現在、経済産業省が中心となり、次世代の情報検索・解析技術の開発を目指した「情報大航海プロジェクト」というプロジェクトが行われているのをご存じでしょうか?
今回と次回の2回に渡ってこのプロジェクトの担当者の八尋俊英氏にプロジェクトの概要、そして私達の今後の生活にどう関わってくるのかを詳しく伺っていきます。
情報を繋ぐための共通技術を作る
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| 情報大航海プロジェクト担当者 八尋俊英氏 |
ガイド:
現在、今回のプロジェクトに参加する企業の
公募を開始されていますが、これはGoogleやYahoo!に対抗できる新しい検索エンジンを開発するためのプロジェクトなのですか?
八尋:
検索と言いますとどうしても対Googleですとか、日本版GoogleといったWebの検索エンジンを開発するのではと捉えられがちですが、そうではありません。
例えば、ダイエットをされている方は当然、体脂肪率や食事のカロリーを気にされると思います。最近では体脂肪計付きのデジタル体重計があったり、ファミレスのメニューなどにはそれぞれの料理のカロリーが表示されていたりしますので、管理するという点で便利になったとはいえ、それぞれが独立したものですから、それを毎日毎日、記録するというのはなかなか難しいですよね。
それが、食事などをした際の支払いにおさいふケータイやクレジットカードを使えば、そこに金額だけでなく、その時に食べたカロリー量も記録されるようになって、自分で設定した一日のカロリー量に近づくと警告音などで教えてくれるようになったりしたら便利ではないですか?さらに食べるのを我慢したらマイルやポイントが貯まったりするなどの特典があったりすれば、よりダイエットの意欲が高まりますよね。
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| おさいふケータイやクレジットカードなどがダイエット支援をしてくれる? |
つまり今は独立しているさまざまな情報を統合して、より便利な仕組みを作っていこうというのが、このプロジェクトの考えです。
ガイド:
新しい検索エンジンの開発ということではなく、情報のインフラを作るということでしょうか?
八尋:
情報を繋ぐための共通技術を作りたいということです。これは大きく分けて3つあるのですが、1つはある人の行動、嗜好などを知るための技術です。これは、その人の今日食べたもののカロリー、もしくは、過去にどんなものを食べてきたかという履歴や、その人のおかれている環境を統合して、その人のことをもっとわかるための技術ですね。
次にリアルタイムで情報を得る技術です。現在、Googleであれ、Yahoo!であれ、多くのことを検索できるようになっていますが、必ずしもその情報はリアルタイムではないですよね。例えば新聞やテレビ局のサイトなどであれば、だいたい15分置きに検索エンジンがクローラーをかけているようですので最新のものが検索できますが、全てのサイトがそうかといえば違います。
これをどのような情報であれ、常に最新の情報を取得できるようにしたいと思っています。例えば、携帯電話の位置情報を利用して、外食する際に、現在いる場所から近くで、なおかつ、自分の嫌いなものや自分の信頼できるブロガーがおいしくないと言っていたお店などをカットして、自分だけのランキング情報を瞬時にリアルタイムで表示するという感じですね。そして最後がそれらのサービスを連携する技術です。
今まで以上に個人情報の保護が重要になる
ガイド:
ユーザーの個人情報を蓄積していき、検索という手法をキーにして、それぞれのユーザーに適した情報を提示するということでしょうか?
八尋:
そうです。ただ現状ではこれらの技術はまだまだ発展途上の状態です。今後はリアルタイムでもっと情報を処理するための技術で、そのトレンドだけを解析するための技術も必要になります。勿論、これらの増え続ける大量の情報を処理する技術があるというのが前提となりますが。
後はユーザーそれぞれが探している情報の適合度をどう判定するのかという問題もあります。例えば、教育という言葉1つをとっても、それが、お受験のための教育なのか、資格テストのための教育なのか色々ありますよね。これをどう見分けるのかということです。これをユーザー毎に理解する技術というものも必要でしょうね。
ガイド:
そうなると、個人情報の保護がいままで以上に重要になってきますね。
八尋:
そうですね。どこまでなら出していいとか、その辺りはかなりきっちりやらないといけないと思います。例えば街を歩いている時にすれ違った人を勝手に携帯電話のカメラで撮影してその人と似ている人をネット上で検索することは許されるのか、またはあるデパートに入ろうとした時に携帯電話の位置情報を使って隣のデパートの広告がメールで配信されるというのは許されるのかなど、今までのテキスト検索にはなかったこういった画像、位置情報を始めとするあらゆる情報に結びついたプライバシーの問題は本当に重要になります。今回の公募では、そういった部分までしっかりと考えられたモデルサービスを期待しています。