編集部 All About
TOEIC・英語検定アーカイブ
更新日:2001年10月30日
日本人のTOEFL平均点はアジアで最下位でした。しかし、私に言わせれば、この数字は「いかに日本人は英語ができるのか」を示しているのです。
| ■ 【連載】「日本人英語が話せない本当の理由」 |
| 第1回 TOEFLスコア アジア最下位の衝撃 |
| 第2回 英語が話せる2つの理由 |
| 第3回 英語が話せないのは文法のせい? |
TOEFLスコア・アジア最下位の衝撃
1999年9月12日付けの日本経済新聞には、日本人英語学習者にとってショッキングであろうあるデータが紹介されています。それは、アジア25カ国のTOEFL試験における平均点のランキングです。その記事によると、日本人のTOEFL平均点は677点中498点であり、なんとアジア25か国中で北朝鮮と並んで最も低かったというのです。
2000年度に公表されたデータでは、日本人の平均点は初めて500点の壁を越え501点となり、最下位から脱しました。しかし、それでもアジア21カ国中18位で低いことには変わりがなく、文化的・言語的に日本と共通点の多い東アジアの中でも、中国の562点・韓国の535点という数字に大きく水を開けられています。
教育水準が高いといわれ、多くの生徒が中学校・高校と6年間も英語を学んでいる我が国の状況を考えると、「日本人ってやっぱり英語ができないんだ!」、という結論に落ち着いてしまうのも不自然ではないでしょう。
しかし、このTOEFL平均501点という数字は、決して悲観すべきものではないと私は思います。「TOEFLスコアがアジア最下位なのにどうして?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、「TOEFLスコアがアジア最下位でも、悲観すべきではない3つの理由」をご紹介したいと思います。
1、日本には米英に植民地支配された歴史がない!
第1の理由としては、歴史的要因が考えられます。例えば、99年度のアジア25カ国の中でトップ3は603のシンガポール、581のインド、そして577のフィリピンと続きますが、これらの国々の共通点は何でしょうか?。
それは、3カ国ともイギリスまたはアメリカに支配された歴史的経緯があり、これらの国々では依然英語が公用語かそれに準ずるステータスを占めている、ということです。例えば、TOEFLスコアがアジアでトップのシンガポールでは英語は公用語ですし、2位のインドでは補助公用語、3位のフィリピンでも共通語として英語が日常的に用いられているのです。
また、統計に出てくるアジア25カ国の中には、学校教育が英語で行われているブータン(第4位)や、英語が公用語の1つであるパキスタン(第7位)や香港(第10位)等も含まれています。英米に植民地支配された歴史もなく、人々が日常で英語を用いているわけでもない我が国のTOEFL平均点が、これらの国と比して低いのは当然です。
2、日本では幅広い英語力を持つ人が受験する!
でも、「中国だってイギリスの植民地になった経験がないじゃないか。同じ東アジアで日本との共通点も多いのに、中国人の点数が日本人のそれより高いのはなぜ?」、と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。それには、第2番目の理由がかかわってきます。
第2の理由とは、他のアジア諸国と日本との経済格差です。国民の所得水準が比較的高い日本では、TOEFLを受験することが大衆化していると言われています。TOEFLは受験料が110ドルもする試験ですので、日本より経済水準の低い国ですと、真剣に英語圏への留学を考えていて既にかなりの英語力が備わっている人のみがこのTOEFL受験に挑戦するようです。
しかし、国民の所得水準が比較的高い我が国では、真剣に留学を考えているわけでなくても、英語の実力を測ろうと力試しにTOEFLを受験することがそれ程珍しくはありません。受験者の中に幅広い英語力を持つ人が含まれる日本の平均点が、「英語エリート」が受験者の大半を占める国々の平均点よりも低いのは、これまた当然といえば当然でしょう。
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(執筆者:中田 達也)
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