文章:秋本 俊二(All About「世界のエアライン」旧ガイド)
東京-ニューヨークが6時間!
日仏の両航空宇宙工業会が
次世代超音速旅客機(SST)の共同研究に調印したのは、開催中の「第46回パリ航空ショー」(05年6月13~19日)の場でした。これまで主に米国航空業界と手を携えてきた日本のメーカーが欧州企業と組むのは、きわめて異例のこと。フランス側がとくに注目しているのが、
三菱重工、
川崎重工、
石川島播磨重工の3社と独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が開発・完成させたマッハ5.5のSST向けエンジンです。
コンコルド後継機の共同研究には、日本側から
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や重工メーカーなどが参加。3年間で6億円を投資し、超音速に耐えられる複合材やエンジン騒音を減らす新技術などの開発を進める計画です。スピード・経済性・環境性を兼ね備えた次世代型超音速機が実現すれば、東京-ニューヨーク間の飛行時間を6時間に半減させることも可能とか。まさに夢のようですね。

思えばあの“怪鳥”コンコルドが歴史に幕を閉じたのは、2003年10月でした(ガイド記事
「コンコルドよ、永遠に!」)。ファンの間では、いまなお引退を惜しむ声も少なくありません。英仏が共同開発したコンコルドは、100人乗りで飛行速度マッハ2。計18機が生産され、
ブリティッシュ・エアウェイズと
エールフランスの2社が運航しましたが、高い燃料費で運航コストがかさみ商用としては失敗だったと言われています。2000年7月には
エールフランスのコンコルド機墜落事故(死者113人)がパリ近郊で発生し、世界に衝撃が走りました。
騒音や燃費の悪さなどをどう解消し、いかに安全性を高めていくか。次世代コンコルドがクリアしなければならない課題は少なくありませんが、人類の英知を駆使した新しいテクノロジーを搭載して甦り、ぜひまたファンの夢を乗せて大きく羽ばたいてほしいですね。
(写真は2003年10月に引退したコンコルド=ブリティッシュ・エアウェイズ広報提供)