防犯/防犯小説

女子大生が見たリアルで恐ろしい夢 窓からの恐い夢~前編

夏の夜、侵入被害を受けた“夢”を見た女子大生。生々しい感覚は現実と夢との境がわからない。身も凍るような恐ろしい夢の全貌、そして驚愕の事実が待ち受けている…

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

この記事は、ひとり暮らしの女性が遭いやすい被害ケースとして構成してあります。

真夏の夜の夢

女性専用アパートで
女性専用アパートで
大学生のA菜は、大学からほど近いアパートの2階に住んでいる。アパートは上下合わせて8室あり、住人はすべて女性だ。近隣にはいくつかの大学、専門学校などがあり、学生向けのアパートやマンションが多く集まっている。A菜の部屋は2階なので、わりと安心している。

ごく普通のアパートだが、防犯のために建物入り口にはオートロックがついている。しかし、周辺では“下着泥棒”の被害や、痴漢が出没するなどであまり治安がいい地域とはいえない。昔ながらの住宅街なので、道路が入り組んでおり、犯人が逃げやすいのだ。

梅雨が明けて一気に暑い日々が続くようになったある晩、バイト先の友人らと食事とカラオケを楽しんで帰宅した。未成年だがすでにお酒は飲むA菜である。かなりの量を飲んできて、愉快な気分だった。

シャワーを浴びてぼんやりとテレビを見ていたが、猛烈な眠気に襲われた。エアコンをいつものようにタイマーで1時間後に切れるようにセットして、電灯とテレビを消すと、吸い込まれるようにベッドになだれ込んだ。

どれくらいの時間が経ったのか、A菜は夢を見た。

南側にあるベランダの窓がゆっくりと開いた気配がした。金縛りにあったように、体が動かない。目を開けることもできないのだが、心臓がドキドキする。頭の中で

(夢よね。これは…。私はちゃんと窓のカギをかけたもの)

と、自分を納得させようとしていた。

黒い人影が足音をひそめて近づいてくる気配がする。男のようである。自分を見下ろしている様子がわかる。壁のほうに体を向けて寝ているのだが、その背中に痛いほどの視線を感じる。

ふと、視線と気配が離れる。カーペットの床の上を、スニーカーのようなゴム底の靴を履いた足がそっと進む。踏むときよりも、足の裏が離れるときの感じがわかるというか、かすかな音がする。心臓の音が大きくなって、自分の耳に響くようだ。

(夢だけど、もしかすると現実?) 

自分の寝息も聞こえるようで、呼吸が大きくなっているように感じる。わずかな物音がした。男が床に置いたバッグを持ち上げたようだった。トートバッグなので、中に入れてある財布がすぐ見えるはずだ。

財布には学生証、運転免許証、クレジットカード、銀行のキャッシュカードが入っている。月末でいつもより現金も多い。その財布を盗もうというのだろうか? 


→刃 物!/壁を叩く音2p
→→夢だった?/現実…3p
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