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介護家系図でわが家の介護離職ゼロを目指そう!

介護や看護を理由に退職・転職をする人は、年間約10万人いる、と言われています。今回は、将来家族で介護が必要になった場合に、どう備えたらいいか、介護家系図を使った考え方について紹介します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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介護家系図を作って、両親等に介護が必要になった時を想像してみよう

両親に介護が必要になったら、どうする?

両親に介護が必要になったら、どうする?

ライフプランセミナーや家計相談でお会いする方から、将来の介護について聞かれることが多くなりました。両親の介護について心配という方の中には、「父はまだ70歳だけど、体調があまり良くないので、近い将来が心配」など具体的にイメージしている方もいらっしゃれば、「両親はとても元気なので、想像がつかないけれど、介護が必要になったらどうしよう」と漠然と不安に思っている方もいらっしゃいます。漠然と不安に思われるきっかけは、その方の年代にもよりますが、「昔、母が祖母の介護で苦労していたから」とか、「ニュースや周りの人の話を聞いて」などです。

近い将来が心配という方も、漠然と不安に思っている方も、まずは、自分やご家族が今どのような状況なのか、整理してみましょう。ガイド平野が、相談やセミナーの際に使っているのが、「介護家系図」です。下図(Aさんの例)をご覧ください。

ガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

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Aさんは、3歳の子どもがいる共働き夫婦です。昨年マイホームを買い、そろそろ2人目の子どもが欲しいと希望しています。Aさんの母は、寝たきりの祖母の介護をしていましたが、先日過労で倒れてしまいました。これをきっかけにAさんが家族の状況を整理したところ、祖母以外にも、将来、要介護者となる可能性がある親族は、5人(Aさんの両親、伯母、Aさんの妻の両親)いることが分かりました。

一方、介護を担える人を見ると、Aさん自身は海外出張が多く、兄弟姉妹それぞれにも事情があり、誰もが介護にかかりきりになるのは厳しい、という状況も分かります。仮に、Aさんの妻が子育てと介護のために仕事を辞めるとしたら、どうなるでしょうか? Aさんの妻1人が、子育てをしながら全ての親族の介護を担うことは難しいですし、Aさん一家の家計状況も悪化してしまう可能性があります。

こうした状況を家族全員が把握し、万が一の時をイメージすることが大切です。「両親にいきなり介護のことを聞くのはどうも……」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした介護家系図を作って、ご両親にお見せしてみてはいかがでしょうか。まずは親自身の希望を聞きながら、現状を共有してみましょう。その上で、自分たちはどのようなことができるか、利用できる公的・民間サービスはどのようなものがあるか、助けてくれるご近所の方や親戚の方へお願いできることはあるか、両親が備えておけることは何か、など、少しずつ情報収集や整理を始めることが大切です。
【参考コラム】「家族会議」で親の介護不安を解消する!

>>介護のために仕事を辞める人は、年間10万人!?
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