注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

和のこころをとり入れた住まいづくり

日本人が昔から大切にしていたものは日々の暮らしへのさりげない目配りや気配りです。特に夏ほど、すだれ、風鈴などの「和」の演出が似合う季節はありません。今回は和のこころをとり入れた住まいづくりを見ていきましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

少しの手間をかけた丁寧な生活を楽しむ

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現代のす戸。冬はガラス戸に入れ替える。  


日本人が昔から大切にしていたものは日々の暮らしへのさりげない目配りや気配りです。特に夏ほど、す戸(※)、すだれ、風鈴などの「和」の演出が似合う季節はありません。日本の住居は夏を中心に考えられ、通気性を重視した構造で対処してきたからです。

※す戸………夏場に紙張障子と入れ替えて使われることから夏障子とも呼ばれる。障子ではなく竹などで編まれ、通風に配慮された木製建具。

しかし今日、冷暖房などの設備が普及すると従来の構造では効率が悪いため、気密・断熱性を高めた住まいづくりが行われるようになりました。ただそこには新たな問題として日々の暮らしを楽しむ要素が多少なりとも失われつつもあります。

そこで、少しの手間をかけて丁寧に暮らす。そんな「和のこころ」を活かした住まいを夏に考えることで開放的にそして冬にも対応できるように工夫し、潤いと楽しさを演出した住まいづくりをしてみませんか。

和の暮らしを楽しむ住まいのつくり方

■リビングコーナーに置き畳を敷く
竣工してから置き畳を敷くのではなく、計画当初からそのスペースを考えておくことです。使い勝手をあらかじめイメージすることで、家具の配置はもちろん照明の位置、コンセントの数と位置も変わってくるからです。ユーティリティ、赤ちゃんの昼寝スペースなどまさに多目的に使えます。

夏は素足で肌触りを感じることができ、冬は暖かく調湿作用もあります。フローリングの上で大の字にはなれませんが畳なら大丈夫です。畳の香りを感じられるくつろぎスペースにもなってくれます。

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リビングに設けられた畳スペース。


■建具に工夫
和の暮らしを楽しむことに欠かせないのが紙貼障子です。障子にはたくさんの種類があり、小障子が上下に動く摺り上げ猫間障子、左右に動く引分け猫間障子など和室でなくとも、工夫次第で現代住宅にとり入れることができます。

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夏の光、冬の光に応じた引分け猫間障子。柔らかな光は室内に適度な明るさと広がり(抜け感)を与える。  


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寝室窓の内側に使用した障子は、結露を防ぎ、保温力を高め落ち着きを与える。 


■インテリア小物で演出
和の空間の特徴のひとつは柔軟性のある空間づくりにあります。そして、季節に応じた目配りとうつろいを演出することです。代表的なものにはすだれや屏風があります。冬は暖かい空気を逃がさないように厚手のカーテンを選び、夏は通風のためすだれを引っ掛けられるようにカーテンボックスの中にフックを付けておくとよいのです。

また、エアコンから人工的に冷やされた空間に味気はありませんから、しかし、エアコンの前にすだれを吊るしてそこからゆるやかな冷たい風がくると多少なりとも空間の雰囲気は変わってくるでしょう。

【すだれ】
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夏の強い日差しを遮りながら風を通します。すだれを通して見える影のある風景は、清涼感を感じさせてくれます。  


【屏風】
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現代は結婚式や記念式典で使われますが、本来、魔よけや部屋の間仕切りとして使われていました。最近では、インテリアのポイントとして使えるようなミニ屏風もあります。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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