SUBARU(スバル)/インプレッサ

新型インプレッサ発表!歩行者エアバッグを標準装備

スバルが10月に発売を予定している新型インプレッサの詳細を発表した。「歩行者エアバッグ」が全グレードに標準搭載されるというが、いったいどのようなクルマになっているのだろうか。今回の発表の内容から考察してみよう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

新型インプレッサの武器は、進化した“車体構造”

スバルが10月に発売を予定している次期型インプレッサの先行発表を行った。このところ「新型車不作」だった日本市場ながら、今秋はインプレッサの他、トヨタ・プリウスPHVや日産セレナ、ホンダ・フリードなど新しい技術を採用した売れ筋モデルが続々登場してくる。激戦を勝ち抜く魅力を持っているだろうか?

新型インプレッサ

10月発売予定の新型インプレッサ。激戦を勝ち抜く“武器”はあるだろうか?


新型インプレッサの武器は、世界の最新モデルと戦える実力を持たせた新世代の「シャシ」だという。普通の人からすればシャシと言っても理解しにくいだろうが、簡単に言えばクルマの基本骨格と言って良い。例えば新型インプレッサには「歩行者エアバッグ」(歩行者と接触した時に展開するエアバッグ)が全グレードに標準装備される。

歩行者エアバッグ

歩行者と接触した場合に展開される「歩行者エアバッグ」を全グレードに標準装備する


あまり認識されていないけれど、車道に飛び出してきた歩行者と接触した場合、頭部はボンネット~フロントガラスに当たってしまう。ボンネット中央部の柔らかい部分なら最小限のダメージで済むものの、ワイパーの取り付け部や、両側のピラーの付け根などに当たると硬いため危険。フロントガラスも下の方ほど硬い。

対応策が無いため国交省が試験を行わない両側のピラーに、40km/h走行と同等の速度で試験装置を衝突させて行った時の頭部障害値(HIC)は、許容されるダメージの基準値である1000を大きく超える3000にもなるという。歩行者エアバックは両側のピラー部分までカバーしており、衝突時の頭部障害値を10分の1程度の抑えられるという。

新型インプレッサ

エアバッグだけでなく、車体構造そのものも現行モデルの1.4倍の衝撃吸収能力を持たせてきたという


効果抜群の歩行者エアバッグながら、既存のクルマに装着することは技術的に難しい。そこでスバルは新しい世代のシャシを設計するにあたり、歩行者エアバッグの装着が可能になるようにしてきた。正確に書くと歩行者エアバッグだけでなく、車体構造そのものも進化させ現行モデルの1.4倍の衝撃吸収能力を持たせてきたという。

車体構造見直しの効果は、乗り味の面でも大きい?

車体構造の大幅な見直しの効果は、安全性だけに留まらない。今までならフルモデルチェンジしても「サスペンションの取り付け部分などを補強する」という対応しか出来なかったが、今回はボディ全体に渡り強化している。60kg級の選手に、80kg級のポテンシャルを持たせたようなもの。それでいて車重の増加が無いという。

新型インプレッサ

試作車に試乗した社長が「これは凄い!」とコメントするほど、乗り味も上質になったらしい


結果、乗り味は圧倒的に上質になったらしい。人間の感性を解析すると驚くほど繊細。ボディ剛性は普通の道を普通の速度で走らせていても解る。新型インプレッサの試作車に試乗した社長が「これは凄い!」とコメントしたとか。コストの増加も抑えたとのこと。実際、価格は先代と同等を予定している模様(装備向上分は上乗せされると思う)。

また、追突事故などを80%以上減少させるスバルの自動ブレーキ『アイサイト』を全グレードに標準装備するなど、安全スペックは同じ価格帯の日本車を圧倒! 同じ車体サイズの輸入車と比べても、ボルボV40くらいしかライバルが存在しない。スバルの主張通り楽しいクルマに仕上がっていたなら、なかなか魅力的である。

ボディは『G4』と呼ばれる4ドアセダンと、従来からある5ドアHB。そして半年くらい遅れ、車高を少し上げた『XV』も追加される。

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