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街で撮った芸能人の写真をSNSにアップするのは違法?

芸能人や有名人を街角などで見かけて勝手に写真を撮ったり、TwitterなどのSNSで公開する行為は、違法行為に当たるのでしょうか。肖像権と肖像パブリシティ権について考えます。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

ITリテラシーガイド

SNS内には「もしかして違法?」と悩むようなことがあふれています。そこで、よく見かける事例について、違法かどうかについて考えていきましょう。

芸能人の中でも分かれる意見

芸能人の盗撮・SNSへの投稿は違法行為に当たる?

芸能人の盗撮・SNSへの投稿は違法行為に当たる?

街角などで芸能人を見かけて勝手に撮影したり、SNSに投稿している人はたくさん見かけます。そのような行為に問題はないのでしょうか。

この行為に対しては、芸能人の中でも意見が分かれているようです。たとえば以前、モデルのラブリさんが「盗撮きらい!!!!」とTwitterで不快感を露わにして話題となりました。電車の中での撮影時、声もかけずに撮られたことが嫌だったと言います。

一方、HKT48の指原莉乃さんは、勝手に撮った写真を公開したファンについて自身のTwitterで「そういうお仕事だから嫌とは思わないよーん」「指原のこと知らなかったら撮らないし、大分から出てきて、ちょっとずつそういう風になってるのは素直に嬉しいよ」とコメントするなど、理解を示している人もいます。

芸能人は肖像権侵害になりづらい?

勝手に写真を公開することは、肖像権の侵害には当たらないのでしょうか。肖像権とは肖像に帰属する人格的権利のことです。たとえば、一般人が勝手に写真を撮られて公開されたら、肖像権の侵害に当たるでしょう。

ところが芸能人の場合、裁判所の過去の判例を見ると、写真を勝手に撮影したり公開しただけでは肖像権の侵害とはされづらいのが実情です。仕事上で顔や名前を広く公開している点が考慮されるためです。

つまり、勝手に写真を撮ってSNS上に投稿するだけでは、肖像権の侵害とはならない可能性が高いのです。

自分がされて嫌なことはしないこと

もう一つ、肖像パブリシティ権の侵害の可能性もあります。芸能人の肖像は、それ自体が価値を持ちます。芸能人にとっての財産である肖像を商業的に利用すると、肖像パブリシティ権の侵害となります。しかし、商業的に利用することなく、SNS上に公開しただけでは侵害には当たらない可能性が高いでしょう。

しかし、芸能人の写真を勝手に公開するだけでなく、誰とどこにいた、何をしていたなどのプライベート情報まで公開してしまい、ファンから非難が殺到して炎上する事例は多数起きています。このようなことはプライバシーの侵害であり、公開すべきではないのは言うまでもありません。

既にご紹介したとおり、勝手に撮影されたり公開されることを不快に思う芸能人もたくさんいます。自分がされて嫌なことはしないのが大切なのではないでしょうか。


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