テーブルコーディネート/テーブルコーディネート関連情報

テーブルクロスとナプキンの使い方

テーブルの上で、大きな面積を占める「クロスとナプキン」は、コーディネートでは色の演出効果のポイントとなります。

執筆者:長谷川 貴子

テーブルクロスのイメージ
テーブルの上で、大きな面積を占めるクロスはコーディネートの大切な要素です。クロスの素材や色、使い方の基本を知って上手に使いこなしてみましょう。


テーブルクロスの歴史は、8~10世紀のヨーロッパまでさかのぼります。日本では戦後の高度成長期以降、一般家庭でも椅子にかけて食事をするようになってから、テーブルマット、ナプキンとともに普及してきました。
テーブルの上で大きなスペースを占めるクロスの選び方、使い方はコーディネートの大事なポイントとなります。クロスを自由に使いこなすためには、まず素材の種類やその特性を知っておく必要があります。ここでは代表的な麻、綿、レーヨン、ポリエステルについてご紹介します。

素材の種類と特性


インド製の藍染の麻(ラミー)のクロス
■麻:天然繊維(植物繊維)
麻には、亜麻(あま)・苧麻(ちょま)・黄麻(こうま)などいろいろな種類がありますが、テーブルリネンとしては亜麻(リネン)や苧麻(ラミー)が使われます。光沢があり丈夫で、伸びが少なく、吸湿性に優れ、熱や洗濯にも強いのが特徴です。使いこむほどにやわらかくなり、使いやすくなります。洗濯すると縮み、しわになりやすいのが弱点ですが、洗って生乾きのうちに高温でアイロンをかけると、しわがとれます。麻の中でも、特に亜麻は美しい光沢があり、最高級の素材であるため高価です。

スイス製の綿素材のクロス
■綿:天然繊維(植物繊維)
手ざわりがやわらかく、吸水性や吸湿性に優れ、熱に強いのが特徴です。染色性がよく、美しい発色のため、色の種類が豊富です。洗濯時の縮みが弱点。しわになりやすいですが、高温でアイロンをかければ大丈夫です。

インド製のレーヨンの布をクロス用に縫製しました
■レーヨン:化学繊維(再生繊維)
木材パルプを原料にした繊維です。吸湿性、吸水性に優れ、染色性がよく鮮やかで、絹に似た光沢と独特の風合いを持つのが特徴です。水洗い後乾燥すると縮みやすく、摩擦に弱いのが弱点です。手洗いやドライクリーニングがおすすめです。アイロンは、中温で。

ポルトガル製のポリエステルのクロス
■ポリエステル:合成繊維
石油・石炭を原料にした繊維です。風合いが天然繊維に近く、適度な張りと腰があるためしわになりにくく、熱にも強いためメンテナンスが楽で、テーブルクロスとして使いやすい素材です。吸湿性は小さく、静電気を帯びやすいです。アイロンはほとんど不要ですが、かける時は中温で。比較的安価なのでホテル、レストランでの業務用にも多く使われています。

テーブルクロスの等級を知っておこう

麻のクロスのイメージ
白いダマスク織りのアイリッシュリネンです。シリアのダマスカス発祥で、色糸を使わずに模様を織り上げる技法です。
テーブルクロスにはランクがあり、麻→綿→化繊とされています。また、無地で繊維が細くなるほど格式が高くなります。最も格式が高く正式なクロスは極細の麻の繊維から織られた「無地の白い麻」や「白い麻のダマスク織り」です。正式な席ではナプキンもクロスも同じ生地を使います。中でもアイルランドで生産されるアイリッシュリネンは最高級とされ、正式な晩餐会や世界の高級ホテル、レストランで使われています。

家庭で使うクロス

家庭で使うクロス
模様があるクロスはカジュアルなコーディネートに使います。家庭では、いろいろな素材や色、柄を楽しみましょう。
コーディネートの目的にあわせて素材や色、柄を自由に選んで楽しめばよいでしょう。ナプキンもクロスと同じ様な素材であれば、クロスと色や柄を違えても素敵にコーディネートできます。

クロスやナプキンの汚れを気になさる方も多いと思いますが、フッ素系樹脂による「はっ水加工」がされている素材のものを使えば、こぼした水分をはじいてクロスのしみや汚れをつきにくくしてくれるので、お手入れが簡単です。

次ページでは、普段づかいの家庭でのクロスやナプキンの使い方をご紹介します。
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