木内川沿いの桜並木を眺めます。
時期が合えば水仙の花と一緒に見られることも(2004年4月24日撮影)

途中で河原に降りられる所もありますので、休憩しつつ河原からずらっと並ぶ桜並木を俯瞰するのも良いでしょう。
 

角館の桜の見頃は例年4月下旬頃

角館・檜木内川沿いの桜

例年4月下旬頃が角館の桜の見頃。
檜木内川の桜は低い所にたくさんの花が咲くので桜をバックにした写真が気軽に撮れます(2004年4月24日撮影)

さて、角館の桜の見ごろはいつごろでしょうか? 

角館の場合、武家屋敷通りのしだれ桜はエドヒガン、檜木内川の桜並木はソメイヨシノと桜の品種が違いますが、過去の傾向より例年4月20日から30日頃が見頃となります 。
ただし桜の開花時期はその年の気候によって大きく変動し、1週間以上早まったり遅くなることもあります。

旅行の計画を組む際、満開の時期は予想するしかないので頭が痛いところではあるのですが、その分満開の時期に当たった時は嬉しさも倍増しますね。
最近では各地の桜の開花予想が発表されていますので、参考にしながら計画を立てるといいでしょう。


角館は少し遠いように感じるかと思いますが、飛行機や秋田新幹線などを使うと1泊2日でも十分街歩きを楽しむことができます。また周囲には田沢湖や乳頭温泉郷などの観光スポットも点在しています。これらと組み合わせて普段より少し遅めの花見をぜひ角館で楽しんで下さい。

 

角館へのアクセス

地図:Googleマップ

アクセス:
秋田新幹線「こまち」

角館への鉄道アクセスとなる秋田新幹線「こまち」

<鉄道>
秋田新幹線「こまち」号で角館駅下車。
角館駅から武家屋敷通りまでは徒歩約15分、武家屋敷通りから檜木内川の桜並木までは徒歩5分~10分程度です。

<飛行機>
秋田空港からあきたエアポートライナー(事前予約制の乗り合いタクシー)の乳頭号または玉川豪に乗車し、角館地区まで約1時間。角館地区はJR角館駅を含めて、細かくバス停留所が設定されています。

<高速バス>
東京駅八重洲南口から田沢湖行きの夜行高速バス「レーク&ポート号」(羽後交通バス)が角館(羽後交通 角館営業所)に停車します。
※毎日運行ではありません。利用する場合は運行日に注意してください

<車>
東北道 盛岡インターチェンジから国道46号線に入り、角館へ。
または秋田道 大曲インターチェンジから国道105号線で角館へ。
なお、桜の開花時期には角館周辺の道路は大変混雑します。
駐車場は国道沿いも含めて臨時の駐車場が多数設置されるものの、入場待ちを余儀なくされますので、時間に余裕を持っておくと良いでしょう。
 

【関連サイト】 ◇「名所・旧跡」ガイドで紹介したみちのく三大桜に関する記事はこちらです。
「桜の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで桜が楽しめる名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「東北の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで東北地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます