掃除関連情報

更新日:2006年01月12日

住まいと「雪」を考える。

年明け早々、各地での「雪害」が報じられています。全国で雪による住まいの倒壊が数百件を超えた今、雪の降らない地域にいても住まいと雪との関係を、見直しておく必要があるのです。

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実は、日本の国土の半分以上は「雪国」なのです。どこに住んでいても、本来なら他人事とは言えないはずなのです。

年明け早々、全国的に雪害が日々深刻さを増しています。現在のところ降雪のない関東在住のガイドにとっては、いまひとつピンと来ないのですが、関東はたとえ積雪5センチでも交通機関がマヒするような土地。

この雪がこちらにもやってきたら…と思うと、やはり気が気ではありません。ここで一度、住まいと雪について考えてみたいと思います。


雪は想像以上に「重い」

年に数回、積もるか積もらないかといった程度の雪しか知らない身には「重い」と言われても、どのくらい重いのかまったく見当がつきません。でも確かに雪の日、傘をさしたまましばらく歩いていると、傘を持つ手がだるくなってくる、そんな感覚ならなんとなく理解できるといった程度でしょうか。

その雪。スキー場などでお目にかかることのできるフワフワのパウダースノーのような新雪で、屋根に1メートル雪が積もれば、1平方メートルあたり100キログラム程度の重さになるといいます。

これが湿った雪だったり、積もり締め固まるうちに、300キログラムにも至るそう。仮に平らな屋根のかかった30坪(1坪=約3.3058平方メートルとすれば99.174平方メートル)ほどの住まいがあるとすれば、雪が1メートル積もった屋根の上には、何と約30トンもの雪が!

その荷重の住まいにかかる負担の大きさを想像するだけでも、「ゾッ」としてしまいます。


雪害対策は予想以上に「ゆるい」

ところで、一般的に、住宅はどれくらいの積雪に耐えうるように設計されているものなのでしょうか。

建築基準法第20条では、「建築物は、自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧および水圧等(の荷重)、さらには地震その他の振動や衝撃等(による外力)に対して安全なものとして、構造上の基準に適合するものでなければならない」と、構造の基本原則が定められています。

この「構造上の基準」については、建築基準法施行令第3章「構造強度」に詳しく定められています。突っ込むと長くなりますので大胆に端折りますと、お屋敷や旅館、料亭等とは異なる「普通の規模の木造2階建て住宅」についていうならば、普通に施工されている限り、いわゆる「構造計算」を必要としません。

地震はもとより、積雪を考慮した(積雪荷重)計算は必要ない、ということになります。

ただし木造でも、・3階建て以上あるもの、・延べ面積が500平方メートルをこえるもの、・高さが13メートルを超えるもの、あるいは軒の高さが9メートルを超えるもの、の場合は別。

よって、「普通の規模の木造2階建て住宅」を建てる場合のその雪に対する強度とは、設計者や建築業者等の技術や心配りが「雪害対策」を向いているか否か?による、ということになります。

勿論、もともとの多雪地帯に家を建てる際なにも対策を採らない業者はいないでしょう。けれど「この土地はそんなに雪、降らないし」という前提で建てる場合についていうならば、特段の規制もないことから、「万一の激しい積雪」で「家が潰れてしまう」事態に陥っても、施工業者の責めにはならない可能性がある……という点には留意しておく必要がありそうです。

※建築基準法施行令第86条によれば、「積雪荷重は、積雪の単位荷重に、屋根の水平投影面積と地方における垂直積雪量を乗じて計算します。」とあります。

「積雪の単位荷重は、積雪量1センチメートルにつき20N/平方メートル以上とし、多雪区域についてはその区域により異なる数値で計算します。」

「また、応力度の計算にあたっては多雪区域とその他の区域によって扱い方が異なります。」(同条2号)とのこと。

「どれくらいの積雪」という仮の数値も土地土地でマチマチだという点にも、留意しておく必要があるでしょう。



「もしも」にどこまで付き合うか?

いま、あまりの雪に悲鳴を上げている地域の多くは、もともと豪雪地帯。ですが、過去体験したことのないくらいの、前代未聞のこの降り方に「災害」という言葉をあてています。これは想定外の、「もしも」の事態なのです。

「もしも」は雪の降らないはずの地域での「まさか」の降りにもあてはまります。「まさか」東京に、屋根に1メートルも積もるような雪が降らないという確証も、ありません。

でもその「もしも」「まさか」をどこまで想定した、言い方を変えれば「前もってお金をかけた」住まいを作るか、用意しておくか? これは自己責任による選択なのでしょうか…。

「雪害」が「地震災害」なら、誰しもある程度は用意しようという気にもなるのでしょうが、それでも「そのときはそのとき」などという逃げ口上がついついこぼれてしまう。私たちの危機管理意識の薄さが露呈される局面です。

いずれにせよ、彼岸の火事ではないということ。

「いま、我が家にこの雪が降ったらどうなるか?」。想定の範囲内にこの雪害を位置づけ、考えを及ぼしておく必要が、今こそあるのです。




【関連記事】
豪雪被害!保険金支払いで自己負担はある?(損害保険サイト)

雪国の住まいのチェックポイント(家を建てるサイト)
※寒冷・多雪地域の建て方についての注意点が細かに指示されています。要チェック!




【参考サイト】
きっと参考になる、住まい選びの体験記(住まいを考える・リンク集)>家づくり日記(Welcome To My House 家づくり日記)>耐雪強度
※雪国で家を建てるならば一読しておく必要があります。施主としてここまで記録を残しておかれた、そのことに感謝!




【参考文献】

「図解 よくわかる建築基準法」建築設計工房パッソ ア パッソ 鈴木ひとみ・杉原仁美/日本実業出版社
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この記事の担当ガイド

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藤原 千秋

主に住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして10年のキャリアをもつ。現在は並行して育児系記事・…

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