注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

後悔しない二世帯住宅を建てる4つのポイント

二世帯住宅を手に入れるときに、将来のことや夫婦自分たちの意見をしっかりと話し合っておかないと、後々後悔することが起こります。満足できる二世帯住宅を建てる、4つのポイントをお伝えします。

八納 啓造

執筆者:八納 啓造

幸せになる家づくりガイド

後悔しない二世帯住宅を建てるには?

「二世帯住宅を建てるにあたって、漠然とした不安が出てきました。親との距離感など含めて気をつけるべきポイントはあるでしょうか?」という質問を受けました。確かに、どのような手順で考えていけば、スムーズに話をまとめられるかは押さえておきたいところです。

今回は、二世帯住宅を手に入れた後に「しまった!」と後悔しないための4つのポイントをお伝えします。

二世帯住宅を手に入れるときは30年先まで見込んで家の使い方を考えることがとても重要です

二世帯住宅で建てた家の母屋風景


【ポイント1】パートナー間で不安材料を明確にし、意識を共有する

二世帯住宅の場合、特にパートナー側の親と一緒に住むとなると、漠然とした不安が出るのは自然なことです。普段は問題なく接していても、生活の距離感が近くなることで、これまで以上に緊張感が出てくるかもしれません。全く気にならない人もいますが、多くの場合は気を使って疲れてしまいます。

では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか?

大切なのは、まずパートナーとの間で、どういった不安があるかをきっちりと話し合うことです。
  • 「もし、お母さんが私たちの暮らしに言及して来たらと思うと不安」
  • 「完全に息を抜くことが出来なくなりそうで怖い」
  • 「子育てにクレームを入れられるんじゃないかと思うと不安」
といったことを伝えて、パートナーにも気持ちを理解してもらいましょう。

夫婦

夫がいつの間にか夫の親の立場になって話をするようになっていた…・…というのはトラブルの元。もちろん、反対の場合も然りです。


そして、その上でもう一つ大切なのは、あくまでもパートナー単位(若夫婦と老夫婦)での話し合いをすることです。

気がつくと、夫がいつの間にか夫の親の立場になって話をするようになっていた、と言うのはトラブルの元です。妻が夫の親と二世帯で暮らす場合は、夫は自分たち夫婦の窓口になって話し合うスタンスを崩してはいけません。反対の場合も然りです。

もし、二世帯住宅を考える上で上記のように出来ないのであれば、かなり居心地の悪い家になります。メンタルの部分なので、間取りで工夫しても限界があります。逆にここをしっかりとしてお互いの気持ちが尊重しあえれば、かなり柔軟で楽しい間取りも出来上がるでしょう。

まずは、絶対に外さないでいて欲しい視点です。

【ポイント2】親とのベストな距離感をしっかりと話し合う

夫婦間でしっかりと話し合えれば
  • 「私は、お母さまとキッチンは共有でも構わないわ」
  • 「リビングは基本一つだけど、自分たちの寝室にセカンドリビングぐらいは欲しい」
  • 「玄関は共有でもいい」
  • 「基本的に玄関も分けて、家自体を別けた構成にしたい」
などと、自分たちの間で親との心地よい距離感を共有することが出来ます。

もちろん親の意見も出てくるでしょうが、その前に自分たちにとってベストな距離感をしっかりと話し合いましょう。それぞれの夫婦がそれぞれで話し合って要望を出し合うのがベターです。

この時「お金は誰がだすから、その人の言うことを聞きなさい」的な流れになると、トラブルのもとになります。ここを外した状態でそれぞれが話し合って持ち寄ることを事前に確認しあっておきましょう。

【ポイント3】上下階などの位置関係に注意する

1階の親世帯、2階に子世帯が住むような間取りにする場合は、上下階の音に関して注意が必要です。

ご家庭によりますが、親世帯は午後5時台ぐらいにお風呂に入り、9時ぐらいには寝てしまうケースもあります。親世帯の寝室の上が、お風呂であったり、子どもが活発に動いているリビングだったりすると、その音や振動が伝わって親世帯が眠れずストレスになることがあります。

上下階で部屋のレイアウトをする場合で親世帯の寝室が1階の場合は、その部屋の上部を出来る限り人が入らない部屋にするなどの工夫が必要です。

また、どうしても上下階になる場合は、2階の床と1階の天井裏で防音と遮音を施すように施工者や設計者に要望を出してみましょう。

【ポイント4】20~30年後の使い方も考えておく

家族

子どもが巣立ち、親も先立って、夫婦二人の生活が始まったときの将来設計も考えておきたい


シリアスな話ですが、二世帯住宅を建てる場合、家族構成で一番人数の多いときに家を建てがちです。そうなると、20~30年経つと、子供が巣立ち、親も先立って、夫婦二人の生活になっている可能性も高くなります。

ただ、設計においてそういったシリアスな話を出すのはタブーとばかりに誰も触れずに家を設計してしまっては、将来部屋が余って仕方がない家になってしまいます。

拙著にも事例で紹介していますが、二世帯住宅で建てたクライアントのMさんは、「将来二人だけの生活になったら、母屋はカフェやレストランにして、自分たちは離れに住みます」ということで、家の設計を行いました。

また別のご家族の場合は、1階に親世帯、2階に共有リビング関係、3階に子世帯という間取りにして、自分たちが年を取って親が亡くなった後は自分たちが1階に住み、3階は自分達の子供家族に住んでもらい、代々三世帯が住まう家として受け継いでいくということを明確にしていました。

将来部屋が余ったら、自分の趣味やライフワークの部屋にするのも一つでしょう。エリアによっては、空き室を民泊などにして収益を生み出すことも可能です。シリアスな話ですが、30年後どのように家を使うかも夫婦では話し合っておきましょう。

いかがだったでしょうか?二世帯住宅というものは、家族同士だからと安易に建ててしまうと、後々トラブルになる可能性が大です。

「他人同士が住む」ぐらいの思いから繊細に物事を組み立てることが重要です。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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