フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドのトイレ事情

旅行先で気になるのが、トイレ事情。観光中も頻繁に見つかるものなのか、無料で利用できるのか、清潔さはどうか……。日本のようにウォシュレットや温便座を取り入れたハイテクトイレはさすがに見つかりませんが、それでも得てして観光客には好印象なフィンランドのトイレ。利用できる場所や課金システム、またフィンランドならではのトイレ事情にまつわるトリビアをまとめました。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

フィンランドの公衆トイレは基本有料。けれど近年は無料化傾向に

VRトイレ

長距離列車内には、すべての車両ではないが、このように車いす用補助手すり、おまる、幼児用ベッドなどがついた万能トイレも設置されている

やはり旅行先では、トイレ事情が気になりますよね。観光中でも頻繁に見つかるものなのか、無料で利用できるのか、清潔さはどうか、など。まずフィンランドでは、観光スポットやショッピングモール内、レストラン内、駅構内には基本的に公衆トイレが設置してあり、なかなか見つからなくて辛い思いをする、ということはないはずです。市内を走るようなバスやトラムの中にはさすがにありませんが、長距離列車や、一部の長距離バス(オンニバスなど)の車内にも男女共用トイレはちゃんとあるので、長い移動中も基本的には安心です。

コイン投入口

有料の公衆トイレの扉に設置されているコイン投入口

ただし、観光地や駅構内、ショッピングモール内にある公衆トイレは有料が基本。相場は1ユーロ前後で、入口の扉横にあるコイン投入口にお金を入れるとガチャっと扉が開くシステムになっています。カフェやレストランの利用時には、お客様に限りトイレは無料で使っていいですよ、というサービスが普通です。ただし、トイレが店内になく、例えばショッピングモール内の共同トイレまで行かねばならない場合、まず店員さんに声をかけて本物のお金の代わりに使える擬似コインをもらい、それを扉横の投入口に入れて解錠する……という、やや面倒なシステムを取っている場所もあります。

とはいえ、近年はデパートやショッピングモール内のトイレが徐々に無料化の傾向にあります。例えば、ヘルシンキ中心街で観光客もよく利用するであろうストックマンデパート、カンッピショッピングモール、アカデミア書店などはいずれもトイレ利用が無料の嬉しいスポット。トイレ利用にお金をかけるのが惜しいと感じる人は、こうした買い物スポットや、美術館・博物館など、無料トイレがある場所で進んで済ませておくのがよいでしょう。街ゆく人に「トイレはどこですか?」と聞くためのフレーズは、「ミッサ・オン・ヴェッサ(Missä on vessa)」。Vessa(ヴェッサ)が、フィンランド語のトイレ。疑問文でも語尾は上げず、それぞれの単語を第一アクセントでカタカナ読みすれば通じるはずです。

フィンランドの公衆トイレの清潔度は、安心して利用できるレベル

トイレゲート

ヘルシンキ中央駅構内のトイレは、以前は駐在スタッフにお金を払うシステムだったが、近年立派なゲートが設置される運びとなった

無料・有料の違いはあれど、フィンランドの公衆トイレの清潔度は、世界的に見てもさほど悪いということはなく、「トイレがきれいで安心した」という観光客の声もよく聞きます。とはいっても、夜間のバーや利用客の多い場所などは、潔癖の人にはあまりおすすめできない状態のときもありますし、概して男子トイレよりは女子トイレのほうが、いつでも状態は良いようです。

フィンランドの水洗トイレは、一度流してからまたタンクに水がたまって水洗できる状態になるまで結構時間がかかります。ですのでありがちなトラブルとして、日本のように流水音を流す装置がないからといって排泄中に本物の水を流してしまうと、最後になかなか水が流せずやきもきする……なんてことが。少なくともフィンランドでは、公衆トイレで誰かの用を足す音が聞こえてくるのは自然なことという認識で、誰も恥ずかしいとかエチケット不足などと思ったりしないので、あまり過敏にならず堂々と用をたせば大丈夫ですよ。

国立公園など、郊外の自然の多いエリアでよく見かけるのが、いわゆるバイオトイレ。便座やペーパーはあるのですが、排泄物を水で流すことはできず、そばに置いてある土をいくらかスコップでかけて終わり……という、肥料づくりにも貢献できる自然にやさしいトイレです。ペーパーも土に返るので、一緒に捨てて大丈夫。こちらも、郷にいれば郷に従えで、恥ずかしがらずトライしてみてくださいね。

男子トイレ、女子トイレ、特殊トイレの表示をお間違えなく!

トイレ表示

Nが女性、Mが男性

近年はフィンランドでもあらゆるもののグローバルデザイン化が進み、看板などもできるだけ現地語を使わず英語やイラストでわかりやすく表示がなされるようになってきました。とはいえ、今でもしばしば見かけるのが、昔ながらのフィンランド語の「男性」「女性」表示。それぞれの頭文字だけをとったMかNかだけが扉に書かれていることがあるのです。

■M/mies(ミエス):男性 
■N/nainen(ナイネン):女性 

またこの他にトイレの扉でよく見かける現地用語として、以下の単語があります。

■inva(インヴァ):車椅子でも利用することができる広いトイレ
■lastenhoito(ラステンホイト):「子守」の意で、乳幼児用のおむつ交換台やおまるなどが設置されている個室のこと

MかNかは、トイレの他にサウナやシャワールームなどでもよく使われる象徴的な頭文字なので、いざというときのためにぜひ覚えておきましょう。ラステンホイトの役目を果たす個室は、大概の公共施設内に設置されています。

次ページでは、フィンランドのトイレ事情トリビアを一挙公開!

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