ストレス

「メタ認知」の力を高めれば、ストレスに強くなる!

いつも目の前のストレスに振り回されている人は、「メタ認知」の力をうまく活用できていないのかもしれません。メタ認知の機能を高め、ストレスに上手に対処していくための2つの実践法をご紹介します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

メタ認知とは…自分の感じ方・考え方を客観的に捉えること

グループ内の人間関係

たとえば、集団行動にいつもストレスを感じている自分――。そんな自分を知るのに必要なのが「メタ認知」

気がつけばいつも目の前の出来事に振り回されて、ストレスを抱えてしまう自分……。いくつもの原因が考えられると思いますが、その一つに「メタ認知」をうまく活用できていないことが関係しているかもしれません。

「メタ認知」とは、認知を認知すること。つまり、自分の認知をより高い位置から認知することです。つまり、ある出来事に遭遇したときに、自分が感じていることや考えていることを、より高い位置から俯瞰して捉えることを意味します。

たとえば、友達に失礼なことを言われて不愉快に感じたとき、「私は今、この言葉にカチンときている」「私が苛立ちを感じるのはこの態度だ」というように、自分が感じていること、考えていることを客観的に見つめられる人は、メタ認知がうまく機能している人と言えるでしょう。

同じミスを繰り返すのは、メタ認知能力が低いから?

私たちが普段、何気なくストレスを回避し、健康を維持しながら生きていられるのは、メタ認知が働いているおかげなのです。

メタ認知が発達していない人(幼い子どもなど)は、たとえば「今、暑いと感じている」「今、寒いと感じている」といった気持ちにメタ認知で気づくことができないため、その都度冷房をつけたり、上着を羽織るなどの自分に必要な対処を適切にとることができません。そのため、「何か嫌!」とぐずって泣き叫ぶだけだったり、ぐったりするまで遊び続けてしまったりする危険があるのです。

メタ認知の働きは、こうした基本的な日常生活のみならず、対外的な場面、対人的な場面においても重要なものです。これらの場面でメタ認知をうまく活用できないと、気がつけばいつもトラブルに見舞われたり、突然訪れるストレスにいつも振り回されたりして、消耗してしまうでしょう。

たとえば、悪意はないのにいつも「余計なひと言」を口走り、周囲の怒りを買ってしまう人。他人の不愉快な態度にすぐに怒りをあらわにし、衝突してしまう人。無計画に物事を進めて、いつも大失敗している人……。このようにいつも同じようなミスを繰り返して損をしている人は、自分のメタ認知をうまく活用できていないのかもしれません。

次のページでは、メタ認知のトレーニングに必要な2つのキーワードをお伝えします。

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