ドラマ

マツコの知らない世界で紹介!2時間サスペンスの魅力

2時間サスペンスのテレビ放映が始まって40年。名シリーズも数多く生まれました。”2時間サスペンス大好き主婦”として、TBS系『マツコの知らない世界』の「2時間サスペンスの世界」に出演したドラマガイドが、番組では語り尽くせなかった2時間サスペンスの魅力をさらに探ります。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

40年の歴史を持つ「2時間サスペンス」の魅力とは

2時間サスペンス大好き主婦として『2時間サスペンス』の魅力溢れる世界を紹介

2時間サスペンス大好き主婦として『2時間サスペンス』の魅力溢れる世界を紹介。番組HPより引用

1976年テレビ朝日の土曜ワイド劇場でスタートした2時間サスペンスには、40年の歴史があります。愛され続ける2時間サスペンスの人気の秘密は、ちょっとコミカル、わかりやすい展開など確立された「2時間サスペンスらしさ」。名シリーズが数多く誕生している一方、型にとらわれることなく、時代にあわせて新しいスタイル・新しい主人公が誕生しています。2016年10月25日放映のTBS系『マツコの知らない世界』では”2時間サスペンス大好き主婦”として、ガイドが「2時間サスペンスの世界」を紹介しました。今回は番組では語り尽くせなかったその魅力をひもときます。

謎解きの過程が自由すぎ!

『十津川刑事シリーズ』の十津川刑事や『終着駅シリーズ』の牛尾刑事といった刑事が謎を解くだけでなく、刑事ではない人が謎を解く作品が多いのも2時間ドラマの特徴。温泉の若おかみやルポライター、タクシードライバーにスチュワーデスなどさまざまな人たちが事件解決に尽力します。彼らはみんな情報通、なぜか情報収集に融通が利く立場です。謎解きに挑む面々の共通点は正義感が強く行動力があること。いわゆる黙っていられない彼らは今の時代に少ないタイプ、魅力的なキャラクターです。

そんな人間味も手伝ってか、近所の住民や被害者の同僚たちは、主人公の「〇〇さんってどんな人でした?」なんて問いに、好意的に応えます。聞く方も聞かれる方も警戒心なし、自由に展開していくのもみどころです。

 

複雑な事件に対し、犯行動機は意外に単純

犯人の犯行に至る動機はいろいろ。そこにはパターンがみえ、興味深いものがあります。

パターン1:「欲に目がくらむ」「自暴自棄」など、自分本位な男性

男性の場合は”強い野心”や”欲に目がくらむ”のほか、「どうせこんな人生……」と自暴自棄な動機が目立ちます。また「選ばれしもの」なんていう思い込みもあります。

犯人だとバレた瞬間に「あぁ、そうだよ」と態度が豹変したり、あるいは「俺は悪くない。悪いのは……」と開き直る、長谷川朝晴、井田國彦、林泰文など刑事役も多い俳優陣の演技も見逃せません。

パターン2:「誰かをかばう」「不遇からの脱却」など、懸命に生きる女性
運命のいたずらを堪能できるのも2時間ドラマの魅力。高橋かおり、大河内奈々子、大谷みつほなど「こんなはずじゃなかった」を抱えた幸の薄い演技にも引き込まれます。

「こんなはずじゃなかった」の背景は
1.大切な誰かの幸せのために、こうするしかなかった。
2.夢をかなえるために、悪いことだとわかっていても、この方法を選んだ。
3.絶望的な不遇な環境から脱却するために、気がつくとこうなっていた。
など……、独白シーンでは涙を誘うこともしばしばです。

法廷に立つ女性

 


完全犯罪、緻密な推理、それでも目立つ適当な行動

二重三重のトリックが複雑に絡み合う、完全犯罪が目立つ2時間サスペンス。一方で、思わず「えぇっ…」とツッコミたくなるお粗末な行や、犯行が露呈したときに「いつから気づいていた?」と、わざわざ主人公に確認するようなところも、2時間サスペンスらしさと言えます。

無防備・不用心
『法医学教室の事件ファイル』で名取裕子が演じる主人公の二宮早紀は犯人がわかると、一人で犯人のところに乗り込みます。そこで、もみ合ううちに不利な状況に転じ(転ぶことが多い)、危機一髪のところで宅麻伸演じる刑事のご主人が登場し犯人を確保します。観ている方は「頑張れ」よりも「危ない!」の気持ちが強くなる毎度のシーン。無防備なのに、一人で犯人のもとへ乗り込む、なかなかの大胆さです。

無防備なのは、主人公だけとは限りません。すでに殺人を犯している人間に「すべてを知っている」「用立ててくれ」と接触を図る不届き者もいます。大金を前にソワソワしているからでしょうか、「もしかしたら自分も殺されてしまうかも……」という気持ちが生まれることなく、殺人犯相手に、夜道をひとりのこのこ出かけます。不用心が引き起こす結末に、いたたまれない気持ちになります。

早合点
事件現場に遭遇し、犯人の工作と知らず、現場に残された遺留品から、自分に関係がある人間の犯行と早合点、「かあさんが犯人だと思って……」「息子が犯人だと思って……」とその人をかばう行動に出てしまう場面も、よく見ます。

また、殴る、突き飛ばすなどした相手が一時的に気を失ったときも、早合点。気が動転して、救急車を呼ぶなどの処置を怠ります。結局、自分が犯人と思い込んで雲隠れ、そこから歯車がくるい、第2第3の犯行へ。こちらも、なかなか厄介です。犯行そのものは用意周到なのに、そもそもの犯行は、ただの確認不足から。人生の儚さを感じます。
走る救急車

 

このように2時間ドラマは、とても人間的です。教科書どおりの完璧な人物や一貫して冷静沈着な人物ではなく、イラッとしたり、失敗したり悔しがったり、おいしいものを幸せそうに食べたりする人物を生き生きと描きます。そこに長い間愛されてきた理由があるのかもしれません。

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