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パソコンのデータ完全消去法(2ページ目)

PCを捨てたり中古として売ったりするとき、そこに残っているデータに注意していますか? 単にファイルを削除したり、ハードディスクをフォーマットするだけでは簡単に復元されてしまうおそれがあります。

執筆者:中妻 穣太

データを上書きすることで「完全消去」する

それでは、いったいどうすればファイルを他者に復元されないようにできるのでしょうか?
ファイルの復元を阻み「完全消去」するためには、ハードディスクの空き部分(フォーマットした場合は、ハードディスク全体)を「新しいデータ」で上書きしてしまうことが必要です。
ハードディスクをフォーマットして、さらに「0」の連続を上書きする
図3:ハードディスクをフォーマットして、さらに「0」の連続を上書きする

このようにすれば、ファイル復元ソフトを持ってしても消去したファイルを復活させることは不可能です。

ちなみに、パソコンは「ファイルの住所」を記録しておくことで「ファイルの本体」がある位置に別のデータを上書きしないように保護しているのですが、住所に×印がついたり住所が消えたりするとこの保護がなくなり、「ファイルの本体」もいつ上書きされるかわからない状態になります。
このため、ファイルの復元は時間が経てば経つほど困難になります。もし「重要なデータを間違って消してしまった!」というような正当な理由でファイル復元を試みる場合は、可能な限り速やかに行うべきでしょう。

こんなニュースもあります。

Hotwired: エンロン疑惑:削除文書の復元に活躍するコンピューター探偵 AP通信

「エンロン・スキャンダル」はアメリカ経済を揺るがす一大事件でした。
証拠隠滅のため、エンロン関係者は不正が行われていた証拠となりうる内容のメールを削除しました。しかし今まで述べたような理由により、削除したメールも復元可能なわけで、不正の証拠を集めるために「コンピューター探偵」が消去されたメールを復元するという活躍をしている、という記事です。

まあエンロンの場合は事件全容の解明に貢献しているわけですが、企業側としては、自社に不利な情報がハードディスクから復元されてしまうおそれがある、と認識しておくべきでしょう。
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