文章:高橋 良算(All About「鉄道旅行」旧ガイド)
国土の大部分が山地の日本では、険しい地形を走る鉄道路線も少なくありません。そのため、鉄路はいつも自然災害と隣り合わせ。現場ではその保守管理に相当な努力をされていることと思いますが、自然の力には勝てず、大災害に見舞われてしまった路線・区間があります。
現在のところ、そのような理由で長期運休を余儀なくされているのは次の路線・区間です(2006年12月29日現在)。
■JR高山本線 角川~猪谷間
■JR越美北線 一乗谷~美山間
■JR津山線 玉柏~牧山間
■JR芸備線 備後落合~備後西城間
■JR三江線 江津~浜原間
まだ記憶に新しいJR津山線の落石事故を除き、他はすべて水害による崖崩れ、鉄橋流出などによるもの。中には災害発生から2年以上たった今も復旧していない区間もあり、その被害は深刻です。
今回はこれらのうち不通期間が長期化している高山本線と越美北線について、一日も早い復旧を祈りつつ、概要をまとめてみました。
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なお各路線の最新の状況については、各鉄道会社のホームページなどで必ず確認してください。越美北線 一乗谷~美山間(JR西日本)
■災害発生:2004(平成16)年7月
■原 因:豪雨による水害
■復旧時期:2007(平成19)年度内
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| 越美北線の車両(美山駅) |
越美北(えつみほく)線は、JR北陸本線の福井~九頭竜湖間を結ぶ、全長55.1kmの路線です(正式な起点は越前花堂(えちぜんはなんどう)駅)。
越美「北」線というからには越美「南」線もあるわけで、こちらはJR高山本線の美濃太田~北濃を結ぶ第三セクター・長良川鉄道として運行されています。いずれは北線と南線がつながって越前と美濃とを結ぶ「越美線」となる予定でしたが、途中で工事は中断され、結局一つになることはありませんでした。
そんな越美北線は非電化単線のローカル線。福井市街地を過ぎると山間に入り、越前大野駅付近で大野盆地に抜け、さらに勝原(かどはら)駅から先は長いトンネルが連続する新線区間、といった具合に、短距離ながら、さまざまな顔を持っている路線です。
特に越前東郷~美山間では足羽(あすわ)川に沿って走りますが、今回被害を受けたのはまさにこの区間でした。このあたりの足羽川は極度に蛇行しており、線路はとても川の流れに沿っては走れませんので何度も鉄橋で川を渡っています。
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| 不通区間を結ぶ代行バス(美山駅) |
2004(平成16)年7月に発生した「福井豪雨」では、この足羽川が各所で決壊、越美北線沿線では特に旧美山町域での被害が甚大で、「橋梁流出5箇所、道床および路盤流出19箇所、のり面および盛土の崩壊・流出5箇所」(福井県HPによる)というものでした。
これだけのとてつもない被害になると、復旧工事といってもほとんど新しく鉄道を作るようなものだそうで、災害以前の姿に戻すのは容易ではないことは明らかですね。
2006年11月、ガイドはこの地を訪れてみました。代行バスを一乗谷バス停で降り、一乗谷駅へ向かって歩いてみると、災害から2年経ったとはいえ各所につめ痕が残されており、その被害の大きさがまざまざと実感されます。
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| 途切れた線路の向こうでは復旧工事が続く(一乗谷~越前高田間) |
現在列車は一乗谷駅で折り返し運転。その先の列車が走らなくなった線路は赤く錆び付いてしまっています。さらに進むとついにぷっつりと線路は途切れ、まるで廃線跡のような姿をさらしており、これは何とも言えず悲しい光景でした。
しかし復旧工事はゆっくりながら着実に進んでいるようで、鉄橋の建設現場では新しい橋脚が、川の中に立ち上がっていました。時間がかかり過ぎるという意見もあるようですが、安全に運行再開できる日が一日も早く来ることを願ってやみません。
現在、福井~一乗谷、美山~九頭竜湖で折り返し運転されています。なお、不通区間には列車代行バスが運転されていますが、福井方は一乗谷駅の一つ手前の越前東郷駅が代行バスとの乗り換え駅です。
[関連情報]
越美北線運転状況(JR西日本)
平成16年7月福井豪雨による被害状況について(内閣府)※PDFファイル
平成16年7月福井豪雨による災害について(国土交通省)
福井豪雨による 越美北線の被害状況※被災直後の貴重な写真を多数掲載。
次のページでは
高山本線とその他の路線についてみてみましょう。