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中学受験にも役立つ 電子辞書を活用しよう!

電子辞書が中高生の学習には欠かせないものになっている。最近の電子辞書は学習用に特化したものもある。そこで小学生の学習における電子辞書活用法を考えてみたい。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

電子辞書が中高生の学習には欠かせないものになっている。最近の電子辞書は学習用に特化したものもある。英語の発音をしてくれる音声機能のついたものも増えてきた。そこで小学生の学習にも電子辞書を、その特性を知って上手に利用したい。

何故電子辞書なのか

電子辞書
学習に欠かせない電子辞書
今の子どもはあまり辞書をひかない。特に漢字辞典を引く子どもは少ない。そもそも、漢和(漢字)辞典が家にないという家庭も多いのではないだろうか。

なぜ辞書を引かないのか。それは面倒くさいから。テレビゲームに慣れた世代には、紙をめくって文字を探すなんてまどろっこいことは大嫌い。しかし辞書には言葉や漢字の意味だけでなく用例・例文が載っていて、とても役に立つ。

そこで電子辞書の活用をお勧めする。「初めて辞書に触れる子どもには紙の辞書に触れさせるべきだ。」と主張する人は多い。基本的にはその考え方に賛成だ。紙の辞書でないと文字の配列の感覚が身につかないし、目的の言葉以外の単語に目が留まることもないからだ。

しかし、どうせ引かないなら電子辞書を使った方が良いというのが私の考えだ。電子辞書を選ぶ際に、できるだけデメリットの少ない物を選択すればいいのではないか。そして電子辞書の持つメリットを積極的に利用しよう。

電子辞書のメリットとデメリット

知りたい単語を入力すれば、ピンポイントで飛んでいき意味を表示することができる。これはメリットであると同時にデメリットだ。前後の単語を眺めながら引く紙の辞書であれば、近い単語との関連を無意識に見ることになる。電子辞書では一足飛びに目的の単語に辿り着いてしまうのでこうはいかない。

しかし、これは前方一致によって解決することができる。単語を最後まで入力せずに、語尾をあいまいにして検索をかけるのだ。例えば「一騎当千(いっきとうせん)」を調べたかったとする。

ここで「いっき」と入力して検索をかけると、私の持っている電子国語辞典では
「一期」「一揆」「一喜一憂」「一騎打ち」「一気呵成」「一騎当千」「一気に」「一挙一動」「一興」「一驚」「一挙手一投足」「一挙に」「一挙両得」
と13種類の見出しがヒットする。引いた単語以外にこれらの単語の意味を知ることもできる。

さらに、私自身が電子辞書を使って感じる大きなメリットは、先に述べた複数の辞書を横断的に引くことができる点だ。こっちの辞書ではこうだが、別の辞書では少しニュアンスが違うとか、あるいは日本語ではこうだけれど英語ではこの単語かなど、上手く使えば言葉の裾野を広げることができる。

先ほどの「いっき」の例で言えば、故事ことわざ辞典と類語辞典から23の見出しがヒットする。英和・和英辞典からも5種類の見出しが見つかる。私のこの電子辞書は古いものであり、内蔵辞書もたかだか8種類しかなくてこれだけの見出し語をみつけられるのだ。紙の辞書を複数持って引くというのは、作家など言葉を職業にしている人達だけであろう。それを子どもでも行うことができるのは凄いことではないか。

また、家では広辞苑だが学校には携帯しやすい国語辞典というように、使い分けしている学生もいるだろう。しかし電子辞書なら広辞苑を持ち歩くことが可能だ。厚くて重い辞書を何冊も持ち歩かなくて済むのが最大のメリットだ。

他にも「後方一致」という方法で、言葉の始まりがうろ覚えの単語を引くこともできる。「『~とうせん』って言うんだけど…」というのなら、「とうせん」と入力して後方一致検索をかける。すると「当選」を始めとして「扁桃腺」「羽化登仙」「夏炉冬扇」などと一緒に「一騎当千」も出てくる。

電子辞書の選び方

ではどんな電子辞書を選んだらよいのだろうか。最近の商品は内蔵する辞書の冊数を競っているが、学習用に「家庭の医学」や「冠婚葬祭マナー辞典」などは必要ないわけで、購入したものをいつまで使い続けるかによって決めよう。

中学生くらいまで使えればいいとするか、大学まで使えるものを選ぶか。それにより英語や第二外国語、古語辞典を含むかなどで選択することになる。ただ基本は
  • 国語辞典系
  • 漢字辞典系
  • 英和・和英系
が入っていればいいだろう。ただし、低価格な製品は見出し語数は多くても例文や用例の少ないものがあるので、その点に気をつけたい。単語の意味だけしか載っていないのでは学習用辞書としては好ましくないからだ。

電子辞書の使い方

電子辞書画面
地理・歴史で電子辞書を活用する
では、中学受験でどのようなシーンで電子辞書を使ったら良いのだろうか。使い始めたら徹底的に活用したい。すなわち常に手元に置いて
  • 知らない言葉が出てきた
  • 書けない漢字がある
  • 漢字の読みがわからない
時にはすぐに電子辞書で調べよう。引くのが簡単という特性を活かして、ジャンジャン引いてしまうのだ。学校や塾の授業中での使用については先生に使っても良いか確認してからにしよう。

また国語での利用はもちろんのこと、理科や社会でも利用価値は高い。例えば中学入試では地理や歴史で「答えを漢字で書きなさい。」という指定があることが多い。家庭学習中に言葉は知っているが漢字を思い浮かべられないことがある。そんな時に使おう。さらに広辞苑が入っていれば理科の用語もかなり掲載されていて、簡単な百科事典のように使うことさえ可能だ。ズバリ百科事典が収録されていれば鬼に金棒。

電子辞書画面2
意味の分からない言葉をすぐにチェック!
あるいは以前に注目の一題で取り上げた攻玉社の国語の外来語の問題を覚えておいでだろうか。あの外来語の問2では「テロリズム」が登場した。

「テロ」は聞いたことがあるけれど、「テロ~」はよく分からないということであれば、「てろ」で検索してみよう。右の図でご覧いただけるように「テロ」から「テロリズム」が見つけられる。このように電子辞書の応用範囲は広いのだ。

小学校の国語教育で電子辞書を取り入れたら、国語以外の授業でも何か分からない言葉に出会うと、子ども達が進んで電子辞書を引き語彙力が増したという実例もある。上手に利用して学習の手助けにしたいものだ。



■電子辞書の選び方の参考になる記事はこちらに↓
[ 電子 辞書 ・ 辞書 ・事典]All About
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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