文章:山下 智之(All About「資格」旧ガイド)
政府は、民間企業などで勤務したことのある人材を中途採用するための統一試験を2006年頃から開始する方針を固めました。「職務経験者採用試験」という仮称で呼ばれるこの試験は、民間企業での実務経験や専門知識を持つ人材を登用し、幹部に育成するのが狙いになっています。
【中途採用制度化の背景は?】かつて、2001年に出された自民党の行革推進本部答申の中でも、「中途採用・女性の積極的登用を含めた多様な人材の採用を可能とするため現行の公務員試験を採用試験的な位置付けから資格試験的な位置付けに改める。」という一文が見受けられます。検討自体はずいぶん前からなされていたわけです。最近これがクローズアップされ始めたのは、各省庁の仕事に高度な専門知識・経験を要するものが出始めたことがあげられます。金融庁が金融派生商品の専門家を個別に雇用するのが一例です。
さらに、キャリア官僚の中にも入省10年以内でやめてしまう若年退職者が増えてきたことも理由のひとつです。90年度以降の入省10年以内の退職者は年間70名程度と言われています。これを補充するニーズがあることから、この資格試験の合格者はこの人数が目安になると思われます。
【年齢制限は?】受験資格に年齢制限は設けずに中高年の受験も可能とされています。今は、国家公務員の種類によって年齢上限が設けられています。3種は21歳、2種は29歳、1種は33歳になっています。この年齢を超えても受験できるとあって、民間企業を定年前に退職する人にとっては注目資格となりそうです。
もっとも、中途採用に年齢制限を設けないとはいえ、実際には、定年まで10年を切る50歳代の採用は難しいという声もあります。
【今後の展望】公務員の人気は相変わらず高いため、中途採用が制度化されればかなりの人気資格になることが予想されます。それも年齢制限なしとなれば、10倍を超えることは確実だと私は思います。