亀山早苗の恋愛コラム/亀山早苗の恋愛情報

結婚も恋愛もしたくない、非婚男女の心理

芸能界の「不倫」が取りざたされ、最近では「アモーレ」という情熱的な愛の言葉も流行っているが、一般層はどんどん恋愛離れが進んでいるようにしか思えない調査結果が出た。そこで、男女それぞれの心理を聞いてみた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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人はなぜ恋愛しなくなったのか

誰もが結婚、恋愛する時代は終わったのかもしれない

誰もが結婚、恋愛する時代は終わったのかもしれない

今年は、芸能界の「不倫」が取りざたされ、最近では「アモーレ」という情熱的な愛の言葉も流行っているが、一般層はどんどん恋愛離れが進んでいるようにしか思えない。

明治安田生活福祉研究所が発表した、「20代~40代の恋愛と結婚」という調査(2016年6月20日発表)が興味深い。

まず、20代の結婚願望が3年前の前回調査に比べて激減していることがわかる。3年前、結婚願望がある20代男性は67%、それが今回は39%に下落。同じく女性は、3年前が89%、今回は59%に下落した。30代も同様で、男性は前回52.9%から40.3%へ。女性は60.3%から45.7%へと低下している。
(明治安田生活福祉研究所調べ)

20~40代未婚「結婚に対する意向」(明治安田生活福祉研究所調べ)

しかも、この下降トレンドは「結婚したくない」だけではない。

現在、恋人がいる20代は男性が5人に1人、女性は3人に1人。30代男性では8割以上が恋人なし、女性も7割以上が恋人なし。これが40代になると男性は9割が恋人なし、女性も8割弱がなしとなる。また、20代男性の2人に1人は、交際経験もないというのだ。
20~40代未婚の男女「交際相手がいる割合」(明治安田)

20~40代未婚の男女「交際相手がいる割合」(明治安田生活福祉研究所調べ)

(明治安田生活福祉研究所調べ)

20・30代未婚男女「異性との交際経験」比較(明治安田生活福祉研究所調べ)

この3年間でここまで男女関係が激変しているところが、なんとも興味深い。


恋愛や結婚より、趣味や今の生活が大事な女性たち

女性たちは、結婚よりも趣味や今の自由な生活を維持することを重視している

女性たちは、結婚よりも趣味や今の自由な生活を維持することを重視している

実際、周囲で「恋愛なんてする気になれない」というアラサー、アラフォー男女は非常に多い。時間的にも経済的にも余裕がないというのだ。そのわりには、自分の趣味にはけっこう時間もお金も費やしているように見える。

「最近、ちょっとした登山にはまっています。男性がいると仕切りたがるので、女性だけのグループに入れてもらいました。女同士が楽しい」(28歳、女性)

「私は釣り。父の友人である年配の男性と一緒に行きますが、まったく恋愛が生まれる要素がないのがかえってありがたいです」(35歳、女性)

女性たちは、どこに行くにもひとりで行けるし、趣味も自分から開拓していく。そこに案内人となるような同世代の男性は必要としない。むしろ、そういう恋愛対象になりそうな男性を排除したところでないと、趣味として成立しないと言った女性もいる。そういう女性たちは、結婚もほとんど考えていないようだ。

「私も非正規で働いているけど実家暮らしなので生活には困っていないのですが、男性も非正規だったら結婚の対象にはなりません。それなら親の介護をしながら、今のまま実家にいたほうがマシかなと思っちゃう。出産についてはそろそろぎりぎりだから考えないこともないんですが……卵子凍結するべきかな、と」(37歳・女性)


30代男性の非婚の理由は、経済的問題

男性の場合、正社員の壁、年収の壁があるようだ

男性の場合、正社員の壁、年収の壁があるようだ

一方、男性が結婚を考えられないのは、やはり経済的な問題が大きい。30代女性の7割近くが相手に年収400万円以上を求めているが、実際に400万円以上の収入がある30代男性は4割に満たない。

これでは男性が恋愛や結婚に積極的になりたくてもなれないことがよくわかる。

「非正規で年収は400万円に届きません。彼女がいた時期もあるけど、やはりデート代にお金がかかる。かといって、いつも『金がない』とは言えない。彼女が出してくれるときもあるけど、なんだかだんだん惨めになってきてしまって自分から別れを告げました。彼女も納得していたので、たぶん、しょぼいデートに嫌気がさしていたんでしょう」(35歳、男性)

35歳のトモヤさんは自嘲的にそう言った。たとえひとりが年収300万円でも、ふたり合わせれば600万。二人で稼げば、暮らしていくことはできるはずだ。

「でも、子どもができたらどうするかを考えると、やはり積極的にはなれません。今の時代、モテるやつは一極集中なんじゃないですか。公務員とか大手企業に勤めている友人を見ているとそう思う。安定した収入のある男に、女性はみんなもっていかれてしまう」(36歳、男性)


恋愛をしていなくても充実し、満足している20代男性

悲観も無理もしない、新世代たち

悲観も無理もしない、新世代たち

もちろん、恋愛などしたくなければしなくていいのだが、やはり心許せるパートナーがいるかどうかは、人生を豊かに過ごせるかどうかにつながっていくような気がしてならない。そう思っていたのだが、26歳のアキラさんは否定する。

「いや、恋愛をしていなくても充実していますよ。学生時代からの友だちがいるし、ひとりぼっちというわけではないから。性欲も、自分で処理できるしね」

そう言って笑顔を見せた。彼は、いまだに女性とつきあったことがない。だが、つきあう気もないのだという。

「中小企業だけど正社員だから、給料は低いけど、安定はしてるかな。実家にいるからラクさせてもらっています。休日は友だちと遊んだり、親孝行のまねごとしたり。地域のサッカーチームにも入ってるし。けっこう充実した生活を送っているつもりです」

先のことは考えられないし、あまり考える気もないと彼は言う。地道に、日々少しでも楽しければそれでよしとしよう、と思うのだそうだ。

リスクはとらない。だから女性にアプローチもしない。その結果、交際経験なしとなっているのだが、それを苦にしているようにも見えない。

自分で自分を抑圧している意識はないのだろうが、もっと何かに向かう気概があったら、人生はより楽しくなるのではないか……。ついそう思ってしまうのはバブル世代と言われる人間の悪い癖なのだろうか。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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