シングル・DINKS向けマンション

独身のマンション購入。踏み切れない人に足りないこと

独身だからこそマンション購入の前に考えたい、費用よりも大切なことをお伝えします。「いくらのマンションが買えるのか」も重要ですが、もっと大切なことがあるのです。大切したいことの優先順位がわかると、迷いがなくなり、「買う」「買わない」をスムーズに決めることができます。

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

契約直前になって不安が大きくなり、購入に踏み切れないシングルは多い

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マンション探しは、自分探し。「自分を知る」ことからスタートします。

マンションが欲しいと思い立ち、モデルルームへ出かけて見たり聞いたりしていると、まず「私はいくらのマンションが買えるだろうか」と購入予算が気になってきます。

しかし、初期段階で購入することに意識が集中し過ぎると、いよいよマンションの契約という段階で、「これで良かった?」「買って大丈夫?」と不安が膨張し、怖くてハンコが押せない、契約できないという状態になってしまう……そのような人をたくさん見てきました。

目先の「購入」に集中し過ぎると、中長期の視点や広い視点で考えることができなくなり、将来の見通しが立てられないため、漠然とした不安を抱えたまま話が進むことになります。将来にわたって安心・安全な状態で心穏やかに契約ができる。そのようなマンション購入を実現するには、まず購入目的を明確にすること、あなた自身を知ることが最重要なのです。

何のためのマンション購入?

あなたのマンション購入の目的は何でしょう。どのようなきっかけでマンションを購入したい、と思ったのでしょうか。「部屋が狭い」「建物が古い」「駅から遠い」「家賃が高い」「ひとり暮らしをしたい」「友達を招待したい」など。きっかけとなる事柄の背景には、あなたが理想とする暮らし方が必ずあります。それらを具体的にすることから始めましょう。

マンションがあって、あなたのライフスタイルがあるのではなく、理想のライフスタイルがあって、そのライフスタイルを実現するために最適な住空間を選ぶのです。それは、新築マンションかもしれませんし、中古一戸建てかもしれません。そして、あなたのマンション購入の目的は、理想の暮らしを手に入れるため、そうではありませんか。

将来はどこで誰とどのように暮らしたい?

理想の暮らしを考える時に加えたいエッセンスは、時間軸です。あなたは5年後、どこで、誰と、どのように暮らしたいと思っていますか。10年後はどうでしょう。20年後は?

例えば、「10年後は海外で暮らしたいなぁ」と考えているならば、今、35年の住宅ローンを組んで新築マンションを購入するという計画は適さないかもしれません。「10年後には田舎に戻り家業を手伝う可能性が高い」ならば、都会でのマンションを購入は、10年後の売却や賃貸を想定した住まい選びや返済計画が有効かもしれません。

目先の「購入」に集中し過ぎると、契約して引越ししたとしても、将来の見通しが立たずに居心地が悪く、いつもどことなく不安……という状態に陥ることも考えられます。理想とする暮らしに時間軸を加えることはとても大切です。あなたにとっての買い時は、今でしょうか。5年後でしょうか。それとも?そんなあなたのマンション購入適齢期も理想の暮らしを中長期で考えることでより具体化できるのです。

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理想の暮らしを時系列で考えてみよう。イメージしやすいところから書き込んでください。


イメージしやすいところからイメージする

未来に向かって自分の理想の暮らしを具体的に想像するポイントは、難しく考えないこと。何度でもイメージし直せばいいことですし、ひとつだけにこだわる必要もありません。イメージしやすい年代のところから、何パターンでも、可能性の数だけイメージすれば良いのです。

その時、「単身だし、将来のことはわからないから」とあきらめることはありません。将来どうなるかは誰にも断定はできないのです。

取り組んで欲しいのは「どうなるか」ではなく「どうしたいか」。この「どう暮らしたいか」を考えず、目の前の条件だけを頼りに高額のマンションを購入してしまうことは、とても危険でもったいない行為です。大切なことは、自分が理想とする暮らしに必要で充分な住空間を手に入れて、その住空間と住環境の中で自分らしい理想の暮らしを実現していくことです。

大切な自分の人生です。じっくりと楽しみながら想像してください。そうすると、自分が理想とする豊かでハッピーな暮らしがさらに具体的になり、理想の暮らしに最適な住空間の条件が明確になってきます。あとは、その条件を満たす住まいを探すだけ。「住まい探しは自分探し」。お金だけではありません。出発点の自分と向き合いましょう。

自分のお金を知る。自分予算を知る

中長期視点で自分の理想とする暮らしを具体化すると、自分らしい予算計画に一歩も二歩も近づきます。それは、「いつ」「何に」「いくら」のお金が必要かという、ライフイベントの時期や必要経費を明確にできるからです。

3年後のマンション購入にいくら必要か、30年後のリタイア時にいくら必要か、などです。そうすると、3年後のマンション購入のために頭金を100万円貯めよう。30年後のセカンドライフのために手元のお金と併せて1000万円を準備しよう。とマネープランニングにとりかかることができるのです。マネープランニングは、今の自分と将来の自分を知ること、そして今のお金と将来のお金を知ることからスタートします。

人生の三大資金と言えば、住宅資金・教育資金・老後の生活資金ですが、理想の暮らしを時系列に並べることで、住宅資金と老後資金の準備が重複しないように、また、住宅資金にお金を充当し過ぎて老後資金が不足するような事態も避けることができ、将来のお金の動きを知るうえでも大変有効です。

まずは、自分の理想の暮らしを時間軸において具体的に想像してください。具体化できたら、理想の暮らしを実現するにはどのような住空間が適しているかを考えます。住空間への希望条件が明確になれば、優先順位を付けておきましょう。それは、購入予算の中で、どの希望条件から順番に叶えていくかというマンション購入の次なるステップで役立ちます。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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