運動と健康

「見た目」に即効果!歩き方のセルフチェック法

「歩き方」の癖は人それぞれ。改めて意識する機会が少ないせいか、立った時の基本の姿勢が取れない人も多く、きれいな「歩き姿勢」を身に付けるのは意外と難しいようです。ファッションや見た目以上に目立つ「歩き方」のセルフチェック法と、颯爽とした見た目を作り出す簡単なコツをご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

姿勢だけで見た目は変わる! 一度チェックしたい「歩き方」

女子高校生

鞄によっても姿勢が崩れる

普段なかなか意識することのない「歩き方」。自分の歩き姿勢を見ることはなかなかないと思いますが、道行く人の歩き方を見てみると、背中を丸めて歩いている人の多さを感じることと思います。頭の重さは成人で約4~5kg。頭の位置が数cm前にズレるだけでも、首から背中、腰にかけての負担は2~3倍ほど上がってしまうといわれています。

背面にある筋肉は、身体が前に倒れないよう常に緊張していなければならなくなり、こうした筋肉の緊張が肩こりや腰痛の原因にもなります。

いくらファッションや見た目に気を使っていても、背中が丸まり、肩や腰に不調を抱えた状態では、すっきりした印象にはなりません。長期的に取り組むダイエットもよいですが、第一印象の「見た目」をUPしたい方は、見た目ですぐに結果が出る「歩き姿勢」から見直してみてはいかがでしょう?
 

基本の「まっすぐ姿勢」の作り方

まず、歩き姿勢の前に、基本となるまっすぐな姿勢の 作り方から。背中の筋肉をほぐしたり、ストレッチをしたりすることも大切ですが、頭が前方にいかないよう、アゴを軽く引いて顔を上げるようにするとよいでしょう。わかりやすいのは、「あやつり人形」のイメージを持つこと。自分が頭頂部から糸で吊り下げられているようなイメージで立ってみましょう。顔が上がって背中がすっと伸びた状態になります。単純におでこを軽く押さえるだけでも頭の位置を意識することができますよ。

またカバンの持ち方によっても姿勢が崩れやすくなることが指摘されています。長時間、同じ側にカバンを持っていると、左右のバランスを崩すだけではなく、前後の姿勢も崩れやすくなります。両側に均等に重さがかかるリュックタイプのものは比較的姿勢に悪影響を及ぼさないと考えられていますが、左右のバランスがよくても、背中にかかる重さを補おうと首が前に傾きがちになり、これも肩こりや腰痛を引き起こすリスクを高めてしまいます。リュックタイプのものを背負っていても、アゴを軽く引いて視線を上げ、頭が前方にいかないよう意識することが大切です。
 

歩く時に簡単にできるコツは「肩の力を抜く」こと

シュラッグ

肩をすくめて脱力!

頭の位置が修正できたら、次に意識したいのは肩まわりです。頭を支えるだけでも緊張しがちな肩周辺部。さらにきれいに歩こうと意識的に腕を振ってみたり、デスクワークなどで長時間パソコンやスマホの画面をのぞき込んだりしていると、どうしても肩には力が入った状態になってしまいます。

簡単にできるセルフチェック法は、首を軽く回してみること。もし動きにくさを感じたら、首まわりのストレッチを行い、意識的に肩の力を抜くようにしてみましょう。肩をすくめる動作を繰り返すことで、余計な力が抜けやすくなります。腕を振って歩くときは肩甲骨を動かすことを意識してみると、自然に腕が振れるようになるでしょう。

■ショルダーシュラッグ
  1. 両肩をすくませるようにして肩と耳を近づけるように上げる
  2. その状態で肩甲骨を背中側で締めるように近づける
  3. 一気に脱力し、上げていた両肩をストンと落とす
 

腰に手を当てて骨盤の位置をチェック

ソファーにもたれる女性

骨盤が後傾した状態を改善しよう

次に、骨盤の位置をチェックしてみましょう。一番出っ張っている部分に手を当てて、骨盤の位置を確認します。誰かにチェックしてもらってもいいですし、鏡を見て自分でチェックすることも可能です。骨盤の高さが違っていると、柔軟性のバランスが崩れていたり、偏った身体の使い方をしたりしていることが考えられますので、いつも同じ足を組んだり、立っている姿勢が常に片方の足に寄りかかっていないかといったことを見直してみましょう。

また骨盤が後傾した状態(たとえばソファーに浅く腰掛け、だらしなく座っているような状態)になると、猫背になりやすくなりますので、しっかりと骨盤を立てて前傾した状態(軽く腰が反った状態)を保持するようにすると、重心の位置も正しくおさまり、きれいな歩き方になります。
 

全体が整ったら、最後に自然な足運びを意識する

さあ、ここまでできたら最後に歩き方です。歩くときには足のつま先を前方に向け、膝も同じ方向にして歩くようにしましょう。膝はまっすぐ前に向いているのに、つま先が外側に向いていたり、内側に入っていたりすると、膝や股関節などに大きな負担がかかりやすくなります。普段の歩き方でつま先の位置を確認し、前方に向いていない時はスクワット動作などで足の動きを確認することも一つの方法です。また左右の足が接地する幅は、骨盤からすっと足をまっすぐ下ろした位置が理想的です。骨盤が歩くたびに前後しないように、左右の足幅は拳一つ分くらいの間隔を空けて歩くように心がけてみましょう。

普段の歩き方を見直してみるだけでも姿勢が変わりますし、肩こりや腰痛などの改善にもつながります。ダイエットよりも即効性のある、見た目印象をぐっと改善する方法です。颯爽とした気持ちのよい歩き姿勢をさっそく今日から意識してみてくださいね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます