旅館/宿・旅館関連情報

旅館の基礎知識

旅館の定義。旅館選びのポイント。宿泊料金のルール。旅館で迷いやすい事柄など。旅館に泊まるイロハをご紹介します。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

宿・旅館の特徴

日本には、ホテル・旅館・民宿・ペンション・宿坊など様々な宿があります。このサイトでは、江戸時代の「旅籠」や「湯治宿」などの時代から脈々と伝統が続く「和風の宿」(旅館)を紹介。ここでは、特長・料金について・予約のコツ、などをご案内します。

■「靴を脱いで、どこでも浴衣で、共同浴場」が特長

旅館ポジショニング
旅館といっても多業態。どういう旅館に泊まりたいのか、イメージして旅館を選びたい。上図はガイド作
「旅館」とは、事業用に建てられた建物で運営する和風の宿で、日本には約5000軒あります。

ホテルのように「靴のまま部屋に入り、バスとトイレが一緒」という構造ではなく、「宿や部屋の玄関で靴を脱ぎ、全館スリッパや足袋で滞在」でき、さらに「滞在中ずっと、館内どこでも、いつでも浴衣で過ごせ」、「共同の大浴場で寛ぐ」という日本独特の滞在スタイルが特長です。「ホテル○○」という名称でも、この「靴を脱ぐ」「どこでも浴衣」「共同浴場」の3要素があれば、それは旅館といえます。

■部屋で食事ができる旅館も

夕食のお造り
海が近い旅館の夕食では、お造りもリッチ。小グループだと皿盛りで出してくれる宿も。写真のお造りは有馬温泉「奥の細道」のもの
旅館独特のサービスとして、食事の「お部屋出し(部屋食)」があります。旅館の「和室」を伝統的に解釈すれば、「正方形の空間を曼荼羅に見立てた」無用途(多用途)の世界。床の間の掛け軸や花を愛で、縁側から庭の借景を眺め、空間の中心に腰を据え、茶や茶懐石をいただき、季節を感じる、極めて「情緒的な空間」です。同じ空間で寝ることもできるのですから、まさしく鴨長明の方丈記の世界ですね。そうした情緒的サービスのひとつとして、お部屋まで食事を持ってきてくれるのが「お部屋出し」。いわゆる上げ膳据え膳なので、特に女性に好評です。

でも、最近では、プライバシーがない、部屋じゅうに料理のにおいがつく、布団を上げに来るため朝が早い、飲み物を頼んでも時間がかかる、仲居さんとの会話が面倒、などという機能的理由から「部屋出し」をやめ、和風ダイニングレストランで食事を出す旅館が増えています。お部屋出しには相当の人件費がかかるので、旅館もそのほうが、料理にお金をかけられますしね。

ただし、京阪神商圏を中心にまだ「部屋出し」が残る地域も少なくなく、現在、全国の旅館でおよそ半々くらいになっているでしょうか。どちらの食事スタイルが良いか(情緒を採るか機能を採るか)も、重要な旅館選びのポイントです。

旅館の上手な予約の仕方

旅館は、当日いきなり飛び込んでも泊まれないことがあります。それは、食事の用意がすぐにできないから。そのため、極力、事前に予約することをお勧めします。

予約方法は、単純・簡単なインターネットの宿泊プランを使うのが便利。旅館のホームページ、旅行会社・宿泊予約サイトそれぞれの、インターネットや携帯サイトから予約ができます。「どの方法が一番お得ですか」と訊かれることもあるのですが、内容が同じであれば、どこから予約しても同じです。ただ、旅行会社のサイトや宿泊予約サイトでは、そこでしか紹介していないお得な「宿泊プラン」がある時もあります。まずは「旅館の公式ホームページ」を見て、次に旅行会社・宿泊予約サイトをチェックすることをお勧めします。宿泊予約サイトを比較してみたいときは4トラベルが便利です。

また、ちょっとした相談がある時や、2室以上使うようなグループの時は、あれこれ聞ける電話での予約がベターチョイスです。その際、「価格と内容は比例する」ので気をつけて。旅館にはたくさんの客室があり、料理内容も様々なので、価格を重視したいのか、内容を重視するのか、はっきりさせておくことが必要です。旅館の料金って、なにかわかりにくいですよね。

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