個人尊重と自主自律が共存、慶應義塾普通部
福澤諭吉が1858年に蘭学塾を開設し、今年2009年創立150周年を迎えた慶應義塾。「普通部」の名称は慶應義塾が1890年に大学部を開設した際、これに対して従来の教育課程を「普通部」としたことに始まる。戦後の学制改革に伴い、伝統ある普通部の名称はそのまま中学校へと受け継がれた。
普通部(男子校)と並び中等部(共学)、湘南藤沢中等部(共学)とも難関校だが、なかでも厳しい教育で知られるのが普通部。慶應義塾の中学校は留年制度があるが、普通部はこれが実際に適用されている。幼稚舎からも例年80名前後と普通部への進学が最も多い。所在地は神奈川県横浜市港北区日吉。
普通部の生徒の大半が慶應義塾高校(日吉男子校)へ進学し、そのほとんどが慶應義塾大学へ進学。同じく系列高校の志木高校(男子校)、湘南藤沢高校(共学)、慶應ニューヨーク学院(共学)への進学も可能。
教育理念に「高い品性と優れた知性を人格の基盤として、独立した思考と行動ができる個人を育成する」ことを掲げるが、これは福澤諭吉の唱えた「独立自尊」を反映したもの。個人尊重と自主自律、自由と厳しさの共存する校風となっている。
一生が変わる追及につながる「労作展」
1年生は1クラス24人の少人数学級、2~3年生は40人学級。少人数によるきめこまかな学習指導が展開されている。具体的には、担任を中心とするクラス内での親密な人間関係づくりと、従来型の40人学級による集団生活の訓練、自主性やクラス自治、リーダーシップ養成の両面の教育を行う。
座学中心の教科学習に加え、豊富な行事等によって体験的学習も充実。なかでも9月の労作展は伝統行事として80回を超える。夏休みに各自が研究・製作した作品を展示するもので、科学実験、小説、点字など意欲作が並ぶ。キャリア教育のねらいも含めて行っているのが目路(めじ)はるか教室。各分野で活躍するOBを招いて職業や社会について語ってもらう。
土曜日に2~3年生対象として開かれる選択授業もユニーク。英語、イタリア語、スペイン語、中国語などの語学、茶道、書、科学技術、自然探索、囲碁、料理、弦楽器など、30を超える魅力的な講座が用意される。なかには外部専門家が講師を務める講座も。