久野浩司の恋愛コラム

ベッキー「断る勇気がなかった」の心理を読み解く

TV番組内で不倫騒動について発言して注目を集めた、ベッキーさん。ガイドが特に気になったのは、「断ったら相手が離れてしまうのではないか」という発言でした。「嫌われたくない、彼に対してNOと言えない」という女性たちの心理が表すものと、幸せな恋愛との決定的な違いについて、考えていきましょう。

久野 浩司

執筆者:久野 浩司

恋愛ガイド

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ベッキーの発言を受けて、恋愛ガイドが思うこと

不倫報道を受け、険しい表情で会見したタレントのベッキー。東京・新宿区左門町のサンミュージックプロダクションで。2016年1月6日撮影、1月8日掲載。(写真:報知新聞/アフロ)

不倫報道を受け、険しい表情で会見したタレントのベッキー。東京・新宿区左門町のサンミュージックプロダクションで。2016年1月6日撮影。(写真:報知新聞/アフロ)

先週5月13日(金)に放送された、TBS系『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』に、ベッキーさんが登場し話題になりました。不倫騒動後の記者会見から、約4ヶ月。謝罪が受け入れられた、離婚が成立した……などの報道が続き、関係者たちを取り巻く状況がちょうど変わりつつあるタイミングでした。

激動の状況でのテレビ出演については賛否ありましたが、個人的には、沈黙していた彼女が「自らの言葉」で何を言うのか、単純に興味が沸き、注目していました。

結果、番組内でのベッキーさんのコメントから、当時すでに彼女らの「不倫の恋」が未来のある状態の恋愛ではなかったこと、そして、やはり不倫から幸せになるのは難しいということが実証されたように感じました。そのもっとも重要なキーワードとポイントについて書いていきます。


NOと言えない関係になっていませんか?

以前から、幸せな恋愛や結婚を築いていくパートナーとは、お互いがリスペクトできる対等な関係であるべきだ、と思っています。

それを踏まえて、ベッキーさんの発言でとくに気になったのが、彼女は、正月に彼の実家に誘われた際のことを振り返った言葉でした。

「実家(に呼んでくれる)ということは真剣に考えてくれてるのかな、と。絶対に行っちゃいけなかったですね。本当に最低なことをしてしまいました。気持ちが大きくなって、周りが見えてなかったです。断る勇気が持てなかったです。断ってしまうと、男性の気持ちが離れてしまうんじゃないかと
引用:ベッキー落ち着いたら「恋が始まるかな」期待あった/朝日新聞

今回の例で言えば、「相手が既婚者だと分かった時点で身を引くべきだった」、「実家についていくべきではなかった」のですが、ベッキーさんの「気持ちが大きくなりすぎて、周りが見えなくなり、理性で気持ちを止められなかった」、という自己分析をしてます。恋愛の初期段階において「恋は盲目」といいますが、周りが見えずに相手に振り回されてしまうことは多々あります。

しかし、一方で、「彼に嫌われたくない」、「断ると気持ちが離れてしまうのでは」という言葉が出てきたことで、相手の既婚男性に恋愛の主導権を完全に握られていた、恋愛における力関係に差があり、彼女が追いかける状態の恋愛だったことも、見えてくるのではないでしょうか。

だからこそ彼女は、より自身でのコントロールが効かず、今回のような代償を背負うことになってしまったのではないかと感じています。


ちなみに、今回のテーマは、あくまで「不倫の可否」や「だれが悪いのか」ではなく、「嫌われないために相手の顔色を伺ってしまう、都合のいい恋愛からの脱却」です。

不倫をしている・していないに関わらず、彼との関係のなかで、無意識に嫌われないような言動や行動し、相手に振り回されてしまってるかもしれない……という意識がある方は、もう一度、客観的に自分を見つめてみましょう。


不倫をすると「都合のいい女性」になりやすい理由

ベッキーさんの例に限らず、片方が既婚、片方が独身の不倫の場合、既婚者側が恋愛の主導権を握るケースが多いのです。それはなぜか、もうすこし紐解いてみます。

「それでも、あなたは不倫をしますか?」という記事の中でも書きましたが、既婚男性は、独身女性に対して、どこか優位に立つ「心の余裕」があるものです。

既婚男性は、一度結婚して1人の女性に認められている自信が無意識に働き、「ダメでも構わないけど、付き合う?」といった余裕のスタンスで口説いてくるので結果的に既婚男性が男らしく見える錯覚をおこすのかも知れません。

引用:それでもあなたは不倫をしますか?
 
独身女性のほうは、既婚男性から「余裕のスタンス」で口説かれると、帰るべき場所がある「心の余裕」を、「男の器」だと勘違いし、結果的に、既婚男性を追いかける立場になりやすいものです。

すると、女性側は、「いつか彼が離れていってしまうかもしれない」という不安にあおられるようになり、つい相手の顔色をうかがい、「NOと言えない関係」を築いていってしまいます。

さらに、そういったタイプの既婚男性は、相手の女性がより自分のことを好きであると確信すると、「気持ちの余裕」とともに「相手への甘え」が出てくるものです。つまり、「相手は自分をすべて受け入れる女性だ」と思うと、ついわがままになったり、初心を忘れて相手をリスペクトする気持ちも薄れていくものです。結果的にだんだんと二人の力関係に歪みが生じてくるでしょう。


幸せな恋愛との決定的な違いに気づくべき

そもそも、NOと言えない関係というのは、「彼が自分の前からいなくなり、自分は捨てられるかもしれない」という不安の裏返しです。恋愛において、どちらかがその不安を抱えている関係は健全ではありません。

恋愛は、お互いバックボーンの違う二人が共同で創りあげる人生のプロジェクトです。だから、そんな不安や恐れをもったまま、長期間に渡る恋愛、そして、その後の結婚生活をしても上手くいくことはありません。

恋愛にはさまざまなカタチがあり、たとえうまくいかなくても、失恋や別れなどの辛い経験から学ぶことはたくさんあると思います。

でも、本当に幸せな恋愛や結婚生活を手に入れたいと思っているなら、お互いがリスペクトしあう対等の関係を保つことが重要で、最初から立場に差のある、既婚男性と独身女性の「不倫の恋」は、女性を不幸にしてしまうと断言できます。

お互いの発言や行動を尊重しあえる関係性こそが、あなたを幸せに導いてくれる相手です。ぜひそんな強い信頼関係で結ばれたパートナーと一緒に幸せを築いていきましょう。


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