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反省しないアメリカ人をあつかう方法

どうしてアメリカ人の部下は文句ばかり言うのか?失敗しても絶対に自分の非を認めないのか?そんなアメリカ人との上手な付き合い方を知っておきましょう!在米日系企業コンサルタントがその対処法を伝授!

竹村 和浩

執筆者:竹村 和浩

ビジネス英会話ガイド

アメリカ人は反省しない?

国際化する職場では相互理解の姿勢が何より大切です!
職場などで一緒に働くアメリカ人との関係で悩む日本人は少なくないといいます。失敗をしても絶対に非を認めない。問題提起はするが解決策を考えない。問題があるのに、ノープロブレムと言う。という経験をされる方も多くいらっしゃることでしょう。

なぜ、アメリカ人はそうするのか?その理由が分かる本があります。アルク社から出版されている、「反省しないアメリカ人を扱う方法」です。

この著者ロッシェル・カップ氏は、在米日系企業でコンサルタントとして活躍しているアメリカ人で、この著書で永年の経験から、日本企業が主にアメリカ人を雇用する場合の注意点を非常に分かりやすく解説してくれています。


誉める技術を身に付ける

何かに文句を言う、"complain"する背景には、「承認」を求めているケースがあると著者は指摘します。「精神的な報酬」が必要だというのです。日本人は、部下を誉めることが少ないとよく言われます。仕事は出来て当たり前、むしろ「叱ることが認めている証拠だ。」とさえ言い切るケースも皆無ではありません。

この点、アメリカの場合は、夫婦関係も同様ですが、毎日"I love You."といわなければ離婚の正当な理由ともなりかねないように、部下をちゃんと承認している、評価しているということが、言葉で伝わるように努力することが、大切です。これは今では日本の企業といえども、必要な点と言えそうですが、とりわけ、アメリカ人の場合には、常に、上司から承認・評価されていることを知らせることが何より重要です。

問題を放置しない努力

日本人の場合、余りにも文句が多いと閉口して取り合わなくなるケースがほとんどですが、アメリカ人の場合には、必ず耳を傾けることが大切だといいます。また、評価をよくも悪くも客観的に記録し、相手の"complaint"が、正当なものであるかどうかについても、曖昧にせず、また、日本人独特の気遣いで、「傷つけないように」と、伝えないのではなく、職場の目標に対しての貢献度を、具体的に示してあげることが必要です。

日本の文化のように、以心伝心、言わなくても分かるという文化は、アメリカには一切ないと考え、常に具体的なコミュニケーションの関係を築き上げる努力が何より大切であるといえるでしょう。

最終的に、問題のある社員であるとしても、解雇は極めて慎重にしなければ、なりません。不当な解雇と訴訟を起こされれば、さらに大きな負担を背負いかねないからです。そのためにも、コミュニケーション(ランチを一緒にして話を聞くなど)を密にし、また勤務状況や、目標に対する到達度などを客観的なデータとして記録しておくことが非常に大切なのです。


謝罪しないアメリカ人

アメリカ人にとって自分の非を認めることは、即責任を取ることを意味します。
日本人が理解しにくい点の一つに、「自分の責任範囲に敏感である。」という点があります。仮に、失敗したとしても、大声で責めたりせず、また、日本人のようにすぐに「すいません」と反省することは期待せず、より良い仕事の成果に貢献するための会話であることを前提にして話をする方がよいといわれます。問題について話をすればそれだけで、自分が責められていると受け取るケースが多いので、まず相手を責めているのではないことをはっきりと明言することが大切です。

より良い成果のための提案を求めることも効果的です。常に未来思考型で、対応すれば、"make a difference"「違いをつくる」という点で、共通の同意を得られやすくなります。常にポジティブに、目標に"contribute"「貢献」するという雰囲気づくりが、もともとポジティブなアメリカ人にとっては、受け入れやすいものとなるようです。

他にも、アメリカ人への対応方法だけではなく、誤解されやすい日本人の振る舞い(例えば、会議で無口であることなど)が数多く列挙してあり、今後外資系に勤めて同僚となるケースだけでなく、いつ何時、M&Aなどにより、上下に関わらず、お互いが雇用関係になるか分からない昨今、非常に参考になる「日米ビジネス文化論」です。タイトルは少し過激ですが、内容は具体的で、実践的な実用書となっています。

是非、ご一読をおすすめいたします!

「反省しないアメリカ人をあつかう方法」ロッシェル・カップ著 アルク出版
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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