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荘厳なバロック建築の都ドレスデンを歩く

豪華で重厚な建築物に囲まれて町を歩いていると、バロック時代に迷い込んでしまったような気になるドレスデン。歴史を感じながらじっくりと散策してみましょう。エルベ川流域の景観は世界遺産にも指定されています。

執筆者:カルカ 麻美

現在公開中の映画『ドレスデン、運命の日』にちなんで、前回のガイド記事では、ドレスデンの平和のシンボル「フラウエン教会」についてお話しました。今回は、近年観光地として人気が高まっているドレスデンの町全体をご紹介。ドレスデンのエルベ渓谷の景観は、世界遺産にも登録されています。

ザクセン公国の都として栄えたドレスデン

宮廷教会とレジデンツ城
重厚な建物が立ち並ぶドレスデンの町並み(左:宮廷教会、右:レジデンツ城) ※クリックすると拡大写真が見られます
2006年に建都800周年を迎えた歴史あるドレスデン。15世紀からザクセンの選帝侯や王家が居住し、18世紀にはヨーロッパの政治・経済・文化の中心となり栄えてきました。そのため町にはバロック建築を始めとし、ルネサンス時代や19世紀に造られた多くの壮大な建築物が立っています。

ツヴィンガー宮殿
アウグスト強王が建てたツヴィンガー宮殿。内部にはアルテマイスター絵画館や陶磁器コレクションがある ※写真はクリックで拡大
中でも「アウグスト強王(August der Starke)」(ザクセン選帝侯フリートリッヒ・アウグスト1世、1670~1733年)は、ドレスデンの町に建築物や芸術品コレクションなど多くのものを残しました。町を歩いていると彼の名や像によく出合うので、そのことが実感できると思います。またあの有名なマイセン磁器も、このアウグスト強王の命によりドレスデンで発明され、ドレスデン郊外の町マイセンで製造されるようになったのでした。


旧市街の重厚な建築物に囲まれて

ドレスデン
ドレスデンの町を走る馬車。とても絵になる

ドレスデン
ゼンパーオペラの前をバロックの衣装を着飾った人々が歩く。なかなかいい演出 ※写真はクリックで拡大
エルベ川の南側には、観光スポットである歴史的建築物が密集しています。フラウエン教会、レジデンツ城(ドレスデン城)、ツヴィンガー宮殿、ゼンパーオペラなど、豪華で壮大な建物が立ち並ぶ空間に身を置くと、バロック時代にタイムスリップしたような気になってしまいます。優雅に馬車も通っていて、演出はバッチリ。素晴らしい建物を眺め、馬車の音を聞きながら、ガイドはいつまでもただそこに佇んでいたい気分になってしまいました。

レジデンツ城
バロックやルネサンス様式が混合したレジデンツ城。1918年までザクセン選帝侯の居住地だった ※写真はクリックで拡大
とても歴史を感じる建築群ですが、これらは全て戦後再建されたもの。ドレスデンは、第二次世界大戦末期に起こった「ドレスデン大空襲」でほぼ全てを破壊されてしまったので、今私たちが見ることのできるお城や教会は、みなオリジナルに忠実に再建されたものなのです。

まずツヴィンガー宮殿が戦後すぐに再建され、ゼンパーオペラは1980年代に、レジデンツは2004年から少しずつ部分的に再オープンしてきました(現在も一部工事中)。そしてフラウエン教会が2006年に平和と和解のシンボルとして復活したお話は、前回の記事でご紹介したとおりです。

これほど大がかりな建物を次々に再建していくドレスデン。その底力には感心せずにはいられません。


戦災を免れたマイセン磁器の壁画「君主の行列」

君主の行列
102mの壁画「君主の行列」は必見 ※写真はクリックで拡大
空襲で町のほとんどが破壊されたドレスデンですが、奇跡的に残ったものもあります。それは、シュタルホーフ(武芸競技場)の外壁に描かれた「君主の行列(Fürstenzug)」という壁画。102mもの長さがあるこの壁画は1907年、2万5000枚のマイセン磁器のタイルを使用して制作されたもの。

君主の行列
壁画に描かれたアウグスト強王
ここにはザクセン代々の選帝侯や国王35人が描かれています。もちろんアウグスト強王の姿も。戦災を免れたマイセン磁器の見事な壁画、必見です!

次のページでは、世界遺産に指定されている「エルベ渓谷」や、共産主義時代の面影を残すドレスデンの町並みについてご紹介します。

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