中世のおとぎの国! ローテンブルク
ドイツの観光街道としてあまりにも有名なロマンティック街道は、ワインで有名な古都ヴュルツブルクからノイシュヴァンシュタイン城の玄関口フュッセンまで、中世の面影を残す魅力的な街を結ぶ全長350kmのルート。このロマンティック街道沿いで、一番のハイライトともいえる街がローテンブルクです。ローテンブルクの正式名称はRothenburg ob der Tauber(タウバー川の上方にあるローテンブルク)。谷間のタウバー川から見上げると、高台に浮かぶようにそびえる城壁都市が一望できます。城壁の中には中世の町並みがほぼ完璧に残されていて、街が丸ごとテーマパークのよう。カラフルな木組みの家が並ぶ石畳の小路を歩いていると、タイムスリップしたような錯覚を覚えるほどです。
ローテンブルクは日本人に圧倒的人気を誇る観光地なので、旅行会社のツアーも多く、街道をめぐる観光バスもありますが、短い滞在時間で急いで見て回って次の街へ向かうことが多いようです。スケジュールぎっしりのツアーだと難しいかもしれませんが、もしも時間がゆるすなら、ぜひ1泊して朝や夜の街を歩いてみてください。観光客で賑わう昼間とはまったく違った風景に出会えるはずですよ。夜警おじさんが案内してくれるガイドツアーに参加するのも楽しい思い出になりそうですね。
ここでは、観光スポットはもとより、お土産やおすすめレストランにホテルまで、ローテンブルクを満喫するための情報をお届けします。
ローテンブルクへの行き方
フランクフルト中央駅からヴュルツブルクとシュタイナッハで乗り換えて約2時間30分。ミュンヘン中央駅からニュルンベルク、アンスバッハ、シュタイナッハなどで乗り換えて約3時間。
夏期はロマンティック街道を走る観光バス「ヨーロッパバス」が運行中。
■ヨーロッパバス公式HP(日本語)
街の中心はマルクト広場
城壁内に入ったら、まずは街の中心マルクト広場へ行ってみましょう。広場に威風堂々と建つ建物は、16世紀にルネッサンス様式で建てられた市庁舎。塔の上からはおもちゃ箱のような可愛い街並みが一望できます。市庁舎隣に建つクリーム色の建物は、観光案内所がある市議宴会館。ここでは毎正時に動く壁の仕掛け時計「マイスタートルンク(Meistertrunk)」に注目しましょう。30年戦争のさなか、街を占領した皇帝軍の将軍に「大ジョッキ入りのワインを一気飲みできたら助けてやる」といわれたヌッシュ市長が見事に飲み干して街を救った、という伝説の場面が再現されます。ローテンブルクでは、この逸話を祝うパレード「マイスタートルンクの祭り」(5月頃)や「帝国自由都市祭り」(9月)も毎年開催されています。
■ローテンブルク観光局公式HP(日本語)
次のページでは、教会に博物館、絶景まで、ローテンブルクでぜひ見ておきたい観光スポットをご紹介します。