それでは、今、日本の高校生にはいったいどのような本が人気なのでしょうか?この夏、
徳島県立図書館で開催されていた「図書委員が選ぶとっておきの一冊」展で紹介された38点中、複数の高校生から名前があがっていた作家にスポットをあててその読書傾向を探ってみたいと思います。
大江戸ファンタジーで異空間にハマる:畠中 恵
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| 『しゃばけ』はシリーズとしても大人気 |
江戸時代を舞台に若だんなと妖怪たちがくりひろげる愉快な捕物劇で、第13回日本ファンタジーノベル大賞で優秀賞を獲得した『
しゃばけ』。
同じく江戸時代を舞台に、夢を通して神託をよみとく「夢告(ゆめつげ)」能力をもつ神官を主人公とする時代劇ミステリー『
ゆめつげ』。推薦作品として名が挙げられていたのは、この2冊。台詞一つとってみても
rétro(レトロ/懐古趣味)が
mode(モード/流行)の遊園地という感じで、楽しみつつ少女漫画の匂いも感じられるところが人気の秘密かもしれません。
詳しい解説は
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ピュアな想いが駆けぬける:アレックス シアラー
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| 死んだからこそ見えるいろいろ『青空のむこう』 |
次に翻訳作品からご紹介を。芥川賞作家でもある金原ひとみの父、金原瑞人氏の翻訳としても興味深いアレックス シアラーの『
青空のむこう』と『
13ヵ月と13週と13日と満月の夜』。
いずれの作品もストーリー的には「ハリー・ポッター」シリーズのような少年・少女を主人公に持つ一種の冒険ファンタジーというところですが、その状況設定や物語展開のおもしろさで、世界中の読者の心をひきつけているのもうなずけます。
「ピュアな心で大切なものを見つめ前に進む」という純粋なメッセージも物語の大切な要因となっており、「まっすぐ」系がお好きな方にはバイブル的な作品でしょう。
ノスタルジーこそファンタジー!?:恩田 陸
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| 『夜のピクニック』 |
徹夜で八十キロを歩き通す高校のイベント「歩行祭」を舞台にした青春小説『
夜のピクニック』で多くの人にその名を知られるようになったベストセラー作家の恩田 陸女史。
同じくリストに名前があげられていたのが、作品『
麦の海に沈む果実』。「ノスタルジアの魔術師」という異名をとる彼女の作品だけあって、かつての高校生は決して体験してはいないものの意識の根底にあるような「懐かしさ」を共有できるような内容になっています。
先ほどのアレックス シアラーを「まっすぐ系」とすれば、こちらは「ちょっと屈折系」。登場人物の設定やその描写には、どちらかといえばロマン、あるいは耽美主義的な少女漫画の匂いが漂います。そのいわばゴシック・ロリータ風的な混沌とした精神と、表面的には健全に運営される学園生活という微妙なアンバランス感も恩田人気に一役かっているように思われます。
『夜のピクニック』の詳しい解説は
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似てる?違う?日仏の高校生をお届けします。