子供のしつけ/子供の上手な叱り方・NGな叱り方

子供の効果的な叱り方は?恐怖を与える叱り方がNGの理由

子供の正しい・効果的な叱り方について考えます。叱っても言う事を聞かない時、親はつい子どもに恐怖を与える叱り方をしていませんか?しかしこれは結果的には効果がありません。その理由と、どうすれば良いのかを解説していきます。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

子供に恐怖を与えて叱っても、結局効果が無い

子供の効果的な叱り方は?恐怖を与える叱り方がNGの理由

子供が言う事を聞かない、そんな時、恐怖を与える叱り方をしていませんか?

子供を叱っても言う事を聞かない、いくら注意してもまた同じイタズラを繰り返す。そのような時、親はイライラし、つい子供を怒鳴ったり脅したりと恐怖を与え、言う事を聞かせようとしていませんか?

恐怖を与える方法は、即効性がありますので、効果がある様に感じるかもしれません。また、「これは躾の範囲」と言う親もいますが、躾であろうと注意であろうと、子供に恐怖を与え、分からせようとする事は間違っており、結果的には効果がありません。その理由と効果のある叱り方を考えてみましょう。
 
<目次>
 

恐怖を与える叱り方が間違っている理由

■理由1、子供は慣れていき、親は恐怖をエスカレートさせてしまう
恐怖を与える叱り方は、繰り返されるうちに、子供は慣れていくものです。ですので親は更に強烈な恐怖を与えなければならなくなります。それはどんどんエスカレートし、やがて虐待に繋がっていくでしょう。

■理由2、子供は恐怖から逃れることばかり考え、叱られている理由に気持ちを向けない
恐怖からは、すぐに逃れたいものです。子供は、何がいけなかったのか、何故悪かったのか等よりも、とにかくその恐怖から逃れる事のみを考え、叱られた理由にまで、気持ちを向けないでしょう。「怖いから、しない」「親が怒るから、やめる」となり、その結果、良心も育ちません

■理由3、「親に見つからなければよい」と思い、隠れてイタズラをするようになる
良心が育っていないので、叱られた行為や言動を「いけない事」と思うより、「見つからなければよい」と考えるようになり、親の見ていない所でイタズラをしたりするようになります。

■理由4、自分の思い通りにならない事があれば、同じ手段で相手にも、分からせようとする
お友達との関係で、自分の思い通りにならない時や、相手が自分の言う事を聞かない場合、自分がされたことと同じように、恐怖を与え、分からせようとするでしょう。何故なら、子供は親の言動を見て、学習するからです。
 

子供を叱る際に、心がけておきたいこととは?

叱っても親の言う事を聞かない、また効果がない時、その叱り方に問題がある場合が多いです。次に見直すポイントと心がける事をお伝えします。
 

ポイント1:その行為は本当に叱るべきか?

自分の身に危険が生じる事をした場合と、人に迷惑や危害を与えた場合は叱るべきです。例えば急に道路に飛び出したり、公共の乗り物の中で騒いだり、順番を抜かして先に行こうとした時、また投げてはいけない物を投げた、などは叱らなければなりません。

それ以外の事は、そんなに叱る必要はないでしょう。些細な事にでも常にガミガミ言うのではなく、「ここぞ」と思う重要な場面で叱ると、効果があるでしょう。
 

ポイント2:その行為の裏に隠された子供の気持ちはないか?

親の気を引く為にわざと叱られる行為をする場合があります。例えば、弟や妹が誕生し、自分にかまってもらえなくなったので、イタズラや親に叱られることをわざとするという場合です。

子供は親にもっと関わって欲しいのです。その子どもの気持ちを汲み取って、スキンシップや会話をする時間を増やしてあげれば改善されるでしょう。
 

ポイント3:子供の心に「親が叱っている理由」が伝わっているか?

何故叱られているのか、子供の心に伝わっていないのかもしれません。下記を意識して叱って下さい。

その場で、すぐに
・しっかり、子供の目を見て
・強い口調で、きっぱりと
・何故、その行為がいけないのか理由をはっきり伝えましょう。


例えば、叱っているのに、何か用事をしながら、片手間に叱ったり、理由も言わず、ただ「あなたは悪い子ね」だけでは、子供の心に伝わらず、また何故いけないのか、子供は理解できません。それどころか、自分自身を否定されたように感じ、卑屈になったり、無気力になっていくこともあります。
 

子供を叱る基準を決め、一貫性を持つ

「叱る」というのは子供の幸せを願ってすることであって、親のイライラを発散させる為に感情的に怒る事とは違います。

同じ事をしていて、「昨日は叱られなかったのに、今日は叱られた」となれば、子供は親の顔色を見て、善悪を決めるようになります。叱る基準が親の感情で変わり、一貫性がなければ、子供は精神的にも、不安定になってくるでしょう。
 

子供を尊厳する気持ちを忘れず、共に育ちましょう

社会の中で他人に何かを注意したりする時、相手に恐怖を与えると、罪に問われるでしょう。それは、子供を叱る時も同じです。「相手が我が子だから」という理由で許されるはずはありません

そして子供を叱る時、「そのように育てたのは自分自身である」という振り返りを一旦しましょう。そうすることによって、子供の気持ちに歩み寄って叱ることができるでしょう。

叱る時も、お互いを認め合う関係を保ちながら、親と子、一緒に成長しながら日々過ごしたいものですね。

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