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苦手な算数文章題攻略法

最近の子どもの計算力は向上してきているが、文章題が苦手になっている。文章題攻略が中学入試における算数の鍵となる。

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市進学院の2005首都圏学力調査結果を見ると、こども達の計算力はUPしている。これは100マス計算に代表されるプリント類を取り入れた効果だろう。ところが基本的な内容の設問なのに、文章題となった途端に6年前の調査と比べて大きく正答率が低下している。一方で算数を苦手とする子どもは文章題でつまづくことが多い。これらは何を意味するのだろうか。

それは文章題に対応する読解力が不足しているということだ。ここをなんとかすれば算数の成績を大きく伸ばすことができる。その方法について考えてみよう。

国語の読解力と算数の読解力との違い

算数問題
算数では問題文の意味を論理的に理解する
読解力だから同じと思われるかも知れない。だがそうではない。国語の入試問題を思い浮かべていただきたい。本などから長い文章が引用してあり、その文章について設問が複数設けられている。

日本の国語での読解力の中心は物語文の読解で、主に登場人物の心情理解を問うものだ。ところが算数の文章題は論理そのものであり、物語とは全く異なるのだ。三段論法に代表される事実の積み上げにより、正しい答えを導き出すもの。問題文を整理して理解できればあとは計算で正解に辿り着くことができる。

そして、解釈に幅がある心情理解よりも論理的読解の方が身につけるのは容易である。即ち算数の読解力向上は誰でもできるということなのだ。

文章題の攻略

では具体的方法を考えていこう。

例題「亀井君は持っているビー玉の8分の5を小泉君にあげました。小泉君はもらったビー玉の3分の2を小池さんに渡したところ手元に30個残りました。はじめに亀井君が持っていたビー玉はいくつだったでしょうか?」

幼児でも同じだが子どもが苦手なのは逆算なのだ。順序通り考えることは簡単だが、結果から始めに戻っていくことは難しい。というのは一時的に記憶しておかなくてはならない時間が長く、数が増えるからだ。

おとなは紙という外部メモリーを活用して必要な情報を一時的に蓄えておけるが、子どもはこれが身についていない。意識してノートや解答用紙を使うようにしなくてはならない。

さて先の問題文だが、受験生である6年生はできて当然。4,5年生で一読して問題を解き始められる子どもは基礎がしっかり身についている。読み終わって「ん?」ともう一度読み返すようなら次のことをやってみよう。

問題文を読みながら解くのに鍵となるポイントにアンダーラインを引く。つまり

亀井君は持っているビー玉の8分の5を小泉君にあげました。小泉君はもらったビー玉の3分の2を小池さんに渡したところ手元に30個残りました。はじめに亀井君が持っていたビー玉はいくつだったでしょうか?」

するとこの問題は読み返さなくても
  • 亀井君のビー玉の8分の5→小泉君
  • 小泉君のビー玉の3分の2→小池さん
  • 小泉君の手元に30個
というようにまとめられる。

これならば、「小泉君の3分の2が小池さんに、3分の1は小泉君の手元にあり」それが30個とわかるから、小池さんにあげる前は30×3=90個。亀井君の8分の5が小泉君で90個だから、90÷5×8=144個。亀井君が始めに持っていたのは144個が答え。

計算自体は簡単なものでどうってことはない。しかし文章題になった途端にお手上げの子どもが現れる。それはこの論理になれていないからだ。ややこしそうに見えるものも、段階的に考えれば単純なものに分解できる。例題は割合が2段階繰り返されて逆算するように構成されている。

塾ではこのような問題もパターン化して繰り返し解き、考えなくてもできるように練習するが、実は論理を解きほぐす力があり、スピードさえ身につけば何度も同じ問題を解く必要はないのだ。その方が幅広い応用が利く。

論理的思考力を養う

佐藤恒夫『大人のための算数練習帳』税込903円(講談社ブルーバックス)
佐藤恒夫『大人のための算数練習帳』税込903円(講談社ブルーバックス)
では論理的な思考力を養うにはどうすればいいだろうか。まずは論理的に考える練習が必要だ。小学校高学年になっていれば論理パズルに取り組むのが良いだろう。例えば佐藤恒夫『大人のための算数練習帳・論理的 思考を育てる文章題の傑作選』(講談社ブルーバックスのような本になったものがある。

論理パズルに限らず、テレビのクイズ番組もいいだろう。「IQサプリ」「島田検定」「平成教育予備校」がオススメ。

科学的な文章を読むこともいいだろう。先ほどのブルーバックスや岩波ジュニア新書が適した本だ。学研の「かがく」や出版社の子どもの科学は雑誌なのでより興味をひきやすい。低学年ならば「たくさんのふしぎ」がオススメ。

また、推理小説も良いのではないだろうか。特に謎解きを中心にしたミステリーは論理的思考を養うのに向いている。時には作者の気づかない矛盾点を指摘出来るようになる。

練習問題を選ぶ

では算数の問題練習をする場合はどのような問題が良いのだろうか。それは大問がいくつかの小問に分かれている問題が良いだろう。「ドラゴン桜」勉強法にも、「数学は問題文の長いものから手を付けろ」というのがあったと思う。

それは、小問が次の問題を解くためのステップとなっていることが多いからだ。小問の最後が出題者が問いたかったものだが、いきなりそれを要求するのは難度が高いと考えると、その道筋を小問で示すのだ。段階的な思考を手助けしてくれる、このような問題を練習することで論理的思考が身に付くはずだ。

中学入試における算数の出題トレンドは「基礎学力」+「パズル」だ。指導要領で算数の知識は削減されたが、限られた知識をきっちり使ってパズルを解くような思考力を要求するようになって来ている。パターン学習だけでは通用しなくなりつつある。普段から論理的な物の見方・考え方ができるような子育てにしていかなくてはならない。親子で様々なことを議論出来る環境を作るように心がけたいものだ。

■思考力を養うための参考記事
考える力を試す中学入試 特選!中学入試問題ショーケース
算数はこうやって伸ばす!(下)
算数の基礎力UP!☆ 虫食い算のすすめ
(前編) ロジカル・シンキングとは

更新日:2005年11月04日

(公開日:2005年11月03日)

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