雑貨/雑貨旅

イカの街「函館」をめぐる

イカ漁が盛んで、新鮮なイカを食べられる街、函館。北海道新幹線が開通することで、ますます便利になりました。「イカ」をキーワードに函館をめぐってみます。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

 以前、山口県の下関を旅した時、町中のどこもかしこもがフグで溢れていて驚いたのですが、果たして函館はイカの街でした。そもそもイカは「函館市の魚」に制定されています。市のゆるキャラは「イカール星人」。函館最大の夏のお祭り「函館港まつり」では、毎年「いか踊り」のパレードが街を練り歩き、およそ2万人の市民がこぞって参加するそうです。

イカ広場??イカール星人イラスト入り。

街で見かけたイカ広場??イカール星人イラスト入り。


道南海域のスルメイカ解禁は毎年6月1日。スルメイカは、東シナ海から西日本海エリアの南のほうで秋から冬にかけて産卵し、エサと水温を求めて北上してくるそうです。太平洋ルート、日本海ルートの両サイドから北上してきたイカが一斉に集まってくるのが津軽海峡。6、7月頃が一番の旬です。函館近海に回遊してきたイカは、ちょうど大きく成長し、たっぷりエサを食べて身も厚くなっている頃で、一番美味しいと言われています。函館がイカの街と呼ばれる由縁はここにあります。


函館の街でイカ探し

そんなわけで函館駅を降りると、ポストの上にイカのキャラクターが乗っていました。愛称「イカポくん」というそうです。2014年に設置されたそうなので、まだ新しいです。
イカポスト。夜撮影のため、暗くてすみません。

イカポスト。夜撮影のため、暗くてすみません。


マンホールにもイカの絵。通常は無着色ですが、ときどきカラーのものが見つかりますので、足元に気を付けて歩いてみて下さい。突っ込みどころは、イカなのに足が9本しかないこと。マンホールの絵柄は他に、五稜郭やハリストス教会など、函館の観光地をモチーフにしたものもあります。
イカが描かれた楽しげなマンホール。

イカが描かれた楽しげなマンホール。


街を歩くと、イカのモチーフを比較的あちこちに見つけられます。工事標識の看板には、一番上に笑っているイカの絵がちょこんと描かれています。「ポイ捨て禁止」のポスターでは、サンバイザーを被ったイカが一生懸命ゴミ拾いをしています。公共の案内看板やポスターなど、よく見てみるとチラチラとイカが登場しています。
イカは函館の街に愛されているマスコット的存在です。

イカは函館の街に愛されているマスコット的存在です。


イカモチーフを一番よく見る場所といえば、函館駅からすぐ近くにある「函館朝市」です。イカのオブジェが天井からぶら下がっていたり、地面に転がっていたり。見事にイカだらけ。生鮮のイカやイカの加工品も多く販売しています。そしてここにはイカの釣り堀もあり、イカ釣り体験ができます。自分で釣ったものは、すぐさま料理人が調理してくれます。釣り堀の横には巨大なイカのオブジェがどっしりと鎮座しています。市場内には飲食店もたくさんあり、イカや海鮮を食べられる店も多いので、イカ三昧を堪能できます。市場の奥には「イカール星人神社」なるものがあり、お参り(?!)してもいいし、イカール星人のグッズを購入することもできます。
函館朝市にあるイカの釣り堀。その奥には巨大イカオブジェが鎮座しています。

函館朝市にあるイカの釣り堀。釣ったイカは調理して食べられます。その奥にあるのが巨大イカオブジェ。


函館で買えるイカのお土産

イカの何かセンス良く可愛らしいお土産を探していたら、それは函館空港にありました。2015年12月にオープンした「函と館」は、函館空港ビルデング(株)が中川政七商店の協力のもとオープンした、北海道・道南地域の工芸品や食品を集めた土産もののお店です。函館の町並みや港をイメージした店内には、地元のメーカーと共同開発した、函館らしさ漂うオリジナル商品などが並んでいます。ここで注目してしまうのが「いかうろこ紋」。函館の名物のイカと、伝統文様のうろこ紋を組み合わせた「函と館」オリジナルの限定商品です。
「函と館」店の外観。

「函と館」店の外観。

いかうろこ紋のミニハンカチ「千代布」。

いかうろこ紋のミニハンカチ「千代布」。


ずらっと並んでいる三角形の連続模様は、よーく見てみるとイカのシルエットのようにも見えます。ピンク色のテキスタイルなのは、イカを焼くとピンク色になるからだとか??時々、足が生えていたり、焼き目がついていたり、ごくまれに、ダイオウイカサイズの大きなものもあるそうです!ほのぼのとした面白い発想で作っているのですが、デザインとしてきちんと洗練された可愛らしさになっているのが、さすがです。エコバッグ、ペットボトルカバー、ポーチやペンケースなど、いかうろこ紋を使った様々な商品があります。
模様をよく見ると、足の付いたものや、焼きイカが!

模様をよく見ると、足の付いたものや、焼きイカが!

いかうろこ紋のがま口。

いかうろこ紋のがま口。

こちらは同じくいかうろこ紋のポーチ。

こちらは同じくいかうろこ紋のポーチ。


「函と館」には、他にイカ商品として、「イカ踊り手ぬぐい」や「いか塩辛」「いか徳利」などがありました。イカ踊り手ぬぐいは、まさに函館港まつりの名物「いか踊り」をモチーフにした注染手ぬぐいで、ちょっとすっとぼけた雰囲気に愛嬌があります。いか塩辛は小田島水産食品(株)のもので、大正3年の創業以来、昔ながらの秋田杉の木樽で漬けている塩辛です。田部井美奈さんがデザインしたパッケージはここだけのオリジナル。いか徳利は、温かいお酒を入れると、いかの風味が沁み込んで、美味しい出汁のお酒になるという優れもの。函館以外にも、港町ではよく見つかるお土産ですが、ここのものは、型取りされたスマートで繊細なかたちなのが特徴的です。
イカ踊り手ぬぐい。ゆるいかわいさです。

イカ踊り手ぬぐい。ゆるいかわいさです。

「函と館」オリジナルのいか塩辛。

「函と館」オリジナルのいか塩辛。

いか徳利。かたちが意外とかわいいです。

いか徳利。かたちが意外とかわいいです。


北海道新幹線の開通で、陸路からも函館へ行けるようになりましたが、函館空港も魅力的な店ができていて見逃せません。函館市内から空港まではそれほど遠くないので(車で20分前後)、買い物に行くという手もあります。

函と館
北海道函館市高松町 511 函館空港 国内線旅客ターミナルビル2F
0138-57-8884
http://hakototate.jp


阿部商店のいかめし。

森駅で販売。阿部商店のいかめし。


最後にオマケ。函館駅から函館本線に乗って、「森駅」で売っている大人気の駅弁「いかめし」。このシンプルでグラフィカルなパッケージデザインにも惹かれます。イカと波を図案化させたロゴもいい。両手に収まるようなとても小ぶりなお弁当なので、ガッツリ食べると言うより、小腹を満たす感じです。というかむしろ、酒のつまみです。無性にビールか日本酒を欲します。少しだけ濃いめの味付けが絶妙なのです。イカがプリッとしながらも柔らかく、噛むとさっくり切れて食べやすいです。実は東京駅の駅弁売り場にも売っていたりするのですが(私は今回、東京駅で購入。これを買って新幹線に乗り、函館気分を盛り上げるのもアリ。)、森駅で買うと出来立てホカホカだったりして、一段と美味しく頂けるそうです。お酒が好きな方はワンカップかビール購入もお忘れなく。(真空パックのタイプは函館空港や函館駅にて発売されていました。)
プリッとした美味しそうないかめしが2つ。

プリッとした美味しそうないかめしが2つ。お酒を下さい。



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