メンタルヘルス

過度の閲覧が心を壊す? SNS依存に気をつけて!

SNSは多くの人にとって、もはや生活の一部でしょう。人によっては1日のかなりの時間がそれに費やされているかもしれません。しかし、何事も度が過ぎれば、問題が現れやすいもの。場合によってはSNSが心の調子を崩す原因になる可能性もあります。今回はSNSに関連する心の問題を詳しく解説します。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

日常生活に欠かせないものとはいえ、依存の問題も起こり得る事は知っておいて!

SNSは多くの人にとって、なくではならないものでしょう。しかし、過度の閲覧のあと、決まって心の調子がいまひとつ……といったことはなかったですか?

インターネットは人と人とのつながり方を一変させたかもしれません。フェイスブック、ブログ、ツイッターなど、インターネット上でSNSと呼ばれるようなツールやサービスは多くの人にとって、もはや生活の一部になっています。

確かに、これらのサービスはたいへん便利ですが、何事も度が過ぎれば、問題があらわれてくるもの。場合によってはSNSが原因で心の調子を崩してしまう可能性もあります。

今回は、SNSに関連する心の問題を詳しく解説します。


SNSでの心の問題、その1……どうしても相手と比べてしまう

ブログやフェイスブックなどを通じて、本来接点のない人の暮らしぶりもある程度分かる時代です。インターネット上でもし自分と似たような境遇の方を見つければ、その方がインターネット上にしるす内容は大いに参考になる時もあるでしょう。

しかし、自分をついその相手と比べてしまう……といったことは少なくないかもしれません。場合によってはある種のライバル関係になっていたりします。もちろん、それが毎日を頑張る原動力ならば、良い事だとも言えますが、場合によっては相手の暮らしぶりにショックを受けるような事もあるかもしれません。

こうした問題は、昔からよく言われますが、「隣の芝生は青い」といったことでしょう。確かに人さまの良い点は良く見えるものですが、どんな人でもその人なりの問題を抱えているもの。ある一面だけで相手と比べているに過ぎないことは、ショックを受けたような時には思い起こしたいことです。

ただ、こうした心理傾向はしばしば日常のストレスが強い、いわば心の健康に黄色信号が点った時に顕著になりやすいものです。もし、他人の動向に敏感になりすぎているような時は、それ自体、心の問題を反映している可能性もあることはお気をつけ下さい。

SNSでの心の問題、その2……外で人と関わるのが億劫になっている

インターネットを通じて他人と交流できる事は、新しい時代に生きている、あかしと言えるかもしれませんが、もしそれが生活の中心になっていたら、外で人と会う事が億劫になってしまう可能性もあるでしょう。

現時点では、まだまだ外で上手に人と渡り合っていくことは社会生活上、不可欠でしょう。また、親しい人と一緒に食事をしたり、大勢でわいわい何かを楽しむことは心の健康を保つ重要な要素です。

実際、目の前の相手が自分に笑顔を見せた時と、インターネット上で自分に対して「いいね」とコメントされた時では、うれしさのレベルが違うはずです。もしSNSのために人と会う事を避ける傾向が現われている場合、それは心の健康のリスクになりやすいことはご注意ください。


SNSでの心の問題、その3……多大な時間を取り過ぎてしまう

インターネット上のメディアは、つい見るだけでも、あっという間に時間がたつものですが、その際の精神活動もなかなか複雑です。膨大なインターネット上の情報から自分に必要な情報を選択することも、脳にかなりの負荷が掛かるかもしれません。必要に応じて画面のどこかをクリックしたり、コメントをタイプして随時反応していくことも、かなりの精神活動になるでしょう。

実際、長時間、インターネット上で過ごしたあとは、かなり疲れてしまうこともあるのではないでしょうか。問題は、それが本来すべきことではない場合です。もしSNSに多大な時間を必要もなく費やしていたら、本来すべきことができなってくると思います。

心の病気に近くなるということは精神医学的には、何らかの精神症状が原因で日常生活に深刻な支障が現われている状態です。もしSNSに多大な時間を必要もなく費やしていれば、その程度が進めば場合によっては精神科的な対処も望ましくなってきます。その際はSNSに対する依存症のレベルになっている可能性もあります。

依存症は一般にそれが何に対する依存であれ、それに対するコントロールを完全に失った状態です。依存症は一般に専門家の力を借りないと解決できません。もちろん大部分の方は依存症のレベルになるまで、SNSの使用に対してコントロールを失うことは、まずないでしょう。しかしもし心理的、社会的、そして体質的な要因が悪い方向に重なってしまえば、どんな人でも依存症に近くなる可能性があることは、どうか知っておいてください。
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