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投資デビューはつみたてNISAに限る理由

2018年1月、新しい有利な投資方法「つみたてNISA」がスタートします。実はこれ、金融機関にカモにされない投資デビューに絶好の商品かもしれません。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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今投資デビューを考えるなら、2018年1月がチャンス
絶対つみたてNISA口座を作って利用したい

「投資」をいつかは始めたいと考えている人にとって、デビューのタイミングは一番難しい問題です。株価を見ながら有利なタイミングを狙っていると、下がっているときは「もう少し戻るまで様子をみよう」となり、上がっているときは「高すぎるのでもう少し様子をみよう」となってしまいます。結局、タイミングを考えるとずるずると先延ばしになってしまうことのほうが多いものです。

もし、あなたが誰かに背中を押してほしいと考えているなら「2018年1月」を投資スタートのタイミングにすることをオススメします。株価は気にしなくてもかまいません。

というのは、「つみたてNISA」という新しい制度がスタートするからです。これは少額投資非課税制度、NISAと呼ばれる制度の新しいバージョンですが、初めて投資する人のために工夫されており、また金融機関のカモにならないですむ「仕掛け」も用意されているからです。

つみたてNISAが初心者にオススメできる4つの理由

つみたてNISAが初心者にオススメできる4つの理由を、つみたてNISAの仕組みの紹介とあわせてしてみましょう。

【理由1.税金で有利な投資である】
つみたてNISAは定期的な積み立て(基本的には毎月)で、年40万円以内の範囲で行う投資方法です。定期預金を積立するように、投資商品を毎月、一定額、自動的に購入するしくみです。

つみたてNISAの口座を開設し、そこで積み立てをすると、その投資資金が運用で増えた場合、どんなに増えても非課税になります。毎月2万円を積み立てたとしたら、年24万円の投資元本が積み上がりますが、これが26万円になっても30万円に増えても、全額を受け取ることができるのです。

通常だと儲けの20%が課税される原則ですから24万円が30万円まで増えても6万円ではなく、4.8万円しか手元に残りません。1.2万円も引かれる税金を納めなくていいのがつみたてNISAなのです。

【理由2.投資を半自動的に続けられる】
つみたてNISAはその名の通り「積み立て」であることが特徴です。指定した金額を指定日に自動的に引き落としますので、給与振り込み日の翌日などに指定しておけば確実に等し元本が増えていきます。

さっき言った「株価が下がっているときを見計らって」とか「今はちょっと値上がりしているから買うのは様子見」のようなことはスタートだけでなく投資を続けるときも問題になります。いい判断をしようと悩んで結局いつまでたっても追加投資できないものですが、つみたてNISAであれば半自動的に投資を継続することができます。

長い目で見るとむしろ、値上がりしている時期も値下がりしている時期も投資を続けることで、大きな資産に育つことになります。そもそも元本の追加、というのは強力な資産形成方法なのです。

【理由3.投資商品に外れがない】
投資というと「何を買えばいいのか分からない」という悩みがあります。しかしつみたてNISAならほとんど困ることはないでしょう。

金融庁が、金融機関の儲けより国民の利益を優先して、つみたてNISA用商品のルールを決めたのですが、その中に「手数料は割安なものを」というものがあります。割高な手数料の金融商品をよく分からずに買わされる心配はほとんどありません。

また、ひとつの商品を買えば複数銘柄に分散投資された投資信託が中心となっているので、個別の会社に投資をしたら不正が発覚して自分の持ち株だけ大暴落、というようなこともありません。

厳しいルールなので対象となる商品は各社数十本くらいしかありません(多くても100本前後)。大きな外れを確実に引かずにすむ、というのは投資初心者にとってメリットになります。

【理由4.元手ゼロからスタートできる】
投資というと「まずは100万円くらいから」と誰でも考えてしまいます。つみたてNISAはむしろ「誰でもゼロ円からスタート」という考え方になっています。

ゼロから始めて、定期的にコツコツ追加入金をすることで、誰でも無理なく投資ができます。毎月1000円積み立てで、世界中の株をまんべんなく買う投資信託に投資をするようなこともできるのです。Appleやトヨタ、ソニーにユニクロなどたくさんの会社に同時に投資し、1社0.1円ずつくらい(あるいはもっと少ないかも)世界中の株主になることもできます。

ゼロから始めることで投資をスタートするハードルが大きく下がることになるわけです。

金融機関があなたをカモにする余地がない!

つみたてNISAは金融機関泣かせの商品ともいわれています。素人を相手にカモにする要素がほとんどないからです。

「初心者に口車で300万円くらい売りつけよう」ということも「年40万円以下、毎月定期入金」というルールがあるのでできません。

「高い手数料の投資信託を売りつけて、手数料で儲けよう」と思っても、販売手数料はゼロ円、運用手数料は年0.5%以下(国内株インデックスタイプの場合)など厳しいルールが課せられており、カモることができません。

「何度も売ったり買ったりさせて手数料を稼ごう」と思っても、「投資非課税のチャンスは最大20年(でも一度売ってしまえばおしまい)」というルールがあるので毎日売ったり買ったりすることは得をしないことにため提案が難しくなっています。

今まで金融機関は投資商品を通じ、「高額販売」「手数料収入」「ひんぱんな売買」を顧客に提案して(時には押しつけて)利益を上げてきましたが、その手法をすべて封じているのがつみたてNISAなのです。

あなたが投資未経験者で、できれば金融機関にカモられずに投資を初めてみたいのであれば、つみたてNISAの口座を開設してみましょう。きっと、失敗することなく投資デビューができるはずです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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