コタキナバル

まさか人喰い花!? 野生のラフレシアは一見の価値アリ

世界最大の花として知られるラフレシア。独特な見た目のインパクトが強いですが、開花後5日程度で枯れてしまう希少な花でもあります。そんなラフレシアの不思議な生態と、ボルネオ島で野生のラフレシアを見に行く方法をご紹介します。

今村 志帆

執筆者:今村 志帆

コタキナバルガイド

ラフレシアとは――その不思議な生態

ラフレシア

ジャングルの中に突如現れるラフレシア!運が良ければ写真のような二株、三株同時開花に遭遇できることもあります。

熱帯のジャングルに咲く世界最大の花「ラフレシア」。

大きな種では花の直径が1m以上。つぼみの状態で9か月育ち、開花したら一週間も持たずに枯れてしまうため、幻の花とも呼ばれています。

茎や葉っぱのない花単体の植物、というのも変わっていますが、その大きさ、毒々しい色と模様、ぽっかり空いた口……その昔発見された際に、「人喰い花では?」と恐れられたというエピソードも頷ける独特な姿。実際は生き物を襲うことなどなく、他の植物のつるに寄生して養分を吸っている寄生植物です。

雄花と雌花があり、ハエによって受粉が行われます。種によってはハエをおびき寄せるために悪臭を放つものも。

何から何まで変わっていているこのラフレシア。実際にジャングルの中で咲いているところを見てみたいと思いませんか?

野生のラフレシアが見られるオススメの場所

もしこのラフレシアを「生で見たい!」と思った場合、日本からなるべく近く、手軽に、安全に、といった好条件で見られる場所はボルネオ島のコタキナバル。成田から直行便も飛んでいるので5時間半のフライトでコタキナバルまで来れちゃいます。

そのコタキナバルからラフレシアを見に行くならオススメは2ヶ所。

1. キナバル山麓ポーリン温泉周辺の村

看板

ラフレシアが開花していると公園の入口にこのような看板が出ています。

開花の頻度が最も高いのが世界自然遺産「キナバル国立公園」の一部でもあるポーリン温泉の周辺です。近くの果樹園や私有地の森林にラフレシアが開花すると、そこの農家の方が公園入口やその手前の道沿いに看板を出し、見学料(30リンギット程度)をとって案内してくれます。

ここで見られるラフレシアは主に直径80cm程度の「ラフレシア・ケイティ」という種。上の二株同時開花の写真も、ポーリンで撮影したこの種のものです。

キナバル公園の日帰りツアーに参加すれば、開花していると見学に立ち寄るので、こちらが最も手軽かつ高確率で見に行ける場所といえるでしょう。

<DATA>
■ポーリン温泉
アクセス:コタキナバルから車で片道2時間半。タクシー往復RM400程度
少人数の場合はツアー(英語190リンギット~日本語350リンギット程度)が手頃。

2. ラフレシアインフォメーションセンター

もう一箇所はコタキナバルの南方面の町タンブナンに向かって車で1時間半ほど走った山間にあるラフレシアインフォメーションセンター。こちらは州の森林局が管理する施設です。

ラフレシアの生態を紹介する展示があり、ラフレシアが開花している場合はそちらで見学料を払うと森林局のレンジャーが開花場所まで案内してくれます。こちらでは主に「ラフレシア・プリセイ」という直径50~60cm程度の小ぶりなラフレシアが見られます。

ポーリンと比べると開花の頻度は低めですが、こちらの開花状況はセンターまたは観光局のツーリストインフォメーションに問い合わせれば教えてもらえるので、開花を確認した上で見に行くことが可能です。

<DATA>
■ Rafflesia Information Centre
TEL :088-211732
営業時間:月~土8:00~15:00(開花見学の受付は14時頃まで) 日曜定休
料金:入場料5リンギット/案内料金 1組(5名まで)100リンギット
アクセス:コタキナバルからタクシー往復150リンギット程度

ビーチリゾートや世界遺産観光と合わせて、幻の花を探すボルネオの旅はいかがでしょう? ただしボルネオに咲くラフレシアは特に匂いはしないので、悪臭には期待しないでくださいね。

※1リンギット=約26円(2015年6月現在)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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