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液晶テレビの「カラクリ」を斬る!

カタログスペックでは、プラズマよりも劣る液晶テレビの方が明るくて鮮明に見えるのは何故? その鮮明さは「嘘」か「本当」か? 本当に画質が良いのはどっち? その条件とは??

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

液晶かプラズマか、それが問題だ!

薄型大画面テレビを購入する際、誰もが一度はつぶやくであろう「液晶かプラズマか?」。 「どちらが買えば良いのか?」については、筆者記事『プラズマ vs 液晶 どっちが良い?』を参照いただくとして、今回は、もう一歩踏み込んだ「疑問」に注目!

スペック上ではプラズマテレビよりも「暗い」はずの液晶テレビが「明るく見える」のは何故か? 

プラズマテレビよりもコントラスト比が「低い」液晶テレビが「鮮明に見える」のは何故か?

それでもやっぱり「画質ならプラズマ」なのか?

液晶陣営とプラズマ陣営に分断され、同じ土俵で比較して理解できる情報が少ない中、液晶とプラズマの関係を解き明かします!

*液晶とプラズマの仕組みを知りたい方は、筆者記事「今さら聞けない! 液晶 と プラズマ の違い!」をご参照ください。

 

液晶とプラズマの「カラクリ」

液晶テレビとプラズマテレビの画質を比較する上で、まず注目したいのは「明るさ」です。

液晶テレビとプラズマテレビは、映像の特性(視野角)が大きく異なります。 よって、この2者間で、輝度やコントラスト比といったスペックを数値で比較しても、実際の「見え方」とは大きく異なる事になり、ここに「カラクリ」があります。

例えば、周囲の明るさ。 日の差しこむ明るい部屋では、プラズマよりも液晶の方が、明るく鮮明で見栄えがします。 一方、就寝前のような薄暗い部屋では、液晶テレビよりもプラズマテレビのほうが、ナチュラルで上質な映像を見せます。 この違いはどうして起こるのでしょうか?

 

カラクリ その1 暗いはず?の液晶が明るく見える訳

日中でも、明るく鮮明に見える「液晶テレビ」。 スペック上の輝度では、プラズマテレビの1,000cd/平方メートル以上に対し、液晶テレビが500cd/平方メートルと「暗い」はずなのに、何故このような結果になるのでしょうか? 一つは、「視野角」によるカラクリです。

最新の液晶テレビでは、「視野角178度」などの表記がありますが、これは、コントラスト比が10:1以上保てる範囲と規定されているだけで、実際は、正面から見るよりもかなり暗いのです。 つまり、光を正面に集中して放射しているので、正面から見たときは、拡散性の高いプラズマテレビより明るく見えると考えられます。

また、常時点灯している液晶と、インパルス型(高速で点滅している)であるプラズマを比較する場合、測定方法も明確にされるべきでしょう。

プラズマ製品の多くは、画面全体が白一色のような状態で、輝度を低くコントロールしている事も、プラズマが暗く見えるとされる一因と言えそうです。

 

次のページでは、カラクリ その2 「コントラスト比」について分かり易く図解します。

大型化する液晶の画質は?

視野角と明るさの感じ方 (イメージ)

絶対的に明るいのはプラズマだが、正面から見ると液晶のほうが明るく見える。

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