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MacOS X Server でマイサーバをたてよう(1) 「サーバソフト最右翼」のワケ(3ページ目)

ブロードバンド時代のいま、一歩進んだ PC の使い方として、自宅でのマイサーバを考えましょう。MacOS X Server を使えば、事務所や家でのデータ保存のほか、ユニークな活用も簡単です。

大島 克彦

執筆者:大島 克彦

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サーバの公開に必要なこと

サーバを外部(インターネット)に公開するには、以下の準備があらかじめ必要となります。

・ドメイン名
Web ページを見るには、http://allabout.co.jp のようなアドレス(URL)を使いますね。この allabout.co.jp をドメイン名といい、サーバが設置される各ネットワーク・団体には固有のドメインが必要になります。ドメイン名は、レジストラと呼ばれる代行機関から取得します。

・固定 IP アドレス
サーバをたてるには、サーバには固有の IP アドレスも必要です。IP アドレスは、「123.456.789.0」のように、3ケタ×4つの数字であらわされ、しかも、上記のドメイン名との対応が設定されていなければなりません。この手続きと設定は非常に面倒です。

しかし、次節で述べるダイナミック DNS サービスを使えば、固定 IP アドレスが不要になります。ここでは、「サーバには本来、固定 IP アドレスが必要」ということだけをおぼえておいてください。

・サーバ用コンピュータ
MacOS X Server でサーバを運用するため、Apple は Xserve(エックスサーブ)G5 というサーバ専用機を販売していますが、これは非常に高価です。サーバをたてるのには、人気の Mac mini でも十分です。ただし、メモリは最低でも 512MB、できれば1GB にしましょう。Mac mini の場合、新品で1GB のメモリにすると84,630円です(モニタ、キーボード、マウスは別)。

あるいは、Tiger がインストールできる iMac と PowerMac(PowerPC G3 以上、FireWire 搭載)を中古で購入するのもよいでしょう。サーバ用のパソコンは起動したままにしておくものですから、ある程度故障することを前提に、中古品を利用するという選択肢もありえます。

・ブロードバンドルータ/スイッチングハブ
ブロードバンドルータ(ルータ)やスイッチングハブ(ハブ)は、ネットワークを中継する役割を果たすものです。すでに、家庭に複数台の PC があり、インターネットを楽しんでいるユーザーなら、ルータやハブが稼働していることと思います。であれば、サーバをたてる際に、特別に買い換え・買い増しをする必要はありません。

また、ルータには、簡単なファイヤウォール機能を持っていたり、DDNS サービスに対応したものもあります。新たに購入する場合には、選ぶ目安にしてください。

サーバ設置図
サーバの設置には、ルータやハブが必要です



・セキュリティ対策
脅かすようですが、インターネットにサーバを公開すると、即座に外部からの攻撃を受けます。万が一不正侵入を許せば、データに損害を受けたり、コンピュータの操作権限を乗っ取られ、第三者のコンピュータに対する攻撃の「踏み台」にされる可能性さえあります。こうなると、あなたは「被害者」というだけでなく、「加害者」にもなってしまいます。そうならないよう、ファイヤウォールなどのセキュリティ対策をとることが必要です。

MacOS X Server には、標準でファイヤウォール機能が付属しますので、適切に設定します。

ダイナミック DNS サービスの利用

前節で述べたように、ダイナミック DNS(DDNS)サービスを利用すれば、固定 IP アドレスが不要になります。これは、どういう意味をもつのでしょうか?

ADSL や光ファイバを利用する一般のインターネットユーザーには、プロバイダが動的な(一定時間で変更される)IP アドレスを割り振っています。これがあって初めて、ユーザはネットを利用できるのです。ところが、通常のサーバには固定の(変更されない)IP アドレスが必要で、これをユーザが得るためには、オプション料金を支払う必要があります。

DDNS サービスを使えば、ユーザのもっているドメイン名と、プロバイダが割り振る動的な IP アドレスが結びつくことで、固定 IP アドレスなくてもサーバをたちあげることが可能になります。しかも、ドメイン名も発行してくれるサービスも増えており、この面でも、ユーザの負担は減らせます。

お手軽にサーバをたてたいのであれば、DDNS サービスを利用することをオススメします。

DDNS サービスにはどんなものがある?

DDNS サービスを利用するには、どうすればよいでしょうか。

・オプションで利用できるプロバイダがある
@niftyぷららSo-netBIGLOBE、DIONなど、主要プロバイダのユーザーなら、月210円~550円でオプション料金で、DDNS サービスを利用できます。

これらプロバイダの DDNS サービスでは、独自ドメインや、一部にプロバイダ名が入ったドメイン名を利用することができます。申込みは、プロバイダの Web サイトで行えます。設定方法については、サービス案内のページを参照して下さい。

・だれでも利用できるサービス会社
加入しているプロバイダが DDNS サービスを提供していない場合は、プロバイダ以外のサービスを利用しましょう。

livedoorお名前.comでは、あらかじめ用意された数種類のドメインの中から、好きなものを選ぶことができます。料金は、年間で3500円前後です。

MacOS X Server をインストール>>NEXT


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Page3:サーバを準備しよう
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