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『家庭排水』を考える。

今年は深刻な水不足に陥らずに済んでいる、自分の周辺…。でもこの状態を当然と捉えるのか、幸運なことと捉えるのかで「何か」が変わってきます。今回は住まいと水を真面目に考えます。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

『家庭排水』って何?

ふろ
お風呂のお湯はなみなみと・・・・・・当然。

「お爺さんは山へしば刈りに、お婆さんは川へ洗濯に……」と昔語りにもあるように、私たちは現在もなお、潤沢な水資源に恵まれた生活を謳歌しています。

川へ行って洗濯する代わりに、今は蛇口をひねればいつも出てくる消毒済みの清浄な水道水で、ともすれば日に何度も洗濯機を回し、毎日のようにお風呂を沸かし、それと別にシャワーの湯で髪を洗い、水洗トイレで排泄物とは一瞬にしておさらばする。
米を洗い野菜を洗い鍋釜食器を洗う。

そうやってどんどん水を使いながら、“快適な”生活を維持していますが、蛇口から出てきた清浄な水は、“使用後”当然の如く汚れた状態で住まい(=家庭)の外に排出されます。それが『家庭排水』。家庭由来のすべての排水を総称します。

排水というと住まい絡みでは、よく『雑排水』なんていう言葉を耳にすると思います。雑排水とは、この『家庭排水』から「トイレから出る排水(=排泄物による汚水・し尿)」と「雨水」を抜いたものと理解してよいでしょう。

下水道が完備されていない地域で、家庭用の浄化槽を設置する際など、このし尿のみ浄化する「単独処理浄化槽」と雑排水を含めて処理する「合併処理浄化槽」のいずれにするかはよく検討の俎上にあがります。

このとき、「単独処理浄化槽」を選択した場合、『雑排水』は未処理のまま付近の河川に放流されたり、或いは敷地内に浸透させるなどされることになります。

公共下水道をごく当たり前な存在と認識している人にはピンと来づらいところですが、平成18年3月31日現在、全国の下水道普及率は69.3%(下水道利用人口/総人口)(社団法人 日本下水道協会)との数字からは、まだ相当の未処理な雑排水の放流や土壌への浸透が行われているだろうことが伺え、家庭排水の量と質(汚れの度合い)について、考えずにいられません。


『家庭排水』の量とコスト

「でも下水に流せる環境ならば、幾ら流しても処理場で綺麗にしてくれるんだから、じゃんじゃん流したっていいんじゃない?」

確かに。されど「下水に排水する」にも日々相応のお金がかかっているのです。無料で、じゃんじゃん流せるわけではありません。「そんなの知ってる」。とはいえ、それが具体的に一日当たり幾らなのかまで、把握していますか?

と、書きながらガイドもまた把握していません。さっそく自宅に届いた「水道局からのお知らせ」ハガキを引っ張り出し、確認してみます(あなたも、ぜひ)。

我が家の場合、

●汚水排水量は30立方メートル 下水道使用量2,298円(2か月分)

すなわち、1ヶ月当たり15立方メートル。
これを30日で日割りすると、1日当たり0.5立方メートル。500リットルずつ、毎日『家庭排水』として流していることになります。

またそのためのコストは、1日当たり38.3円。「なーんだ40円程度か」「でも500リットルってどの位の量なの?」

いまひとつ実感がわきません。


我が家の家庭排水の内訳は

ところで、潤沢な水資源に恵まれているがゆえに、私たちが好む入浴の習慣があります。1960年代に急速な増加を見せ始めた内風呂の普及率も、10年前の時点で9割に達しています(東京ガスサイト「話のたまご」)

この入浴絡みで排出される家庭排水はどれくらいになるのでしょう。例えば、各家庭によりますが、一般的に入浴時に浴槽を利用する場合、注水量だけで150~250リットル(0.15~0.25立方メートル)にのぼります。

また、シャワーを使用する場合、1分当たり10~20リットルの水を要するといわれます。つまり、「毎日入浴するたびに湯船に浸かり、さらに洗髪などのためシャワーも使う」入浴スタイルにおいては、浴室だけで300リットル、400リットル、場合によっては500リットル(我が家の一日当たりの全使用量!)もの水を要し、また排水するということになります。

赤ちゃんのいる我が家では毎晩浴槽を利用しています。シャワーも使うので、少なく見積もっても300リットルほどの水を使っているものと思われます。

また夜の入浴以外にも、夏季は頻繁に子ども達を行水させます。たらいの容量が10リットル、シャワーが5分(=50リットル)、一回につき計60リットルが、二回なら120リットル。あわせると相当量の『家庭排水』が、ガイド宅の場合「浴室から排水されている」ことが伺えます。

逆に言うと、浴室以外(トイレ、洗濯機、洗面、キッチン等)からの排水は全部あわせても浴室排水の3分の1~5分の1程度に過ぎず、こちらに意識を向けたところで、あまり排水削減には寄与しないことが分かりました。



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