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| 日本のSNSの中で独走を続けるmixi |
9月14日、
株式会社ミクシィが東証マザーズに上場し、初値295万円を付けてから既に約1ヶ月半が過ぎました。このニュースは、新聞、テレビでも大きく取り上げられ、これによって、ソーシャルネットワーキングサービスのmixiという名前は、インターネットの外の世界においても一気に認知されるようになりました。これまでも日本のSNSの中で独走を続けていましたが、これでさらに勢いを増していきそうです。もう他のSNSはmixiの独走にストップをかけることはできないのでしょうか?mixiの強み、そしてそこから見えるこれからのSNSのあり方について考察します。
有益な情報を内包し続けるmixi
mixiは9月14日の株式上場の時点で会員数は570万人に達しています。昨年12月に200万人、今年3月で300万人を突破し、3ヶ月に約100万人のペースで順調に増え続けていますが、このペースで行けば、来年には1,000万人にも到達するでしょう。また、mixiは月間滞在時間が3時間55分。3日以内にユーザーがmixiを利用する再訪率が70%と、他の主要サイトと比べて、非常にアクティブなユーザーが多いというのも強みの一つです。
SNSはネットワーク外部性が強く働くサービスだと言われています。ネットワーク外部性とは、利用者が増えれば増えるほど価値が高まり、そのためさらに利用者が増えるという好循環を生む仕組みのことですが、mixiはまさにこのネットワーク外部性がうまく作用しています。
SNSは閉じられた空間でのサービスですから、当然、そこに集まった情報は検索エンジンなどで検索しても表示されることはありません。今後もユーザーが順調に増え、それによって有益な情報が集まっていけば、その内容によっては検索エンジンよりも早く多くの情報を得ることも可能になるかもしれません。
新たな形の広告によってユーザーはさらに優越感を得られる仕組み
そしてこれもやはり、ネットワーク外部性を利用したものですが、ここのところ、mixiでは、バナー、オーバーチュア広告とは違う新しい広告が増えています。それは「コミュニティ広告」といって、企業がコミュニティの主催者となり、サービスや商品を宣伝するというものです。
mixiでは、以前、
フレンテの商品、「ピンキー」のマスコットキャラクター、ピンキーモンキーが会員になって日記を書いたり、ユーザーとコミュニケートしたりという広告がありましたが、広告を前面に出さず、他ユーザーとコミュニケーションを取りながら、口こみによって最終的にはそのサービス、商品を認知してもらうという、この「コミュニティ広告」はテレビ、雑誌などに出す広告よりも安価に行えるということもあって、最近では、
SKY Perfec TV!がサッカー・ワールドカップ日本代表を応援する公認コミュニティーを設立したり、
大塚製薬が同社の飲料「ファイブミニ」のコミュニティーを運営するなどして、人気を集めました。
いくつかのコミュニティを立ち上げ、それぞれを交流させるイベントを行ったり、店舗では販売していない商品をプレゼントしたりなど、参加したユーザーだけが享受できるメリットを打ち出すことによって、ユーザーはmixiにいることに優越感を持て、さらにはそれが口こみとなって、企業側もより多くの人にサービスや商品を認知されるという効果があるなど、ネットワーク外部性が高いmixiならではの広告として、今後も広がっていきそうです。勿論、ネットワーク外部性だけがmixiの強みではありませんが、情報そして広告が一極集中でmixiに集まっているという点では、現時点では他のSNSには太刀打ちできない、mixiの最も強い部分であることは間違いなさそうです。
mixiに弱点はないのか?
今後はネットにあまり詳しくなく、SNSという言葉は知らなくてもmixiは知ってるという人も増えてきます。つまり、mixiはSNSの代名詞的存在になっています。こうなってしまうと、他のSNSが付け入る隙はほとんどないのでは?とも思えます。現在、mixiとあまり変わらないSNSは勿論、地域、スポーツなどある一つの共通項に特化したSNSも盛り上がりを見せているという話はほとんど聞きません。ではもうmixiに追いつけるSNSは現れないのでしょうか?
今回の上場にあたって、代表取締役社長の笠原健治氏は、これからは、mixi内でデジタルコンテンツの販売、またユーザー間の売買やBtoCのECを展開したりすることも検討していると語っています。勿論、中長期的な構想ということですが、株式上場したことによって、利益の追求を焦ってしまえば、緩く濃いコミュニティの中にある種の殺伐とした雰囲気が出てしまう可能性があり、それによってmixiを離れていくユーザーも少なくはないでしょう。
また現実の知り合い同士でのコミュニケーションに疲れ、mixiを離れていく、いわゆるmixi疲れは、今後、ユーザーが増えればさらに増加していきます。ユーザーが増えれば増えるほど、ネットワーク外部性は高まりますが、逆に増えすぎてしまったが故に、それぞれのコミュニティの濃さが薄れていってしまうという可能性もあります。会員数が1,000万人、2,000万人規模になってしまえば、閉じられていながらも結果的にはオープンな場となってしまい、会員数だけは多いがアクティブな会員は減り、最終的にはユーザーは他のSNSへ移っていってしまうということも考えられます。
mixiは、さらなるユーザーの獲得を目指しつつも、既存、新規どちらの会員も満足させるサービスを提供し続けられるのか?というのが今後の最重要課題であり、逆に他のSNSはそここそが、mixiに迫る数少ないチャンスとなりそうです。