温泉/温泉を楽しもう

温泉の基礎知識

温泉という言葉が意味するものは、実は非常に広範囲です。お湯自体の意味だけではなく、温泉地や温泉宿、そして独特の風情や文化まで含めて、温泉なのです。ここでは温泉を、改めて広く深く考えてみたいと思います。

藤田 聡

執筆者:藤田 聡

温泉ガイド

これで完璧!温泉の基礎知識

温泉
温泉の魅力は、実に広範囲で多岐に渡り奥深いものである

「温泉」とは、厳密には温泉法に定義された基準を満たす湯のことです。しかし、これは狭義の温泉とでもいうべきものでしょう。

一般に温泉という場合に意味するものは、非常に広範囲です。温泉地や温泉宿の意味である場合があるのはもちろん、付近一帯の温泉、つまり温泉郷を意味する場合もあります。

「日本人は温泉好き」だと言われますが、この場合の温泉の意味が、お湯自体だけに留まらないのは明白でしょう。温泉地や温泉宿はもちろん、そこに存在する、独特の風情や文化まで含めて、私達は総合的に温泉が好きなのです。

このように、温泉という言葉の意味は広く、ある意味曖昧です。しかし、そこには実に奥深い内容と魅力が存在しているのです。

効能に代わって重視すべき泉質

温泉
誰でも常に確認できる、泉質の特徴に着目すると、温泉の本当の楽しみが見えてくる
温泉というと、すぐ効能を思い浮かべる方もおられるようです。実際、湯治場と呼ばれる温泉では、昔から今に至るまで温泉療養を実施し、実際に健康に役立ったという方も多くおられます。温泉に効能があるのは明白であり、そうした健康に良いヘルシーなイメージが、温泉のイメージを好意的に維持している面もあるでしょう。

しかし、そうした温泉の効能を得るには、昔から七日ひとまわりで、三まわり、つまり21日以上かかるとされています。よって、一泊二日の通常の旅行者にとって、効能はあまり意味を持ちません。では短期間の旅行で、しかも健康な人には、温泉の湯の良さ、その地方独特の温泉の良さは何も感じないのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。

確かに健康な人は、温泉で健康を回復することはできません。しかし、温泉の泉質は一定ではなく、千差万別です。健康な人には、その湯の特徴に着目し、楽しむという方法があるのです。お湯の色や泡付き、すべすべ感など、五感を総動員して温泉を楽しむ。本当の意味での温泉好きへの入口、本当の意味での温泉の楽しみは、まさにここにあるのです。

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